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幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
キャベッジ防衛戦

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帰還

 ロキとトールは2号を連れて、キャベッジの門前の監視部屋へ戻りポロンに治癒魔法を施す。そして、襲撃してきた全ての合成魔獣を退治したことと1号と2号の存在を説明した。ポロンは持ち前のあっけらかんとした性格で、何も疑問を抱くことなく快く1号と2号を歓迎する。



 「ルシスさんにそっくりでとても可愛いです」



 ポロンは2号を人形のように抱きしめる。



 「ポロンさん、私はあなたのことを惰眠長耳野郎だとお勘違いしていたことをお詫びするのです。これからはロキさんとお同様のお扱いをすることをお誓いするのです」



 2号は私にそっくりで可愛いと言われて嬉しくなって態度を一変させた。



 「ありがとうございます。時期に復活する1号ちゃんとも仲良くなれることを願っています」

 「お問題ないのです。1号ちゃんもポロンさんのおことをお気に入ると思うのです」


 「それなら嬉しいですわ」



 ポロンは無邪気な笑みを浮かべて喜んだ。



 「ポロン、私たちもカミラ男爵の屋敷へ向かうわよ」

 「もちのろんですわ」



 ロキは監視小屋へ上がる前に、カイルにカミラ男爵へ合成魔獣を倒したことを伝えるようにお願いしていた。ロキたちはカイルを追うようにカミラ男爵の屋敷へと向かった。



 「ラストパサー(最後の晩餐)の皆さん、今回も町を救って下さり誠にありがとうございます」



 カミラ男爵は深々と頭を下げる。



 「カミラ男爵、頭をお上げください。私たちは当然のことをしたまでです。それよりも大事なお話があります」

 「どうぞ、お聞かせください」



 ロキはルークが合成魔獣を率いていたこと。そして、1号と2号の言葉からカミラ男爵の息子であるローガンは魔獣人間となったが、殺されるのが怖くて逃げ出したことを伝えた。



 「あのバカ息子が……」



 カミラ男爵はぐっと涙をこらえて気丈に振る舞う。



 「武具が全て壊されていたのもあの子が原因なのですね」

 「はい。緻密に計画を練っていたようです」

 「アイツ1人でやったとは思えんわ。仲間がいるはずやろ」


 「大体の見当はついていますので、後で詳しく事情を確認いたします」

 「それがよろしいと思います」

 「で、これからどうするつもりやねん。あいつらは近いうちにまた来るやろ」


 「トール、失礼よ。また私たちで守るしかないわ」

 「悔しいが、今の俺らでは天空神12使徒には勝てへんやろ」

 「お安心するとお良いのです。もうすぐルシスお姉さまがお戻りになります。お甘いお菓子とお冷たいおジュースをお用意して、ルシスお姉さまにお跪きお慈悲をお願うとお良いでしょう」



 2号は翼をはためかせてロキの頭に乗った。



 「この可愛らしい方は誰なのでしょうか?」



 ロキは簡単に説明した。



 「わかりました。早急にルシス様へ甘いお菓子と冷たいジュースを用意致します」

 「……それが妥当やな」

 「トール……」



 ロキはやるせない気持ちになる。



 「みなさん、私たちは自分たちに出来ることを全力でやり遂げたのです。それで良いではありませんか?次に天空神教が襲ってきた時にも、同じように自分に出来ることを全力でやり遂げるだけなのです」



 ポロンは自分の思いを素直に述べる。



 「そして、こんなにもがんばった私にジューシーなお肉料理とキンキンに冷えたエールを与えるべきだと思うのです」



 ポロンの主題は後半の部分であった。



 「もちろんです。私の家でごちそうを振る舞いたいのですが、私もいろいろとやらなければいけないことが山積みになっていますので、このお金で好きなだけ飲み食いをしてください」

 「ありがとうございます」

 

 

 ポロンは極上の笑みを浮かべて喜んだ。そして、ロキたちは報告を終えると宿屋に戻って私の帰りを待っていた。


 

 


 「王女様を救って王家に恩を売りたかったのです」



 私は異世界ファンタジーあるあるの王女を助けるイベントを失敗して傷心に浸っていた。



 「異世界ファンタジーは難しいのです」



 膨大な魔力が戻り7大天使の能力(スキル)も手に入れた。後は人間界で無双をして、異世界ライフを楽しむはずだったのだが失敗の連続だ。私は意気消沈してキャベッジの近くまで戻って来た。ロキにはキマイラを届けるには往復で1日はかかると伝えていた。今はお昼過ぎになるので、伝えていた時間よりも早く戻って来たと言えるだろう。しかし、私が思い描いていた時間よりかはかなり遅くなっていた。



 「ドッキリも失敗なのです」



 良くないことは続くものである。今日は失敗の連続で朝の時のテンションとは雲泥の差がある。



 「ルシスお姉様、おかえりさまなのです」



 私が歩いてキャベッジの門へ向かう途中で、小ルシス1号がパタパタと翼をはためかせて、私を出迎えに来てくれていた。



 やっとキャベッジに戻って来たのです。

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