表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
修業編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/114

2色の魔石

 「3号ちゃん、順調に進んでいますか」

 「こちら3号です。ロキさんの魔石の2分割に成功致しました。次は魔石の回路を繋ぎ新しい属性へ魂を植え込みます」


 「ご苦労様なのです。引き続き慎重にオペを進めるのです」

 「はい。ルシスお姉様」


 「4号ちゃん、そちらはどうなっているのですか」

 「こちら4号です。トールさんの魔石の2分割に成功致しました。こちらも魔石の回路を繋ぎ新しい属性へ魂を植え込みます」

 

 「ご苦労様なのです。引き続き慎重にオペを進めるのです」

 「はい。ルシスお姉様」

 


 私は表向きにはオペをしているマネをしていた。しかし、実際は違うのである。2人を仰向けに寝かせたのにはきちんとした理由がある。胸を切り裂いて魔石を改造することは可能だが、この世界は魔法や能力(スキル)などが存在して、前世の世界とは違うのである。私は2人のお腹を切り裂くのではなく別の方法で魔石の改造をしていた。

 私は1mmにも満たないゴーレムを作るのに成功していた。その極小のゴーレムに魔石の改造を行える能力(スキル)とガブリエルの能力(スキル)である以心伝心を改良して作った遠感(テレパシー)能力(スキル)を備え付けた。これにより魔石の改造に特化した完璧究極生命体パーフェクトクリーチャーが誕生したのである。

 私は3号と4号にロキとトールの鼻の穴から体内に侵入して、魔石の改造をするように指令を出した。そして2人はロキとトールの体内へ入り、魔石の改造にほぼ成功したと言えるであろう。



 「2号ちゃん、汗」

 「はいなのです」



 私はオペの筆頭医師として責務を果たしている。しかし、2人にも目で見える形を示すために、白衣を着てメスを持ち汗を拭いてもらうなどの演出をしているのであった。雰囲気作りはとても大切なことである。



 「ロキお姉ちゃん、トール親分、オペは無事に終了したのです」



 3号と4号が2人の鼻の穴から出てきたのでオペは無事に成功した。



 「え?いつの間に」

 「ほんまでっか」



 2人が驚くのは当然だ。2人は全く痛みも感じていない。



 「3号ちゃん、4号ちゃん、術後の様子を説明するのです」

 「……」

 「……」



 あまりにも小さい3号と4号を視界で確認することは難しい。そしてそんな小さい2人が言葉を発しても声が小さくて何も聞こえない。



 「ルシスちゃん、ちゃんとわかるように説明して」




 ロキはベットで横になっているうちに、オペが終わったと告げられても納得することはできない。



 「実はかくかくしかじかなのです」



 私は3号と4号のことを説明した。



 「ほんまでっか」



 先に声を上げたのはトールだ。信用しろと言う方が難しいのかもしれない。肝心な3号と4号は見えないうえに声も小さくて聞こえない。



 「トール、ルシスちゃんを信じるしかないわ」

 「……そやな」

 


 トールは渋々納得する。



 「2色となった魔石は直に体と馴染むと思うのです。実際に2色になったかどうかは体で感じ取ると良いのです」

 「そらそやな。試せば一目瞭然やな」



 トールはベットから起きて外に出る。



 「トール、気が早いわよ」



 ロキも慌ててベットから起きてトールを追う。



 「ロキ、これを見ろよ」



 トールはロキに右手を差し出した。



 「すごいわ」



 トールは右手から火花を散らしていた。



 「俺は自分の属性である土属性の身体強化に全力を注いできた。だから属性外である天属性(天変地異の属性、雷や地震など自然界に起きる現象)はまったく練習してないねん。でも、これを見ろよ。天属性の雷をイメージしたら簡単に手から火花が散ったわ」

 「すごいわ。私も試してみるわ」



 自分の属性以外の魔法も使うことはできる。生活魔法程度の威力なら、属性外の魔法を練習する者は多い。しかし、破壊者(デストロイヤー)は命がけの戦いに身を投じる。中途半端な力しか発揮できない属性外の魔法を使うことは死に即決する。だから、それぞれが得意分野の魔法に磨きをかけて、お互いのできない所を補い合うのである。

 ロキは氷をイメージする。すると手から水滴が現れて、パキパキと音を立てながら凍り付く。30秒ほどが経過するとロキの右手は凍り付いていた。



 「すごいわ。でも、これからが大変ね」

 「そやな。今から新たな属性を自分のモノにするのにはかなりの時間がかかるはずや。でも、問題ないやろ。2属性を使いこなせれば確実に強くなるはずや」



 2人は今まで1つの属性を極めるためにこれまでの人生を費やしてきたと言っても過言ではない。そして、また新たに1から別の属性を伸ばすのには同じ時間がかかるかもしれない。しかし、伸び悩んでいた2人には吉報でしかないのであった。



 私にはまだ秘策があるのです!


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ