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第95話 イギリス到着

 「さぁ、到着したよ。我が祖国イギリスに」

 「そんな事はどうでも良いんだよ!?魔法が使えない奴には何て言ったお前!?」

 「?、魔法が使えない者にとっては地獄と言っただけだよ?」

 「あのよ、俺魔法使えないよ!?」

 「さ、こっちだよ」

 「人の話を聞けよ!?」


 プラジェは、イギリスでも有名なビッグベンが佇む場所から少し離れた空港に着陸し、俺とギンは数時間に及ぶ飛行機の旅から開放された。


 「んん〜〜、やっぱロンドンはいいなぁー!」

 「それで今から何処行くんだよ。て言うか俺、着替えも何も持ってきてないぜ?」

 「大丈夫大丈夫、支給されると思うから」

 「支給?なぁ本当に俺は何の為に来たんだよ」


 やはり、どう考えても拉致まがいな事をしてまで俺をここに連れてくる意味がわからなかった。

 

 「魔法使う奴なんて二回しか戦ってないぜ?」

 「その二回が問題になったんだよ。まぁいいから着いて来て」

 「はぁぁい」


 俺とギンが空港からでるとネオ・アストラルシティとはまた違った趣のある街並みが広がっていた。

 まるで19世紀のロンドンのように、黒い街灯が設置されており、道行く人は白い煙を出す蒸気自動車や石畳を打ち付ける馬車の足音が鳴り響いていた。


 「た、タイムスリップした?」

 「してないよ。置いてくよ」


 ギンはどんどん先へと進んでいった。状況が未だ把握できていない俺にとっては初めての物ばかりなんだからもう少し説明くらいはして欲しいものだ。


 「・・・なら」


 俺は元々、無理矢理連れてこられたようなもんだ。なら、抜け出す事は少しくらいなら許してくれるだろ。

 カケルは少し歩いた先にあったビルとビルの間に入り込み、そのままその道を真っ直ぐに進んでいった。

 

 「あ・・・やば、逃げられた」


 ーー


 「さぁて、何をするかな」


 ギンから離れたカケルは早速、ロンドンの街を見学することにした。

 しかし、歩いて数歩でカケルは重大な事に気がついた。


 「やっちまった・・・。これは非常にまずいぜ。俺・・・日本語しかしゃべれねーわ・・・」


 すっかり忘れていた。物珍しさに体が先に動いてしまった。しかもギンの元に戻ろうと思っても道が全くわからん。


 「人にも聞けねぇし、まずいなこれは」

 「おい、お前」

 「んっ?」


 路頭に迷っていたカケルは突如、後ろから肩を力強く掴まれて、そのまま振り向かされた。

 振り返った先にいたのはまるでナイフのような鋭い目つきをしたツリ目の男で、殴ってやりたくなるほどの整った顔立ちをしていた。


 「お前、日本人だな。何で日本人がここにいる?」

 「え?おうイエスイエス」


 英語で話されても全く分からないのだが、ジャパンと言う単語が聞こえてきた事からカケルは日本人がどうかを聞かれたのだろうと思い返事を返した。


 「日本人なのは分かった。何でここにいるのかを俺は聞いてるんだ!」

 「あ?だからイエスだっつってんだろ?」

 「イエスなのは分かった!何でこんな所にいるのかを聞いているんだ!」


 男の顔が険しくなってきている。あれ?何か違うのか?いや、分かんねーんだから仕方ねーだろ!?


 「あ、いたいた!」

 「げっ!?もうバレたのかよ!?」

 「ん?ギンが何でここにいる」

 「え?」


 今こいつは何と言っただろうか?聞き間違いで無ければ、あいつは今ギンと確かに言った。

 

 「全く、僕の隙をついて逃げるなんていい度胸してるよ、英語も喋れないくせに」

 「ぐっ、し、仕方ねーだろ!初めての場所なんだ探検したいだろ!?」

 「おい、ギンこいつ誰なんだ?」

 「あ、そうだギン、こいつさっきから何て言ってるの??」

 「いっぺんに話されても、取り敢えずこれ着けて」


 ギンから手渡されたのは首輪型のデバイスだった。カケルは少しの間、物珍しさで眺めていたらギンが無理矢理それを装着させた。


 「おい、ギン!いい加減、説明しろ!」

 「ん?あれ?日本語?」

 「それは他国の言葉を自動で翻訳してくれる装置だよ。渡すの忘れててさ!」


 爽やかな笑顔でそう答えたギンを蹴り飛ばしてやりたいと言う気持ちをカケルは抑え込みながら、ようやく話している言葉が理解出来るようになったので、先程から何を言っているのかを聞くために男に声をかけた。


 「なぁあんた、さっきは悪かったな。俺になんかようでもあったのか?」

 「ん?あぁ、お前は何でここにいるって聞いていたんだ。それから俺はあんたなんて名前じゃない。俺の名前はレイヴン・アッシュだ」

 

 レイヴン・アッシュと名乗った男は相変わらず、鋭い目付きで俺を見つけてきた。


 「そうか悪かったな。俺の名前はカケルだ。何でも屋をやってる。ここにきた理由はそいつに拉致されたからだ」

 「そいつ?まさかギン、お前か?」

 「彼は少し特別でね。連れてくるように言われたんだよ」

 「・・・そうか。それでお前はどんな魔法を使うんだ?」

 「魔法なんて使えねーよ??」

 「は!?」


 そこまで驚く事なのか?と思う程、レイヴンはより険しい顔になって俺を見てきた。前から思ってたんだが、イケメンはどんな顔でもカッコいいんだよな。

 それがよりムカつくんだがな。例えばダイとか。


 「ギン!こいつにこの国の内情はちゃんと説明したのか!!?」

 「いえ全く。直接見た方が早いかなって思って」

 「何の、」

 「やめてくれぇぇぇぇ!!!」

 「!?」


 状況に更についていけなくなった時だった。少し遠くの方から男の人の大きな声が聞こえてきた。


 「なんだ??」

 「あー・・・丁度いいや。ついてきて見せた方が君も理解するのが早いでしょ」

 「何のことだよ?」

 「ただし!」


 歩き出そうとした俺の口にギンは人差し指を当てて、顔を目の前に持ってきた。

 俺は突然の事で思わず後退りしてしまった。


 「今から見る光景に対して絶対に介入しないようにしてくれよ?」

 「お、おぉ・・・」


 そう約束されて声がした方に進むと十字架に磔にされた男とそれを囲うようにして大勢の人々が集まっていた。更にそんな十字架の真下には鎧に身を包んだ騎士らしき人物達が立っていた。

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