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7大天使の力

 「ミカエル、面白いことをしているじゃないか。俺たちも混ぜてくれ」



 声のする方へ目を向けると、魔法陣から新たな天使が6人もあらわれていた。

 驚く私の表情を見た天使達は、それぞれ自己紹介をしてくれた。まず私に能力(スキル)を与えてくれたのが、7人の天使の中で1番偉い天使長ミカエル、そして、ラファエル、ガブリエル、ウリエル、アリエル、アズライール、カマエル。この7人の天使は7大天使と呼ばれる天使の頂点に君臨するお偉いさんだった。



 「魔王の子供に能力(スキル)を与えるとは、天界始まって以来の大珍事じゃないのか。神たちが知れば天界から追放されてしまうぞ」



 と危険な話をしているのに、ニコニコと笑いながらラファエルはミカエルに問う。



「天界のルールでは、魔族へ能力(スキル)を与えてはいけないと記されていない。ルールに記されていない以上は、問題にはならないだろう」

 


 ミカエルは天使長らしく堂々たる態度で答えた。



 「たしかにそうだな。俺もその考えには賛成だ。だから、俺達も協力したいと思ってここに現れたということだ」

 「ミカエルの能力(スキル)は強大だ。でも神達が与えた能力者たちへの対抗策としては少し心もとない気がするぞ」

 「俺も同感だ。人界に住む者たちの醜い争いは絶え間なく続いている。そろそろこの醜い争いに終止符を打つ必要があるだろう」



 天使たちは各々に意見を出し合う。



 「みんなの意見は一致しているだろう。だがお前達に迷惑をかけることはできない」

 「なにを水くさいことを言ってるのよ」



 話しを聞いていた女性の天使ガブリエルがミカエルに話しかける。



 「私達は天使長の意向に従うつもりよ。それにそのお嬢さんに能力(スキル)を与えることは、正しい選択だと思っているわ」

 「そうだ!この子に能力(スキル)を与えることに異論はない。6人が個々に判断して、納得して出した答えだ」


 

 とカマエルが結論付ける。



 「ありがとうみんな。天使長として皆の言葉に感謝しかありません」



 天使たちの話しを聞いていると、やはり魔族に能力(スキル)を与えることは危険なことだ。もしかしたら、神の逆鱗に触れて、天界から追放される危険がある。それなのになぜ私なんかの為に、7大天使は能力(スキル)を与えようとなさっているのかわからない。しかし面白半分で能力(スキル)を与えると言うよりも、何か思惑があるのではないかということは理解できた。



 「お嬢さん、話しを聞いていたと思いますが、天使長として、あなたに7大天使たちの能力(スキル)を与えようと思います。お嬢さんの膨大な魔力量を考慮すれば、7つの能力(スキル)を与えても、問題が生じることはありません。しかし、7大天使の能力(スキル)を完璧に使いこなすには、かなりの努力が必要です。それを乗り越える覚悟がありますか」



 ミカエルは先程とは違って厳しい視線で私に問いかける。ミカエルの能力(スキル)だけなら、それほど難しいことではなかったようだ。だが、7大天使の能力(スキル)を全て使いこなすにはかなりの努力が必要となる。しかし私は迷うことなく心の中で即答した。



 「頑張るのです」



 私は異世界でチートスキルを使って無双することに憧れていた。最初から神様にチートスキルをもらえるものだと安易な発想をしていたが、そんなに異世界はあまくないみたいだ。でも頑張れば、チートスキルが手に入るのならば、頑張らなければ女が廃るというものではないか!



 「本当に面白いお嬢さんですね。でもそんなお嬢さんだからこそ、私も含めて7代天使が気に入ったのでしょう」



 ミカエルの先程までの厳しい表情が一転して、もとの優しい顔つきに戻り笑みを浮かべた。そして、私は先程と同じ儀式を6回繰り返して、7大天使と契約を交わした。紆余曲折したけれども私の契約は完了した。これで、お母様にも喜んでもらえるのだろうか……。いや無理であろう。魔族が天使と契約するなんて、天界だけでなく魔界でも大問題に発展する可能性がある。しかも、今の私は魔力0かつ身体能力も0なのだ。例えるならば、レベル1の村人にタコ殴りされるくらいに弱い。



 さて、私はこれからどうすれば良いのだろうか?


 

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