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第76話 やられた分は返す

 クールの消滅魔法は突如、現れた一人の青年によって握りつぶされた。


 「よぉ、青ちゃんそんな所にいたんだ。いやぁ探したぜ。それにハヤテに九条に・・・あれ誰だ?」

 「お前は・・・」


 あの男、確か電磁塔ジャックの時の・・・。

 電磁塔の事件の際、宗一郎総理に殴りかかってきた二人のうちの一人。


 「よぉ、久しぶりだなイケメン。随分と色々やってるようじゃねーか。兎の耳つけた子から聞いたぜ?」

 「何だ死んでなかったのか」


 どうやらあの女、この男と鉢合わせたようだな。だが、それでこの計画が大きく狂うわけでもない。


 「さぁて、とっとと青ちゃんを連れ返らせてもらうぜ!」

 「お前程度の奴が俺に勝てる訳ないだろ」

 「やってみねぇとわかんねぇだろうが!!」


 カケルはクールに向けて、拳を振りかざした。その拳は音速を超えているかと思うほど早く、クールでさえ、六角形のバリアをオートにしていなければ喰らっていたと思うほどのものだった。


 「だが減点だ。ただの拳が俺に通じるわけ、」

 「オラァァァァァ!」

 「何!?ぐぶッ!!?」


 本来ならば、その攻撃は通じない。通じないはずだったのだ。だが、その拳はクールの顔面にクリーンヒットし、装置の一部を破壊しながら吹き飛ばした。


 「づあッ!ぐっ、」

 「オラ、立て。今のは葵の腹に穴開けた分だ」


 クールにとって、それはあり得ない一撃だった。クールは常に六角形のバリア以外に結界を自身の身に張っていた。

 その結界の効果は、魔法や物理的攻撃などの威力を強制的に半減させ魔法だった。あのハヤテの魔刃による斬撃もそれによって耐えることができた。

 だが、あの男は六角形のバリアを結界ごと今の一撃で破壊した。


 「おい、まさかこれで終わりじゃないよな?・・・ん?何?この黄色い光るの?」


 クールは呼吸を何とか整え、再び回復魔法を唱え妖精の力を借りて傷を治した。


 「・・・お前、何者だ」

 「あ?忘れたのかよ何でも屋のカケルだよ!最近出番がなくて忘れられてるようだな!嫌というほど俺の存在を思い出させてやるよ!」


 さして、そこまでの面識はこの男にはない。それにそこを聞いているわけでもない。

 かつて出会った時はそこまで脅威となるほどではなかった。だが、今の一撃は明らかに異常だった。奴のnoiseが身体強化だということは分かっている。だが、それを考慮してもあり得ない力だった。

 その正体を聞いていたのだが、どうやら頭の方は予想通りの出来らしい。


 「お前は危険だ。今ここで殺す」

 「お前こそ、楽にぶっ飛ばされると思うなよ?」


 赤き瞳を持つ青年と蒼き瞳を持つ青年は互いに歩き出しお互いの間合い一歩手前で止まった。


 「うっしゃ!行くぜ!」

 「術式展開」


 最初に動き出したのはカケルだった。

 クールもそれに合わせるように魔法陣を展開し、空気中の水分を集め、複数の水玉を作り出し矢のような形状へと変化させた。

 

 「水の奔流よ・矢となり・怒涛の一撃で敵を屠れ。"アクア・バラージ"」


 そして変化させた矢はカケルに向かって一直線に発射された。


 「んなもん聞くかよ!」


 迫り来る矢をカケルは拳で大地を殴りつけ、轟音と共に大地が隆起し、分厚い土の壁を形成した。

 矢はその土の壁に突き刺さり、カケルはそれを飛び越えクールに殴りかかった。


 「オラァァァ!!」

 「お前みたいなタイプは分かりやすくていいな」

 「ラァァァァァァ、おわっ!?」


 クールまで後少しと言うところだった。カケルは突然、空中で動きが止まった。

 

 「何だこれ!?お前の魔法か?放せこらぁ!!」

 「後ろを見てみろ。答えがわかる」


 クールに言われた通り、カケルが後ろを振り返ると先ほど、矢として放たれていた水魔法が今度は触手のようにうねうねと動きながらカケルの四肢を捕らえていた。


 「減点だ。バカ正直に後ろを向く奴があるか。炎魔法"焔槍カリュドン"」

 「うぐっぅ!?」


 燃え盛る三叉の槍を作り出し、カケルに向かってそれを放った。触れれば肉をえぐりながら焼くという想像を絶する痛みを与える槍をカケルは寸前で体を捻り、ギリギリのところで擦り傷だけで回避した。


 「何だ避けたのか。次行くぞ」

 「そう何度もやらすかよ!」


 カケルは自身を拘束している水を思いっきり引っ張り、土の壁から引っこ抜いて鞭のようにしならせながらクールに向けて叩きつけようとした。しかし、その水はすぐに分解され、クールの元に集まった。


 「それくらい予想済みだ。我が手に宿るは水の奔流・果てなき水流・鋭き刃となりて・敵を切り裂かん。"ヴォルテアカリス"」


 そして集めた水を素早く刃へと変化させカケルを襲った。


 「うぉぉおらぁぁぁぁあ!」


 水の刃が迫り来る中、カケルは残りの拘束されていた四肢を力ずつで拘束を破壊することによって解放し、水の刃を力づくで殴り壊し、バックステップで後ろに下がった。


 「ふぅ、いいなその魔法っての俺も使いたい」

 「お前のような男には無理だ。この力は俺のような選ばれた者達しか扱えない」

 「ふーん。()()()も関係してんのか?」


 カケルはそう言いながらクールの瞳を指差した。


 「・・・そうかお前に殴られた影響で不可視の魔法も消えたのか。訂正してやる。ただの馬鹿なわけじゃないんだな」

 「いや、いろんな魔法使うたびに目の色が変わるんだ馬鹿でも気づくだろ」

 「正解だ。魔法は使用する属性によって瞳の色を変化させる。選ばれた俺たちのような人間にとっての唯一の欠点と言うことだ」

 「その偉そうな感じも欠点じゃね?」

 「この瞳の秘密を魔法を使えないお前は知った。ここからは手は抜かん。全力でお前を殺すとしよう」

 「おもし、おわっ!?」


 カケルが言葉を言い終わる前にクールは次の一手である魔法を発動し、カケルを背後から襲った。


 「あっぶねぇなぁ!」

 「常に次の手を用意する戦闘の基本だ。"ハイドロスティア"」


 クールの手から青白く輝く超高圧力の水流が発射させられた。カケルはそれを先程までと同じく、片手で受け止めながらクールに再び殴りかかろうとしたが、それは魔法を受け止めた片手から感じた痛みによって動きは止まった。


 「ぐっ、何だこれ・・・糸?」


 痛みを感じたカケルが手を見てみるとそこには少し細い糸が刺さっていた。


 「単なるワイヤーだ。お前が受け止めるのは予測できていた。だから次の一手も既に発動した」

 「いッ!?ぐあぁぁぁぁ!!」


 クールの瞳は既に蒼色から黄色に変わったいた。

 そしてそれに気がついたカケルはすぐに手からワイヤーを抜き取ろうとしたが、全身を痺れるような痛みが駆け巡り膝をついた。


 「まだだ。地の怒りよ・揺るがなき地の力よ・砕けし欠片に命を与え・我が敵を塵へと帰せ。土魔法ロックデトネイション」


 カケルの足元の地面が砕かれ、細かな破片がカケルの周りを浮かび上がり、そして爆発を起こした。


 「くそっ!くっ、避けきれ、ぐあぁぁぁ!?」


 次々と起こる爆発に未だ体が痺れて言うことをきかず、カケルその魔法をモロに喰らい黒い煙の中にその姿を消した。


 「闇魔法ダーク・ロウ」


 黒い渦のようなものがクールの手に発生し、放とうとした瞬間、煙の中から石ころが三つ、弾丸の早さでクールに向けて放たれた。


 「無駄だ。その程度避けるまでもない」

 「ならこれはどうだ!」

 「何!?がはっ!!?」


 石ころを再び作り出した六角形のバリアによって守ったが、それと同時にカケルは地面からクールの足元に現れ顎にアッパーを放ち、更に腹部を拳で殴りつけ吹き飛ばした。


 「ハァ…ハァ…へへ、楽しくなってきただろ?因みにこれはハヤテ達の分な」

 「ゲホッゲホッ!お前ッ、殺す!!!」

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