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幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~  作者: にんじん
クラーケン討伐編

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領主の反応

 「さて、ロキさん本題に入りましょう」

 「はい」



 ロキはキャベッジの出来事と私のことを包み隠さずに全て話した。



 「わかりました。ルシスちゃんのことは私の胸の内にとどめておきましょう」

 「そうして頂けると助かります」



 私の存在は異質である。本来ならば王都のギルドへ私のことを報告するのがディーバの役割である。しかし、ロキは私の力のことを内密にして欲しいとお願いをした。



 「ディーバ様、パースリの件でご報告があります」

 「……」



 ソールとマーニはパースリの内乱の件を報告する。



 「わかりました。パースリの件は領主へ報告する義務がありますので、後で一緒に領主邸へ来てください」

 「了解です」

 「……」



 ディーバの夫であるリアム・コーンウォリス伯爵はラディッシュ、パースリ、バードク、キャベッジ、キューカンバの5つの町の土地の領主である。パースリで起きた事件は領主へ報告する義務がある。



 『ガチャガチャ、ガチャガチャ、ガチャガチャ、ガチャガチャ』

 『ドンドン・ドンドン・ドンドン・ドンドン』

 「ギルマス、緊急事態です!意地悪しないで扉をあけてください」

 『ガチャガチャ、ガチャガチャ、ガチャガチャ、ガチャガチャ』


 「もう待てません」

 『ドカン』



 ヤヌアールは扉をぶち壊した。

 


 「ギルマス、緊急事態です!」

 「……」

 「……」

 「……」

 「……」



 全員呆然としている。



 「ギルマス、湖ができたのです」

 「ヤヌアール、何を言っているのですか?」



 ディーバにはヤヌアールの言っている意味が理解できない。



 「み・ず・う・みができたのです」

 「そういう意味ではありません。きちんと説明しなさい」



 ヤヌアールはゆっくりと説明するがそういう意味ではない。



 「大きな水たまりができたのです」

 「……」



 ディーバとヤヌアールの話し合いは並行線で交わらない。



 「ディーバ様、私が報告者から直接聞いてきました」

 「……」



 ソールはヤヌアールのことを熟知している。すぐにギルマスの部屋から出て報告者を見つけて話を聞いてきた。



 「助かるわ、ソールさん。詳細をお願いします」

 「はい。報告者はバードクを拠点とする破壊者(デストロイヤー)です。昨日、多量の水がバードクの周辺に流れ込み原因を調査した結果、パースリ周辺が浸水して湖となっていたそうです。急激な大雨もしくは何かしらの力によって低地であるパースリ周辺に水が溜まって湖となったと推測されます」

 「そうです。私もそのように説明したはずです」


 「ソールさん、これは天空神教の内乱と関係すると思いますか」



 ディーバはヤヌアールの相手をしないでソールに意見を求める。



 「パースリを水没させるような大雨が降ったとは思えません。かと言って天空神12使徒の力とは思えない程の人外の被害です。私にはさっぱり見当がつきません」

 「わかりました。すぐに調査依頼を出したいと思いますが、もしもパースリを湖に変えたのが自然の力ではなく人外を越えた大きな力を持つ人物ならば非常に危険な依頼になると思います」

 「私たちが依頼を受けましょうか?」



 ロキが依頼を名乗り出る。



 「助かるわ……。と言いたいけれど大丈夫なの?」



 ディーバは首をかしげる。



 「大丈夫です。あの2人には私が説得します」

 「難しいと思います。キャベッジの依頼料とキマイラの素材料を全て持って行かれました。トールさんとポロンさんは、しばらくは戻って来ないと思います」



 ディーバはギルドマスターとして破壊者(デストロイヤー)一人一人のことを熟知している。



 「申し訳ありません」



 ロキは頭を下げて謝る。



 「その依頼は私たちが代わりに受けさせてもらいます」

 「……」

 


 ソールとマーニは依頼を買って出た。



 「連戦になるけどお願いできるかしら」

 「問題はありません」

 「……」



 ディーバは金烏玉兎(きんうぎょくと)に依頼した。



 「緊急事態になりますので、先ほどの件と一緒に領主へ報告致しましょう」

 「わかりました」



 ディーバはソールとマーニを連れて自宅である領主邸へ向かった。一方ロキは宿屋へ向かった。




 「応接室に領主様を呼んでいます」

 「わかりました」



 ディーバは豪華な洋館に戻ると、ソールとマーニを客間へ案内してからリアムの書斎へ向かった。リアムに事情を説明して応接室へ行くようにお願いした。



 『トントン・トントン』

 「入れ」

 「わかりました」



 ディーバたちは応接室の扉を開けて一礼をする。



 「座れ」

 「わかりました」

 「はい」

 「……」

 


 リアムの許可を得たディーバたちは椅子に座る。



 ※ リアム・コーンウォリス伯爵 身長180㎝ 体重65㎏ 40歳 肩まで伸びた茶髪 端正な顔立ちのイケオジ。



 「詳しいことを話すが良い」

 「はい」

 「……」



 ソールはパースリの内乱の事と水没した件を説明する。



 「まぁ、問題はないだろう。報告ご苦労であった」



 そう述べるとリアムは席を立ち書斎へ戻った。


 

 リアムの対応はあまりにもお粗末なのです!

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