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第45話 赤服女②

 「ほ、本当に大丈夫ですか?」

 「問題ない」


 赤服女に触れた瞬間、腕に痺れるような痛みを感じた。そしてその腕を見てみると前腕までの皮膚が無くなり赤い肉が見えていた。

 それから直ぐに緑に行って消毒と包帯を持って来させ応急処置として消毒をぶっかけ包帯を巻いた。


 「直ぐに追うぞ」

 「は、はい」


 先に追いかけてもらっていた優希と連絡を取り合い、赤服女が逃げた先である廃病院前まで俺と緑は走った。

 廃病院前では既に優希が見張っており、俺たちはそこに合流した。


 「待たせた。それでどうだ?」

 「出てきてない」

 「なら行くぞ。緑お前はここで待ってろ」

 「え?ちょ、ぼ、僕・・・てもういない」


病院内に入った俺たちは連れ去られた青を助けるため中を探索する事にした。院内は既に使われていないからか蜘蛛の巣やネズミなどがそこら中にいた。


 「本当にここに逃げたのか?」

 「あぁ確かだ。それよりもお前のその腕、使い物になるのか?」


 優希は先程、応急処置を行った腕を指差しながら聞いてきた。

 正直なところ、皮が全て剥がされてしまっており包帯が擦れるだけでもかなりの激痛が走っている。ただ今はそれどころではない俺のミスであいつ()が捕まってしまったんだ、その責任は取らなくてはいけない。


 「あぁ大丈夫だ」

 「ならいい」


 その後、院内を探し回ったが赤服女どころか被害者の女一人も見つかることがなくハヤテと優希の二人は合流し、最後の一部屋である手術室の前に集まった。


 「ここが最後か」

 「あぁ気をつけろ」


 静かに扉を開け二人は手術室の中へと足を進めた。

 

 「これは・・・」


 手術室中の壁や床には血が飛び散っており、手術台には皮が剥がれ誰か視認できない肉片が寝かされていた。

 そしてその奥には行方不明となっていた人達と青が口を塞がれ、体を縛られて眠らされていた。


 「青!」

 「ン?・・・ン!ンンンンー!」

 「待ってろ今助ける」


 ハヤテの声に気がつき、目を覚ました青は何かに焦りながら塞がれた口で叫んでいた。

 ハヤテは急ぎ青の口を塞いでいたテープを剥がした。


 「無事か!?」

 「優希くん!危ない後ろ!!!」


 青の言葉にハヤテと優希が振り返ると優希の直ぐ後ろに真っ赤な返り血を浴び、顔中をツギハギだらけにした二メートルをゆうに超える巨体を持った赤服女が立っていた。


 「・・・何?」

 「何だ、あいつ・・・」

 「あ、ああああああああああああああ」

 「優希避けろ!」

 「ぐっ!?」


 赤服女は包丁を取り出し目の前にいた優希に向かって勢いよくそれを横腹に突き刺した。


 「チッ!」

 「優希くん!?」

 「ぐッ、だ、大丈夫だ・・・」

 「あぁああぁ、あああああああ」

 「づっ!?」


 赤服女は突き刺した包丁を優希の横腹から抜き、ハヤテ達に向かって走り出した。


 「青、優希は任せた」

 「は、はい!」


 赤服女に向かって走る中、その先にいる優希を横目に見た。刺された横腹からはかなりの血が流れており、速く手当をしなければ確実に手遅れになる状況だった。

 ・・・なら話は早い。


 「ハヤテ?」


 刀を握る手に力を入れ確実に赤服女を()()する為に刀を引き抜いた。

 奴もこちらに向かいながら包丁を構えた。

 刃物同士がぶつかり合いながら激しい音が手術室に鳴り響いた。

 

 「ッ!、何だこの力!?」

 「じゃ、邪魔するな!」


 刃物同士がぶつかり合った瞬間、こちらの刀が押され俺の体ごと異常な力で手術台まで突き飛ばされた。


 「ぐあっ!」

 「ハヤテ!」


 体格からかなりの力を持っている事は予想していたが、まさか自分がここまで飛ばされるとは流石に想定外だった。

 頭をぶつけてしまい、意識が朦朧としていたが何とか刀を支えにして立ち上がって赤服女を見据えた。

 規格外の力を繰り出したその腕はまるで丸太の如く太く、よく全体を観察してみると明らかに服のサイズは小さく足も女性にしては異常な程、発達した筋肉だった。


 「ッつ、お前・・・まさか男か?」

 「え?」

 「ッ!」 

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