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第48話 動き出す陰謀

 赤服女事件から二日後


 ある場所にあるエレベーターを使い、ネオ・アストラルシティ全体に広がる地下の拠点へと足を運んだ二人の少年、少女は自分達の目の前にある扉を開け会議室へと進んだ。

 中に入るとそのには円卓の机が設置されており、その席には何人かの人物が座り込んでいた。


 「おや、ようやく来ましたか。運ばれるところ上から見てましたよ?」

 「たっく随分と時間かかったじゃねーか」


 会議室へと入った二人を出迎えたのは奇妙な仮面をつけた男性と長い髪を後ろで結び、自身の身長と同じくらいの棒を持った青年だった。


 「あんまり遅かったから死んだと思ったぜ」

 「えっへへ、ごめんねー。演出やら設定やら考えて動かしてたら遅くなっちゃってさー」

 「姉さんのせいで随分と回りくどい方法を取らされた」


 姉は陽気に青年と話しながら席に座り、弟はそんな姉の姿をみながら小さく愚痴りながら座った。


 「あら?戻ってきたのね莉猫。あんまり遅いからお肉に加工されちゃったかと思ったわよ」

 「えぇー相変わらず馬場さんは冗談厳しいなー!馬場さんこそ馬刺しにされなかった?大丈夫?」

 「あら随分なご挨拶じゃないか?」


 二人の間に僅かの緊張感が走り、周囲の空気はより一層ピリついた空気に包まれた。


 「ハァ…やれやれ」

 「若いってええなぁ」

 「あはっ喧嘩とか超他所でやって欲しいんだけど」


 席に既についていた他の人物達はそんな空気の中、普段と変わらない状態で席についていた。

 そんなカオス状態の円卓の元にもう一方のドアから一人の男と執事が扉を開けて入ってきた。

 その男が入ってきた途端、場の空気は一瞬でその男を中心とし、いがみ合っていた二人も押し黙り大人しく座っていた。


 「待たせたな」


 傲岸不遜、その言葉がまさしく似合うような威圧感を持って男は席につき、共に来た執事はそれぞれの席についた人物達なら紅茶と茶菓子を置き同様に席についた。


 「報告をしろ」

 「では私から行かせていただきますね。今朝、海外まで飛行機で飛び、ご命令通り捕らえてきましたよ。あとついでにこれ、お土産です」


 席の右隣にねかせてある黒い袋を見ながら報告をし終わると今度はどこから取り出したのか大きな袋を持ち上げ、そこから何個かのお菓子を机にだした。


 「よくやった。あとそれはしまえ、終わった後だ。その女は計画実行日までお前が面倒見ろ」

 「えぇー・・・はぁい」

 「次だ」

 「その前に少しいいっすか?」


 机に足を上げ、両手を頭の後ろにつけながら聞いていた青年が手を挙げた。


 「なんだ?」

 「チキンの野郎はどうしたんすか?あいつだけいなくねーすか?」

 「奴には他にやってもらっている事がある。前回の失敗の件もあるからな休まずに働かせている」

 「ふーん・・・次どうぞっす」


 両手を前に出し報告をとっとと終わらせろと言わんばかりの態度で青年は次の報告をやらせた。


 「はいはーい。えーとアレ計画の邪魔になるとか言う奴らのリストの二人は監獄で大人しくしてるって。うるさいけど。それからこのじじいは近いうちに同じ方法で監獄に連れてく手筈整えてる以上〜次の人パース」

 

 気だるげにスマホを弄りながら報告をした兎耳の女性は話が終わると自分の隣にいた少年に番を回した。


 「はい。命令通りキーとその周辺の人物達に近づき、noiseの覚醒を促しました。しかし覚醒したのはいいですが、半覚醒状態と言ったところです」

 「充分だ。あとの仕上げは俺がやる」


 報告を受けた男は立ち上がり、それぞれの円卓に座る者達に宣言した。


 「計画は動き出す。あとはキーの完全覚醒をさせるだけだ。計画の決行日も変わることはない。お前達の働きに期待しているぞ」


 その後、何個かの報告をそれぞれが男にした後、会議は終わった。

 参加していた人物は次々とその部屋を後にし、会議室には報告を受けていた男が一人残される形となった。

 静寂が辺りを包み込む中、出された紅茶を全て飲み干した男は口元を拭きながら誰もいない筈の会議室で口を開いた。


 「もう出てきてもいいですよ?お待たせして申し訳ない」


 男がそう言うと、会議室の隅から自身の背と同じ長さの刀を携えた老年の男性が姿を現した。


 「・・・やはり君だったのか」

 「お気づきでしたか。流石ですね天辰さん。その年でご自身お一人で私まで辿り着くとは、いやはやまだまだ現役というわけだ」


 男は天辰に対し、素直に称賛を送った。今回、これから始める計画を始めるまで徹底的に情報管理はしたつもりだった。

 自身の立場もある事から男は特に現内閣の両翼を担う牛次と天辰には特に注意を払っていた。


 「それなのに辿り着くとは・・・まぁ計画への支障はゼロだがな」

 「何故だ。何故君がこんな事を?」

 「ハァ…減点だよ辰の十二司支よ。いや姿を現した時点でそうなのだがな。仮にも世界最高の暗殺者とされる男を師匠に持つ男が、暗殺をする事なく堂々と姿を現すとはな・・・」


 賞賛に満ちた言葉を投げかけたと思いきや今度は深いため息と共に落胆の言葉を男は天辰に送った。


 「問題はない。今ここで君、いや国家にあだなす貴様を私が叩き斬るのでな」


 天辰は自身の愛刀、龍骨剣を抜き目の前の男に対して構えた。


 「その選択肢も減点だよ」


 天辰はその一言を聞いたと同時にその生涯を終えた。


 ーー

 その頃、刑務所に送還されたとある二人は牢に入れられても尚、自分達の無実を訴えかけていた。


 「おーーーーーーれーーーーーーはーーーーーー無実だァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 「しゃーーーーーーしーーーーーーんーーーーーーしゅーーーーーーうーーーーーー!!!」


 深夜の刑務所の中、二人組の男達の声が監獄中に響き渡った。


 「はぁー!くそっ!叫んでもやっぱ意味ないよな。・・・お前今写真集って言った??」

 「当たり前だボケ!もう何日もかわい子ちゃん見てねぇんだぞ!!」

 「なーんで俺よりもお前の方がモテんだよ・・・」

 「お前がバカケルだからモテなないんじゃね?」


 二人組の男達、カケルとダイは毎晩、牢獄で自分達の無実を証明する為に叫び続けていた。


 「クソが!もうここでヌいてやろうかな」

 「それ俺にクリティカルヒットするだけだからやめろ。くだらねーこと言ってないでオラ、叫ぶぞ」

 「あーはいはい・・・めんどくせ」


 ベッドに座り込み、ズボンを下ろそうとしたダイを静止させ、カケルはダイと共に再び監獄中に響き渡る声で叫んだ。


 「「誰かーーーーーーここから出してくださーーーーーーい!!!」」

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