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幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
キャベッジ反撃編

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遅刻

 その日の夜にはソールとマーニはキャベッジへ到着した。



 「ロキさん、ご無事で何よりです」

 「……」

 「いろいろありましたが私たちは問題ありません。ところで、ソールさんたちはどうしてキャベッジに来られたのですか」



 ソールはラディッシュのギルマスからの依頼内容を説明した。



 「わざわざありがとうございます」



 ロキは素直にお礼の言葉を述べる。



 「ロキさん、短期間で物凄く成長したようですね」

 「……」

 


 ソールとマーニはロキを見た瞬間に目まぐるしい成長を感じ取る。



 「私の成長は新しい仲間のおかげです」



 ロキは誇らしげに言う。



 「新しい仲間と言えば、早くルシスちゃんを迎えに行く必要がありますね」

 「……」



 ソールとマーニは私がラディッシュでお留守番をしていると思っている。



 「そ……そうですね」



 ロキは私の力のことを話すか迷っていた。



 「ロキさん、現在パースリでは内紛があり以前よりも危険な状態になっています。パースリを経由せずにラディッシュへ向かったほうがよいと思いますので、私たちの馬車にお乗りください」

 「……」



 ソールとマーニはパースリの現状を説明した。



 「今パースリではそのようなことになっているのですね。君子危うきに近寄らずってことね」



 パースリは天空神教の町である。内紛に干渉するのも危険だと考えるのは当り前だ。



 「はい。私たちにとってはどちらも敵と言える存在なので近寄らないのが無難でしょう」

 「……」

 「それでは遠慮なく馬車に乗せて頂きます」



 Aランクの破壊者(デストロイヤー)である金烏玉兎(きんうぎょくと)は自分たちの馬車を保有している。いつかラスパも自分たち専用の馬車が欲しいものである。



 「ところでトールさんとポロンさんはどこにおられるのでしょうか」

 「……」



 ソールとマーニは辺りを見渡すがトールとポロンの姿は見当たらない。




 「いつものところです……」




 ロキはいぶかしい顔をする。



 「暴食たる所以ですね」

 「……」



 ラスパは他のパーティーからは暴食と呼ばれている。



 「困ったものです。明日は朝一の乗り合い馬車に乗る約束をしていますので、早朝にはこの宿屋に戻ってくると思います」



 ラスパはキャベッジを守った英雄とされているので、トールとポロンはただ酒を飲むために飲食街へ姿を消している。一方、私はダイエットをする為に黒の迷宮(ブラックラビリンス)へ向かい絶望(ディスパイア)モードでゲームを楽しんでいた。



 次の日の朝。



 「もう!あの2人はまだ帰って来ないわ」



 パースリへ向かう乗り合い馬車の時間は過ぎている。もし、ソールたちがいなければロキの怒りは頂点に達していたであろう。



 「ロキさん、落ち着きましょう。私たちはいくらでもお待ちしますよ」

 「……」



 ソールは笑顔で言って、マーニはロキの肩を叩いて親指を立て笑顔を見せる。



 「本当に申し訳ありません」



 ロキは深く頭を下げる。



 「本当に気にしていませんので大丈夫ですよ。お2人が戻るまでキャベッジで起きたことを詳しくお聞かせください」

 「……」

 「わかりました」



 ロキは宿屋の食堂で、キャベッジで起きた出来事を細かく説明するが私のことを話すべきか迷う。



 「キマイラを倒してのはロキさんたちではなかったのですね」

 「……」

 「はい。新たに私たちの仲間となった女性が倒したのです」


 「そうなのですか……。その女性のことを詳しくお聞かせください」

 「……」

 「今は詳しくお伝えすることができません。本人の許諾を得てから話したいと思います」



 ロキはいつまでも私の存在を隠すことはできないと思っている。いつ話すのか?それは今ではないと判断した。



 「キマイラを倒して、ロキさんを強くした女性の正体は非常に気になりますが質問はこの辺でやめておきましょう」

 「……」

 「そうして頂けると幸いです」



 ソールが追求しないことにロキはホッと胸をなでおろす。



 「おう!ロキ。お待たせ」

 「アパパパパ、アアパパパパ」



 ロキとソールたちが話し終えるとトールとポロンが宿屋へ戻って来た。



 「ほら、見ろよ。ポロンがリバウンドでしてるで。キャキャキャキャ」



 ポロンは横綱級に戻っていた。



 「お!ソールにマーニやんけ。何しとるねん」

 「トールさんはご機嫌ですね。私たちはあなたたちと協力するために来たのですが無駄足でしたね」

 「……」


 「ありがとさん。でも、ルシスのおかげで俺たちは強くなったから大丈夫やで」

 「ルシス……。もしかしてキマイラを届けに来てくれたルシスちゃんのことでしょうか」

 「……」

 「トール!」


 「あ!これは言ったらアカンやつか?」



 トールは気まずそうな顔をする。



 「トールさん、あの小さな可愛らしい女の子がキマイラを倒してあなたたち2人も強くしたの……」

 「……」

 「……そやな」



 トールは誤魔化しきれないと思って私の力を認めるとソールとマーニは目を見開いてビックリしている。



 「ポロンさんの体が大きくなったのもルシスちゃんが原因なのでしょうか」

 「……」

 「あ!それはちゃうわ。あれはただの食べ過ぎや」



 トールはあっさりと否定した。



 トール親分の失言で私の強さがソールとマーニにバレてしまったのです。ロキさんはおかんむりです!

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