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幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
キャベッジ防衛戦

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42/114

それぞれの選択

 ハーメルンは天空神軍200名とジュピターから預かった合成魔獣150体そしてローガンを連れてシュティルの森へ向かった。




 「ジュピター、明日は天空神教の力をオリュンポス王国中に見せつける大事なイベントだ」

 「わかっているぜ」


 「わかっているのなら、今日くらいは女遊びはやめろ」

 


 ハーメルンが黄金の部屋を出た後に、ジュピターはケレースに説教されていた。



 「心配するな。俺はやる時にはやる男だ」

 「その言葉は何度も聞いているぞ。お前は毎回天空神12使徒の会議は欠席するし、法王様との会合でさえ欠席しただろう」


 「そんなこともあったが今回の俺は違うぜ」

 「お前の言葉など信用できん」


 「そんなに大声を出すな。俺は天空神12使徒でも最強の神力を持つ男だ。俺が本気を出せばキャベッジなど1分で崩壊するぞ」

 「それはみんなわかっている。だが誰もお前の本気を見たことはない。毎回大事な時にお前は女と朝まで遊んで任務に来たことがないだろう」


 『ドンドン、ドンドン』


 「誰だ!今は大事な説教の時間だ」

 「申し訳ありません、ケレース様。バッカス様の居場所を特定しました」


 「わかった。今すぐ行く」

 「ハハハハハハ、アイツ見つかったようだな」

 「ジュピター、明日は必ずキャベッジに行け。絶対だからな」


 「大丈夫だ!俺を信用しろ」



 ケレースは不安な顔をして黄金の部屋を出た。そして、時間が過ぎて深夜になる。




 「嘘だろ……」



 ハーメルンは夜中の2時を過ぎた頃にシュティルの森へ到着した。そして、ありえない光景を目にしている。



 「ハーメルン司祭様、シュティルの森に住む全ての魔獣が死んでいるようです」

 「あの破壊者(デストロイヤー)がやったのか……」


 「ハーメルン司祭様、キマイラの姿も見当たりません」

 「ほれみろ、俺が言ったとおりやろ」

 


 ローガンは自分の言ったことが当たっていたので、いつもの調子で喋ってしまう。



 「この無礼者が!言葉使いに気を付けろ」

 「ご……ごめんなさい」


 

 ローガンは自分の立場を理解する。


 

 「ハーメルン司祭様、どう致しましょう」

 「おそらくジュピター様とバッカス様はここへは来られないだろう。しかし何も心配することはない。俺たちにはケレース様に授かった神の果実とジュピター様から授かった合成魔獣150体がいるのだ。それに対してキャベッジの兵士は武具も持たないポンコツ兵だ。キマイラの力を借りなくても何も動じることはないのだ」



 ハーメルンはローガンに命じて、キャベッジの兵士の武具を全て破壊させていた。



 「当初の計画よりも少し早くなるが明朝にキャベッジを襲撃する。キャベッジにはキマイラを討伐した破壊者(デストロイヤー)が居る。しかし、アイツら以外はただの木偶の坊だ。万が一にも俺たちが負けるなどありえない」

 「その通りでございます」

 「これで俺もやっと町長になれるのだな」



 ローガンは怒られないように誰にも聞こえない小さな声で呟いた。ハーメルンたちは魔獣のいない平和なシュティルの森で野営をして休息を取った。そして、決戦の朝が迎えた。私はキャベッジに脅威が迫っていることを気付かずにラディッシュへひとっとびした。しかし、全く何も用意してなかったわけではない。




 「ルシスさんは出発したのでしょうか?」



 眠たい目を擦りながらボロンがロキに問う。


 

 「そうね。今から私たちも仕事に向かうわよ」

 「ロキさん、本当に天空神教が襲ってくるのでしょうか」


 「わからないわ。でも、天空神教はキマイラを使ってキャベッジを襲う予定だったわ。ルシスちゃんがサクッとキマイラを退治しちゃったけど、キャベッジを襲う計画を断念するとは思えないわ」

 「ルシスさんがお強いのでしたら、キャベッジに残ってもらったほうが良かったのではないのでしょうか」


 「ルシスちゃんに甘えてばかりはダメよ。キャベッジは私たちで守り抜くのよ」

 「ロキ、それはちゃうな」



 トールが目を覚ました。



 「トールさんの言う通りです。ルシスちゃんに甘えるのもありだと思います」

 「それもちゃうで。俺が言いたいのはキャベッジを守る必要はないってことやで」

 「トールの言いたいことはわかります。でも、無視することはできません」

 

 「トールさん、どういう意味でしょうか?」


 

 ポロンはトールの真意を理解できない。



 「依頼にはキャベッジの警備は入ってないやろ。破壊者(デストロイヤー)は依頼以外のことには手を出さないのが鉄則や。慈善事業は身を亡ぼすで」

 「たしかにそうですわ。ロキさん、二度寝に入ってもよろしいでしょうか?」

 「ポロン、宿屋のおかみさんたちがどうなっても良いの。トールの意見は間違ってはいない。私は全ての人を助けようなんて大それたことは言わないわ。でも、私たちと関わった人たちを見捨てるようなことだけはしたくないのよ」

 

 「ロキ、それはただの奇麗ごとだ」

 「わかったわ。2人が来ないのなら私1人でも警備をしてくるわ」

 「……」



 ポロンはどちらにつくか迷っている。



 「待てロキ、俺はキャベッジの人などどうでも良いわ。しかし、お前を見捨てるほど薄情な女ではない。俺はお前を守るためについて行ったるわ」

 「トール、ありがとう」

 「待って下さい。私も付いて行くのです」



 ポロンは慌てて2人の後を追った。



 ラストパサー(最後の晩餐)対ハーメルン軍の戦いが始まるのです!

 


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