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幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
ルシスの暴走編

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 「みなさん!おはようなのです」



 と大きな声で挨拶をしようと思ったが、みんなが気持ちよさそうに寝ているので、口パクで挨拶をした。昨日は一睡もしていなかったので、19時過ぎには部屋に戻り眠ってしまった。一方、ロキたちは深夜までどんちゃん騒ぎをしていたので、ぐっすりと寝ているのであった。

 今日はラディッシュのギルドへキマイラを届ける()()()()を頼まれているので早起きをしたのである。



 「ルシスちゃん、もう出かけるの」



 ロキは私が起きたことに気付いて目を覚ました。そして、トールとポロンを起こさないように小声で声をかけた。



 「はい。今から出発するのです」

 「無理はしないでね」


 「もちろんなのです。ロキお姉ちゃん、いってくるのです」

 「いってらっしゃい」



 私は町を出て、人目につかない所へ辿り着いてから、翼を広げてラディッシュへひとっとびした。



 「朝日がとても気持ち良いのです」



 無限に広がる森の中から太陽が昇り、心地の良い眩しい光が私を照らす。前世では味わうことはないだろう空から見下ろす旭日昇天の姿に、私は優越感さえ感じていた。



 「さくっと終わらしてロキお姉ちゃんたちを驚かすのです」



 キャベッジからラディッシュに向かうには馬車で3日かかる。でも、私なら空を飛ぶことができるので、キャベッジとラディッシュ間を往復しても1日で帰ってくることができるとロキに説明している。しかし、実際は1時間もあれば往復は可能だ。

 私はロキに嘘をついたのではない。実はドッキリをしかけたのである。1日かかる距離を実際は1時間で帰ってきたら、ロキがどのような反応をするのか、考えただけでもドキドキワクワクする。



 「あれ?あれはなんだろう」



 私は電車で車窓を見るように、空から下界の景色を眺めながら飛行していた。すると、町から町へと結ぶ大きな街道を埋め尽くす団体行列を見つけたのである。その行列は街道から離れた森の中から発生しているようだ。



 「あれは異世界ファンタジーで定番のオークさんなのです」



 オークとは体長2mほどの2足歩行をする豚の魔獣である。オークは手先が器用な魔獣であり自分で鎧や武器を作り武装をしている。しかし、言い換えると武器になるような身体的特徴を持っていない魔獣だ。オークはEランクの魔獣で、常に10体以上の群れで行動をする集団魔獣である。



 「ものすごい数なのです」



 空から見ると蟻の行列のような黒い道が1㎞ほど連なっている。そして、行列の先頭には他のオークよりも1回り大きなオークの姿も確認できた。



 「おかしいのです。街道は魔獣の生息地を遠ざけて敷かれているので、魔獣は侵入しないはずなのです」



 これはキャベッジと同じようなできごとが起きているのだと考えるのが妥当である。しかし、キャベッジと状況はことなりオークの数は1000を優に超えている。



 「【知識の書庫】のスキルを使うのです」



 魔王書庫にはあらゆる情報が記載されている本があり、私は魔王書庫に置いてある本は全て読破した。しかし、全てを読破したからといって、全ての本の内容を覚えているかは別問題だろう。実際に私が知識として覚えている内容は2割にも満たないかもしれない。でも、安心してください。そんな記憶力が人並みな私のために、役に立つ能力(スキル)を発明したのです。

 私はカマエルの能力(スキル)である全知全能を応用して、【知識の書庫】と名付けた能力(スキル)を作り上げた。【知識の書庫】とは、一度見聞きした知識を辞書のように脳の記憶から検索する能力(スキル)である。アカシックレコードと似たような能力(スキル)だが、一度知り得た知識なら【知識の書庫】の方が、万能性が高くて瞬時に答えを導き出す。



「わかったのです。これは魔獣の大暴走(デスパレード)なのです」



 魔獣の大暴走(デスパレード)とは、何かしらの力によって、魔獣の大群を使役して暴走させることを意味している。使役の特徴は目を見れば判断できる。使役された魔獣は目が真っ赤に充血して、憤怒モードになっているはずだ。



「およよ〜。よく見ると魔獣の大暴走(デスパレード)の先頭に立派な馬車があるのです。これは、異世界ファンタジーの序盤では必須のシーンなのです。あの立派な馬車には、高貴な貴族令嬢、もしくわ王女様が乗っていて、悪者が魔獣を使役して馬車を襲っているはずなのです」



 これは私が魔獣を退治して、お貴族様と友好関係を築き上げる異世界ファンタジーでは定番の大事なシーンだ。しかも、派手にやり過ぎて、「このことは内緒にしてください」と頼んで、秘密を共有して深い絆を結ぶおまけも手にするのも良いだろう。



 ここは私の腕の見せどころなのです。





 

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