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魔王の子供に転生しちゃいました

この作品は以前に投稿した作品のスーパーリメイクです。以前の作品は、初めて書いた作品で誤字脱字など非常に多くて、読みにくい作品となっています。今もそれほど文章力が成長したとは思えませんが、多少はマシになっていると思いたいです。

内容も11話以降は全く別物になっていますので、別作品として読めるはずです。

 魔界にて魔王の子供が生まれた。


 魔王は200歳になると子供を作り、子供を作り終えると魔界から冥界へと旅立つ。魔王の子供は必ず3つ子が生まれ、その中の1人が15歳になると魔王として魔界に君臨する。この魔王不在の15年の期間は、魔王妃が魔王補佐官として魔界の秩序を守りながら3人の子を育てる。

 

 

 私は魔王の長女としてこの魔界に転生した。3つ子のうち1番上の子が、魔王の強大なる魔力を受け継ぐので私が魔王最有力候補であった。私は3歳の誕生日の日に突然前世の記憶を思いだした。



 私は17歳の時に、異世界小説の定番である道路に飛び出した子供を助けた時に、車に跳ねられて死んでしまった。しかし、良い行いをしたはずなのに、私が死後に連れて行かれたのは地獄であった。思い出しただけでも恐ろしい顔の閻魔大王の裁きによって、私の地獄行きが決定した。


 閻魔大王は死者を大きな鏡の前に立たせて、生前の悪行を鏡に写し出す。そして、それを死者に見せて真実か問うのである。閻魔大王に嘘は通じない。そこでいいわけでもしたら、地獄でも過酷な場所に送られてしまう。


 鏡が写し出した私の悪行は…………なんと、お姉ちゃんが冷蔵庫で保管していたプリンを食べている姿だった!



 「お前は姉が大事に冷蔵庫で保管していたプリンを食べたのだな?」



 閻魔大王に言い訳をしてはいけない。



 「はい、そうです」



 私は素直に真実を述べる。



 「鬼卒ごくそつ、こいつを無間地獄へ連れて行け!この地獄で1番の苦痛を与えてやるのだ!」



 閻魔大王は顔を真っ赤に染めて怒号を上げて判決を下す。

 鬼卒とは閻魔大王の配下であり刑罰の執行官である。私は鬼卒に引きずられながら閻魔大王の広間から連れ出された。



 「お前も運が悪いよな。閻魔大王様はプリンが大好物なんだよ。だから、プリンを黙って食べるなんて許せなかったのだろう」

 「私はそんな理由で地獄へ行くのですか?」


 「そうだ。閻魔大王様の判断は絶対だ。しかし、お前は書類によると事故から子供を救った善人なので、天国に行くはずだった」

 「…………」



 言葉にならない。



 「でも安心しろ、今回は閻魔大王様に内緒で、お前の地獄行きはなかった事にしてやる」

 「ありがとうございます。」


 「しかし、問題がある。いまさら天国へ送ることはできないのだ。そこでだ、お前を異世界へ転生してやろう」

 「本当ですか!」



 異世界の小説が好きな私にとって、異世界への転生は天国に行くよりも嬉しい事だ。もしも私のわがままを聞いてもらえるならば、お貴族様に転生して、チート能力を授かり異世界の勇者になりたいと思った。



 「あの~転生先はお貴族の令嬢で、時を止められるようなチート能力が欲しいです」



 私は思い切って鬼卒に自分の要望をお願いした。



 「無理だ。転生先は魔界になる。その代わり魔王の子に転生してやろう」

 「…………」



 言葉にできない。

 私は勇者じゃなくて魔王の方だった。


 

 「何を驚いているのだ。ここは地獄だ。人間へ転生させるのは不可能だ。嫌なら無間地獄で永遠に苦痛を受け続けるか?」

 


 私は地獄で苦しみ続けるよりマシだと思い渋々了承する。



 「転生させてやるが、生まれてすぐに記憶があるといろいろ大変だろう。なので、3歳になったら記憶が蘇るようにしといてやる」


 

 そして私は魔王の子として転生したのであった。

 


 

 魔王の子は3歳から5歳までの間に、魔界のあらゆる知識、戦闘訓練、魔力操作など、魔王になる為の英才教育を受ける事になる。特に魔王に1番近いと言われる私には、魔王妃直々から教育をうけ、弟2人とは雲泥の差をつける知識、魔力、教養、戦闘力を身につけてしまったのである。


 そして、魔王の子は5歳の誕生日の日に、悪魔と契約して絶大なる能力(スキル)を手に入れることができる。その為どれだけ大きな能力(スキル)を持つ悪魔と契約する事が、魔王になるためには重要なのであった。


 私のお父様、すなわち先代の魔王は3人の悪魔と契約していた。そして、その中には悪魔の王サタンがいた。




 そして5歳の誕生日を迎えた。悪魔と契約するこの運命の日、私は魔王城の地下にある魔王書庫へ幽閉される事になる。



 どうしてこうなった!



ルシスのイメージ画像です


挿絵(By みてみん)

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