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心頼り  作者: 凛
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4月中旬

それからというもの、私は半月ほど彼女に会うことはありませんでした。

関わる場が無かったというのも理由の一つですが、最大の理由は私が半ば彼女の追っかけのようになっていたからでした。


「依利、よく飽きないねえ…」

渡り廊下の上から旭さんを眺める私に、友人である沙耶が笑って言いました。

沙耶は私の中学からの友人でした。彼女とは大人になった今でも定期的に連絡を取り合っています。


この言葉をかけられるたびに私は毎回同じような返しをしていたように思い出します。

「飽きないよ~!だって旭さん凄い美人だもん!沙耶も旭さん見てみなよって!」

そして沙耶ははいはい、と笑うだけでした。

これがいつものやり取りでした。


私はあの日から旭さんに夢中になっていました。

正直、同級生に見せつけたい、という気持ちも混ざっていたのかもしれません。

ですが私がその時から旭さんに対する憧れを抱いていた、ということははっきりと覚えています。それは今でも感じていることですから。


私の高校は4月中旬には部活動を決めなくてはいけませんでした。

それまでの期間、私たちは色々な部活動に仮入部するのです。

私は時間が許す限り様々な部活動を見て回りました。悩んでいた、ということよりは旭さんの部活を探していた、ということが理由でした。

ですが結局見つかりませんでした。

殆んどの部活動を見て回った筈なのに、彼女の姿だけ見当たらなかったのです。

もしかして彼女は部活動に籍だけを置いていて、全く参加していないのだろうか。

そう考えただけなのに、旭さんへの好感度が少し下がりました。



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