第56話 メンバー集結
「殴り込みって場所もわかんねーのにどういくんだよ?」
「場所のことならば、この紙があれば解決するから大丈夫じゃよ」
「じじぃ、テメェふざけてんのか?んなもんで行けたら苦労しねぇんだよ」
一枚の紙をヒラヒラとさせながら、喋る無影にカケルとダイ、ミサはついにボケたかと疑った。
しかし、無影はそんな事は気にも止めてないのかそのまま話を続けた。
「さて、まず最初に話しておかねばならぬ事がある」
「何だよ認知症の話か?」
「バカケル黙れ。遺産相続だろ」
「あんたらバカなの?私への告白でしょ?」
「何言ってんだお前に告白って」
「あら何よ?けんか売ってんの?」
「お前ら二人がバカなんだろうが!じじぃは俺に金を渡すんだよ」
「何で今その話に何だよボケ」
三人が喧嘩をし始め、病室が騒がしくなって来た頃だった。無影はいつもと変わらない笑顔で衝撃の一言を発した。
「ほっほっほっ今回の件、わしはこれ以上手は貸せん」
その一言にハヤテのいたはずの病室にいる全員が一気に凍りついた。
「「「な、何でだよ!?」」」
「ふぅー、当たり前だろ?無影殿はネオ・アストラルシティにいるが、勢力的には東部の陰陽師側なんだ」
「何だよそれ?なんかダメなのかよ」
「これは西部の問題だ。それにもし東部の人間が関わればそれはもう東西間の戦争になる。そんな事になれば被害は確実に拡大するだろ、無影殿はそれを危惧しているんだ」
東西は元々仲が非常に悪いのに今回の事で無影がでしゃばれば西が攻めて来たとなるかも知れない。
俺達はてっきり師匠は既に西側の人間だと思い込んでいたが、そう言えばハヤテを逃す為にこの街に来たと言っていた。つまり師匠もハヤテも破門はされてないと言う事なのだろうか?
だったらハヤテがでしゃばっている時点でアウトな気もするが・・・。
「無影殿は知名度的な問題だ。政府関係者なら無影殿の顔を知らない人はいないからな」
「んじゃあ、どうするんだよ。俺達四人だけでやるのか?流石にキツいんじゃねーか?」
「ほっほっほっ、それは心配ない。心強い助っ人を九条くんが連れてきてくれたぞ。入って来なさい」
無影が声を上げて扉の向こうにいるであろう人物に声をかけた。
すると扉を開けて二人の男女がハヤテのいた病室に足を踏み入れた。
「お久しぶりでござるなカケル殿、ダイ殿」
「・・・またお前と協力する羽目になるとはな」
「あー・・・と、、、えーと名前、、、誰だっけ???」
入って来た二人の一人は黒い忍者っぽい服装をしており、もう一人も見覚えのある仮面をつけていた。
確かに見覚えがある気はするが、まったく思い出せない。
しゃーないこうなったら、
「ダイ、お前覚えてる??」
「ったく、仕方ねーな。おい!お前ら誰だよ!!」
「お前も忘れてんじゃん!?」
「本当に忘れたんでござるか!?拙者でござる砕蔵でござるよ??」
「砕蔵・・・あー!お前そう言えばいたな!何だよこんな所で何してんだよ!」
そういえばいた。最近色々あって俺たちが監獄に入れられたそもそもの原因の存在を完全に忘れていた。
「拙者泣いていいでござるか?」
「何だよお前、無事なら連絡くらい入れろよ!!」
「いや、お二人が何処にいたのか探してたんですよ??」
「私は八咫烏からの依頼で派遣されただけだ」
「そっか、お前らが一緒なら心強いよありがとな」
「いや私は依頼されたからであって・・・」
「おほん、そろそろいいかの?」
師匠の咳払いで俺達六人は師匠に注目した。
「わしらは今から日本政府のとある場所まで足を運ぶことになる。そこに奴らの居場所に通じる道がある」
「そこにいってどうなるんだよ」
「そこでこの紙じゃよ。この紙はの陰陽師達が移動手段で使う時の呪符なんじゃ」
「じゃあハヤテのだろ?何でそんなもので敵のところに行けるんだよ」
ハヤテが敵側だからってのもあるかも知れないが、ダイ達から聞いた話の限り、そうゆうわけでもない。
「簡単じゃよ。敵側に陰陽師がおるんじゃ」
「魔法に能力者に陰陽師、クールとか言うやろぉ何処まで手広く商売してんだよ」
「ほっほっほっ、ともかくこれがハヤテの所にあるとするならハヤテの向かった場所も恐らく政府の建物じゃろうな」
問題はこれを誰が置いていったのかだ。緑君は葵ちゃんしかここに連れて来ておらず、ハヤテはいつの間にかおったという話じゃった。
つまり、その人物はハヤテを助け、ここまで運んできたと言うことだ。
何故、そんな事をしたのか。クールと言う少年の元にいるのならば、その少年が不利益になる事をする意味がない。何か別の目的があると言う事かの?
そんな事を無影が考えているとカケルとダイの二人が顔を覗き込んで何かを話していた。
「どうしたんだ師匠?」
「じじぃだからボケたんじゃあねぇかぁ?」
「ん?ああすまんのぉ。ちと考え事をの。ともかくこれさえあれば主らを敵地に連れて行く事ができる」
「なら直ぐにいこうせ行こうぜ!青ちゃんを助けてやらないと行けないしな!」
カケルは正面で手のひらに拳をぶつけ合わせ、直ぐに向かおうと扉を開けたと思いきやいきなり立ち止まった。
「そう言えばさ、ミサお前も行くのか?」
「?、ええそうよ?何よ、いきなり?」
「いやお前が人の為に動くなんて意外だなって思ってよ」
ミサは基本的に人の為に動く事はない。動く時は必ず自分に有益な何かがある時だけだ。
だからこそ、今回ちゃっかり行くメンツに入っていることに気になったのだ。
「そんなの私に利益があるからじゃないの。人助け系アイドルで売り出そうかなって思ってたのよね」
「何だそりゃ」
「いやね、ちょっと前に文句垂れた客と一悶着したら炎上しちゃってね?イメージ回復の為にやろうと思って」
「あ、そ、そうなんだ」
やはりミサはミサだった。




