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第23話 少女の見た夢

 怪異

 それは遥か昔の日本から生き続ける超常の存在。妖怪とも呼ばれるそれらは遥か昔から人間に害する存在としてあり続けている。それは今も変わらずーーー。


 『次はネバシ駅ー、ネバシ駅ー』


 車内にアナウンスが鳴り響く、そこで目を覚ました私、青は欠伸をしながら席を立ち扉が開くのを待った。

 今日は校外学習の為、集合場所まで電車で向かっていた。因みに友達である緑と共に行く予定だったのだが緑が寝坊してしまった為こうして一人で電車に揺られていた。


 「・・・?、あれ、まだつかない?」


 アナウンスが鳴ってから数十分経ったが、電車は一向に駅へと着かなかった。

 不思議に思った青や乗客は窓の景色の変化に気がついた。


 「な、何だ空が!?」「黒い?何で?」「おい!前も後ろも車両がないぞ!?」「ままぁ怖い」「大丈夫よ」「どうなっているんだ」


 乗客がみな騒いでいるとガチャン、という音が扉から聞こえ皆が一斉に振り返った。

 扉の近くの席で座っていた男性が恐る恐る扉を開けた。


 ま・・・い?


 扉を開けた男性が目にしたのは顔から下が無く、ボサボサにした髪で血だらけの顔をした女だった。


 「ひ、ひゃゃゃゃゃ!!!」

 「ちょぉだぁぁい」

 「やだやめろ!やめろ!誰かぁぁぁ助けてぇぇぇ」


 男性は女に引っ張られ扉の奥へと消えていった。

 バタンッ、と扉は閉められ車内では一瞬の静寂が流れた後大騒ぎとなった。


 「う、うわぁぁぁぁぁぁ」「きゃゃゃ」「誰かぁここ開けてくれぇぇぇ!」「やだやだ死にたくないぃぃぃ」「くそ、何なんだあれ」「もういや!こわ、ひっ!!?」


 ま・・・ち・・・だい?


 「ひっ、!?うわぁぁぁ!」


 今度は乗車口から現れた女によって女性がその奥へと連れて行かれた。

 そしてそれから次々と人は扉の奥へと連れて行かれ車内には青を含めた四人が残された。


 「ま、ままぁこわいよぉぉぉ」

 「大丈夫よ。きっと大丈夫だから」

 「みなさんとにかくかたまりましょ!少しでもはや、危ない後ろです!!!」


 青が叫び、子連れの母親は後ろを振り返った。


 ま・・・ちょ・・・だい?


 「ひっ、!!」

 「だめっ!!!」


 ひきづられていく中、母親は自分の子供を守る為、青の方に背中を押し子供を託した。


 「ままぁぁぁぁ!!!」

 「ダメ!」


 バタン、ともう一度扉が閉まった。

 残された私と子供、そして私と同じ学生服をきた金のメッシュがかかっている少年が一人座って取り残された。


 「よしよし、大事だから」

 「すぐっ、うぐっ、ままぁ」

 「あ、貴方は無事?」

 「・・・俺の心配なんかしてないで自分の心配をしたらどうだよく見ろ」


 少年がそう言いながら指を指したのは青が母親から託され、抱きしめていた少女だった。


 「どうゆう・・・」

 

 青が少女の方を見た。

 しかしそこにいたのは・・・


 「ままちょうだい?」

 「・・・え?」


 そこにいたのは乗客を先程から襲っていた顔だけの女だった。


  「ひっ!?」

 「ままぁちょーだぁーい!!!」

 「あぐぅ、」


 女は髪の毛を操り青の両手両足と首を縛り付けた。

 意識が朦朧とする中、青は最後の力を振り絞って少年に声をかけた。


 「に・・・げ・・・てッ」

 「ままちょうだぁぁぁギッ!!?」


 顔だけの女が口を大きく開け青を噛み砕こうとした瞬間、女の額から突如刃物が飛び出してきた。


 「ま・・・ま・・・あ・・・い」

 「黙って死ね」

 「ガッァ!!」


 その刃物は真っ直ぐ上に上げられた後、もう一度振りかざされ顔だけの女は真っ二つになった。

 そして女が死亡した事により毛から解放された私はそのまま意識を失い倒れてしまった。


 ーー


 「おーい、君君大丈夫ですかぁ?」

 「んあぁ?」


 目が覚めた時、私は駅のホームの椅子で横になり眠っていた。

 駅員さんが私を起こしており、それで目が覚めた私は体を起こし時間を確認した。


 「んんん?あれ?八時?」


 辺りを見渡すとすでに辺りは真っ黒になっていた。


 「お客さんずっとここで寝てたらしいよ」

 「あれ、でも私・・・電車の、中で・・・?」

 

 徐々に意識を取り戻す中で私はさっきまで起きていた電車での出来事を思い出していた。


 「あ!あの私と同じ制服を着た少年と会いませんでしたか!!?」

 「いんやぁ?そんな子見とらーへんけど?」

 「あれ?じゃあさっきのは夢?でも確かに・・・」


 駅員さんに先程まで起きていた事を話してみたが、案の定笑って追い返されてしまった。夢でも見ていたんだよ。と言われたら何も言い返せない。

 自分の記憶だって曖昧なのだからそこに強い意志を持って本当です!!!何て言えるはずもない。

 ため息を吐きながら私は駅を降りてバス停でバスを待って帰る事にした。電車は何だか怖いから。


 「それにしてもあの男の子、何処かで会った様な気がするんだけどなぁ」


 何処かで日頃から共に過ごしている気がするその少年を思い浮かべながら、停車したバスに乗って家に帰宅していった。


 ーー


 時を同じくしてとある少年がバスに乗る少女の姿を建物の上から眺めていた。


 「・・・・・・」


 そして一枚の紙を取り出し、その姿を変え闇の中へと消えていった。

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