1/6
プロローグ
白黒の世界。
写真に写った二人は白黒で、みんなが着ている服も白黒。
全部混ざり合って、心は灰色だった。
周りに居る大人たちの心も、きっと欲望の色。
だけど、そんなことはどうでもいい。
いや、どうでもよくないことなんて、この世には無かった。
どうでも。
「……そういえば、わたしこれからなにしていきていけばいいんでしょう?」
どうでも、よくはない。
ただ、答えも見つからなかった。
きっと、この世は自由で、それがこんなに窮屈な気分にさせる。
そんな自由は、無限の可能性は、求めていなかった。