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第59話 侵入成功

 「姉、さんは・・・家族みんなで、また、暮らす事を・・・望んで、いる・・・」

 「だからクールに姉弟で従っていたのか?」


 大の字で倒れている優希に駆け寄り、ハヤテは何故、クールに協力しているのかの理由を聞いていた。


 「とお、さん、が死んで・・・かあ、さんは・・・精神を・・・壊した・・・、クールさんに従え・・・ば・・・二人を・・・取り戻せる・・・って」

 

 クールが何をしようとしているのか分からない以上、何も言えない。だが、あの男が本当に願いを叶えてくれる保障なんてない。そんな事がわからない男ではないはずだ。


 「・・・お前は分かってたんじゃないのか」

 「さぁ・・・な」


 その言葉を最後に意識を失った優希を壁際に寄せて、立ち上がり先に進む事にした。


 ーー

 丁度その頃、カケル達は会議室に足を運んでいた。


 「ここか」

 「何と!こんな場所に本当に入り口があるのでござるか!?」

 「ほっほっほっ皆の者、ちと下がってくれぬかの」


 無影がカケル達を下がらせ、持って来た陰陽師達が扱う紙を使った。すると、会議室の中央から魔法陣が現れた。


 「うお!何じゃこりゃ!?」

 「何と奇怪な・・・」

 「お、写真集みっけ」

 「ここから入れば恐らくクール君の元まで行ける。しかし気をつけるのじゃぞ、恐らく何人かの十二司支はあちら側におるからの」

 「任せろって!」

 「先陣は拙者にお任せあれ!」


 カケル達は無影の忠告を聞き、砕蔵が真っ先に魔法陣に入ろうとした。しかし魔法陣に触れた瞬間、砕蔵の全身は雷に当てられたかのように痺れた。


 「あばびびびび!?な、なん、でござるか??」

 「砕蔵?、どうゆう事だよ師匠」


 黒焦げた砕蔵をどけて、無影は魔法陣を調べ始めた。


 「これは、どうやら何らかの細工を魔法陣に施されておるのぉ。ほっほっハヤテが入った時点でまた別の物にしたと言うわけかの」


 無影の言う通りならば俺達は完全に敵地に行く術を失った事になる。それどころか単純に不法侵入しただけの奴らだ。


 「おいおい、勘弁してくれよ俺達少し前に監獄から出て来たばっかだぜ!?」

 「つーかよぉ、俺達あれ脱獄っていわねぇーか?」

 「あら?あなた達知らないの?もうニュースになってたわよ??」

 「「マジか!?」」

 「・・・こいつらは少しは黙らないのか?」


 仮面の少女はカケルとダイを指差して呆れ返っていた。聞かれた九条も肩を上げため息をついて返答した。


 「うーむ、まいったのぉ。わしはこう言った事は苦手なんじゃが」

 「なぁなぁ、この魔法陣って奴さ、どこに繋がってんだ??」

 「ん?そうじゃな渡された紙からの情報によるとここの真下じゃな。しかし具体的にどこに繋がってあるかまでは」

 「下だな分かった。ほっ!」

  

 カケルは会議室のど真ん中に立ち、地面に向かって思い切り拳で殴りつけた。

 カケルの拳は魔法陣ごと、地面を深くまで砕き、会議室にいた者達は咄嗟に刀で地面を刺した無影を残して軒並みカケルが開けた深い穴に落ちていった。


 「・・・ほっほっほっ、まぁ大丈夫じゃろ。皆の者任せたぞー!!!」


 どこまで開けたのかカケル自身でさえ、分からないその穴を落ちる一行は、何も言わずに突然穴を開けたカケルにブチ切れていた。


 「い、いきなり何してるでござるか!?こんなの死ぬでござるよ!?」

 「そうよ!あんたね、アイドルである私の顔に傷つけてみなさい。殺すからね!!」

 「うるせーなーこれが手っ取り早かったんだからいいじゃねーか。それにこれくらいなら死なねーよ」

 「・・・お前の様な化け物と一緒にするな」

 「ふぅー。ん?タバコきらしたか・・・誰か持ってないか?」

 「そう言えば、最近イリスちゃんから連絡こねぇな。まさか、会いたくなるから連絡できずに!?な、何ていじらしいんだ!」

 「はいそこ!今の状況考えろ!でござる」

 

 穴はまだまだ深いのか、それとも自分達の体感時間が狂っているのか分からないが下を見ても真っ黒になっているだけだった。


 「そろそろ土遁使えよ砕蔵」

 「あ、そっか。土遁!って拙者地面に手つかないと無理なんでござるよ!!!」

 「うわっ、使えね」

 「何だとぉぉぉ!っととと!?どッ!?」


 その直後、砕蔵の首筋に細く白い糸がつき、砕蔵はそのまま引っ張られる様に壁へ激突した。


 「・・・それで使えるだろ」

 「も、もう少し優しく連れて来てくださいでござるよ!」


 砕蔵が両手を地面に触れると少し下の壁から足場が生え、カケル達はその足場に何とか着地をした。


 「あー死ぬかと思ったわ」

 「中々スリル満載だったな!あっはっはっはっ!」

 「そんなことよりタバコ」「イリスちゃん」

 「主らはだぁーとれ!!!」

 「・・・そんな事より、これからどうするかだ。まずは下を確認するぞ」


 仮面の女に言われた一行は砕蔵が少し開けた穴を覗き込み、小さな石ころをそこに投げた。

 ついでにカケルとダイが落としあいの遊びから本気の落としあいに変更したのでミサによってボコボコにされた。


 「深いでござるな」

 「ええ、これは相当あるわよ。バカケルあんたどこまで穴開けたのよ!」

 「え?知らね」

 「あーびびったすわ。まさかクールさんがやろうとしている事が世界征服だったなんて・・・ってえ!?何これ!?」

 「「「「「「・・・・」」」」」」


 カケル達がどうしたものかと考えている時だった。トイレの水が流れる音がし、その方向から扉を開けて猿條が現れた。


 「え?おたくら誰??」

 「侵入者だ」

 「言うな!」


 未だ状況がよく分かっていない猿條だったが、カケルの侵入者だの一言によって纏う雰囲気が変化した。


 「なるほど、随分と馬鹿正直な侵入者で助かったすよ。なら遠慮なく排除させていただきますよ!」

 「なぁところでここは何処なんだよ。それだけ教えて」

 「仕方ないっすね。ここはネオ・アストラルシティの地下にクールさんが作り出した、まぁ秘密基地みたいなもんすよ」

 「・・・それ言っていいのか?」

 「はっ!し、しまった!!」

 「何か・・・アホそうだな」

 「ふふーん!ここは拙者にお任せあれ!直ぐに其奴を倒して見せましょう!」

 「あ、おい!」


 いの一番に猿條に向けて走り出した砕蔵は土遁を使い、地面から刀を作り出し斬りかかろうとした。

 二歩前で踏み込み刀で首を狙った砕蔵だったが、首を後少しで斬れると言うところでその動きは止まった。

 

 「な、なんと!?」

 「全く勘弁してくださいっすよ。俺も一応、十二司支に選ばれた一人っすよ?舐めないでくださいっす」

 「何遊んでんだ砕蔵ぉ!」

 「う、動かないんでござる!」

 「当たり前っすよ!」


 身動きが取れない砕蔵を猿條は容赦なくいきなり現れた棒で叩きつけ、カケル達の方へ砕蔵を飛ばした。


 「お前noise持ってんな」

 「正解っす!俺のnoiseは念力!そして俺はNouTubeで登録者200万人を持つ超大物!更に十二司支、申の称号を与えられた超ヤバな男っす!」


 ーー

 「入り口の魔法陣が破壊されただと?」


 青の力を最大限に高めるための調整を行っていたクールは自身が作成した、結界兼入り口用の魔法陣が力づくで破壊された事に気がつき驚いた。


 「・・・アレを力技で壊すとはな。宇佐美、侵入者の居場所は?」

 「あーはいはぁいちょいまち。えーと、ここあいつのいる場所だね。猿がいる」

 「あいつか」


 猿條沸。類いまぐれな自尊心と目立ちたがり屋な性格で今回の計画にも自分から参加して来た男。

 優希よりは実力はあるが果たして勝てるかどうか・・・


 「あ、うっそマジ!?」

 「どうした」

 「わ、ワンパンで・・・え、猿條、やられちゃったんですけど・・・」


 ーー


 「何だったんだこいつ?」

 「知るか。俺に聞くんじゃねぇよ」


 名乗りを上げ、次に目の前の男に念力を使って動きを止め殴りかかった瞬間、目の前が真っ黒になり気がついたら壁を突き破って隣の部屋で俺は寝転がって倒れていた。

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