表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
修業編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/114

ヒント

 「ロキお姉ちゃん、トール親分、私からアドバイスをしたいと思うのです」

 「そのアドバイス、ありがたく頂戴するわ」

 「聞かせて、ルシスちゃん」



 黒の迷宮(ブラックラビリンス)は私が作ったゲームなので攻略方法を知っていて当然である。しかし、その攻略方法を自分で見つけるのも修業の1つと言えるので安易に教えることはできない。



 「私が用意したゴーレムには必ず弱点があるのです。幾度も戦って弱点を見つけるのも1つの方法ですが、ヒントも用意しているのです」



 2人に用意したのは楽園(パラダイス)モードである。楽園(パラダイス)モードではゴーレムを弱体化しているのはもちろんのことヒントも用意されているのである。



 「たしかに何度も死の苦痛を受けるのはごめんや。ヒントを探せばええんか」

 「そういえば……。ルシスちゃん、アドバイスありがとう」



 ロキは何か思い当たる節があるのだろう。



 「では、私は横綱級となった殲滅のポロンさんをアトム級へ減量させてくるのです」

 「ほんま頼むで」

 「ルシスちゃん、お願いするわ」



 2人は人のことを心配している余裕などないが、あまりにもポロンが体重を超過しているので気にせずにはいられない。私は2人の希望を託されてお菓子の国(スイーツアイランド)へ戻った。



 「ほんだら行くか」

 「そうね」



 2人は覚悟を決めてログインした。



 「ロキ、ヒントに何か心当たりがあるんけ」

 


 トールもロキの反応に気付いていた。


 

 「トール、部屋へ入る扉を思い出して。扉に3つ首の髑髏の絵が描かれていたよね」

 「そやな」


 「もしかしたら扉の絵にヒントが隠されているのかもしれないわ」

 「そやな、調べてみる価値はあるわな」

 


 2人は急いで階段を降りて扉の前へ辿り着く。



 「この絵は3つ首スケルトンやな」

 「そうね。ちょっと汚れているから扉を綺麗にするわ」



 ロキは魔法で水を出して扉を綺麗に洗った。



 「先ほどは気付けませんでしたが、それぞれの顔の目の色が違うようね」

 「そやな。それとカマも2種類あるで。白のカマと黒のカマやな」



 2人は扉の絵をじっくりと観察して推理する。



 「目の色は属性の色とちゃうか?」

 「そうね。確かトールの感電死エレクトロクレーションを受けて真ん中の顔が壊れたはずよ。扉絵の真ん中の顔は黄色の目をしているから、天属性が有効打となったと考えて良いかもね」


 「それやったら3つの属性攻撃をすれば倒せるってことか?」

 「いえ、そんな簡単な方法で倒せるとは思えないわ」



 2人は再び扉の絵をじっくりと観察して推理する。



 「トール、3つ首スケルトンが2つ首スケルトンへ変わった途端に急激にスピードが上がったわ。もしかすると、攻撃する順番があるのかもしれないわ」

 「そやな。順番通りに属性攻撃すると逆に弱体化する可能性があるかもな」



 この推理は正解である。3つ首スケルトンを倒すには3つの属性で攻撃をする必要がある。そして、属性攻撃の順番を間違えると3つ首スケルトンにバフがかかって強くなる。逆に順番通り属性攻撃をするとデバフがかかるのであった。



 「最初は天属性ではないことはわかったわ。残るは火属性か水氷属性ってことね。この絵にヒントはあるのかしら」



 2人は再び扉の絵をじっくりと観察して推理する。



 「単純に左からでええんとちゃうか」



 扉絵の3つの髑髏には左から赤色、黄色、青色の目をしている。



 「赤色、黄色、青色……。そういえば、2回とも最初に私が狙われているわね」

 「そやな。だが、それがどうしたんや」


 「もしかすると、3つ首スケルトンは相手の持つ属性を探知して攻撃しているのかもしれないわ」

 「火属性を使えるロキを先に潰そうとしたってことやな」


 「そうよ。もしも、最初に攻撃するのが黄色の天属性だったのなら、真っ先にトールを狙っていたのかもしれないわ」

 「偶然やろ……と言いたいが一理あるやろな。なら扉絵の順番通りでええってことやな。となると次はカマの色やな」



 扉には3つ首の髑髏と2つのカマが描かれている。次はカマの推理をする。



 「飛び道具のカマか通常のカマの違いやろな」

 「カマの色によって変わると言うことね」


 「そやな。この絵をよく見ると刃が黒色のカマは、刃の部分と柄の部分に繋目が見えるやろ。これは飛び道具になるカマを現しているはずや。逆に刃が白色のカマには繋目はないやん」

 「この2つがルシスちゃんの言っていたヒントってことね」


 「そやな。攻撃する順番と敵の攻撃方法のパターンやな。これで少しばかり勝機は見えたかな」



 トールは自信なさげではなく慎重に答える。もうトールは慢心しない。



 「まだ勝機は見えていないわよ。おそらくだけど、前回と同じようにはいかないはずよ」

 「そやな。前回はバフがかかるから簡単に俺の感電死エレクトロクレーションを受けたが、デバフがかかる攻撃は全力で阻止するはずやろ」



 3つ首スケルトンがあっさりとトールの攻撃を受けたのはそのような理由があったからである。もし、自分が弱体化する属性の攻撃ならば全力で阻止するように作られているのは当然だ。



 「もう少しヒントがあるか調べてみましょう」

 「そやな」



 2人は扉のまわりを隈なく調べるが特に変わった所は見つからなかった。



 ロキお姉ちゃん、トール親分、まだまだ時間はあるのでがんばって強くなるのです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ