第18話 私情だらけの名推理?
ライブステージ
to swapのライブ会場には既に多くのファンが今か今かと待っていた。
黄昏荘のメンバーもカケルによる招待によって一番良い席でライブを見る事になった。
「カケルの奴たまには良い仕事するなぁ!・・・ところでダイは?」
「楽しみでござる!」
「私たちも良かったのかな?」
黄昏荘のメンバーが座っている席に青と緑も共に座っていた。
「カケルが招待したから大丈夫」
「う、うんありがとうね葵ちゃん。それにしても葵ちゃん応援する人、ミサミサから変えたの?」
青は葵が持つうちわを見て質問をした。葵が手にしているうちわにはナツミ様と書かれており、黄昏荘で作っていた物とは違う物となっていた。
「貴女には関係ない」
「そ、そうだよね?ごめんね?」
「別に謝らなくても良い・・・私もご、」
葵が何かを言いかけた時だった。会場の照明が一斉に暗くなり、ステージにのみスポットライトが当てられた。
「おお!始まるんじゃねーか!」
「・・・わくわく」
「カケル来ないでごわすな」
バァン!と言う大きな音がステージに発生し、to swapのメンバー達がそこから現れた。
会場は一斉に湧き上がり、歓声の声で溢れた。
「みんなぁー!!今日は来てくれてありがとう!」
「今日もいっぱいみんなを楽しませちゃうよぉ!」
「ウチらの全力見逃さんといてなぁー!」
「でも、私達に見惚れることはいいわよ?」
「他ごとやってたら握りつぶすわよ?」
一人一人がそう言いながら、早速一つ目の曲が流れ始め、それに合わせてファン達もペンライトを振り始めた。
一方その頃、カケルは楽屋を飛び出しステージに向かう為走っていたのだが内部の複雑な構造に足を止められていた。
「くそっ!早くしねーと皆んながヤベェのに!!」
通路の天井から聞こえてくる音楽を耳にしながら、ライブが始まった事に焦りを見せながら走ろうとしたが上を見てある事に気がついた。
「そっか、そうだよな。ぶち壊しちまえば解決じゃねーか!」
ーー
ライブ会場
会場では既に五曲の歌が歌い終わっており、一時休憩の意味を込めたトークショーとなっていた。
「さぁさぁさぁ!盛り上がって来ましたねみなさぁぁぁん!」
「イェーイ!!!」
「さぁて、ここでto swapの頼れるリーダースズミンから皆さんに一言!どうぞ!」
「はい、皆さん今日は来てくださり本当にありがとうございます!このドームに仲間と共に立つことが出来たのも一重に皆さんが私達を応援してくれたからです。そんな皆さんに私から一言言わせてください!」
スズミンの言葉に会場中が湧き上がる中、特別閲覧席でそれを見ていた葵は突然、床にしゃがみ込むようにして倒れた。
黄昏荘の面々や青、緑は驚いて葵に近づいて容態を確認した。
「葵ちゃん大丈夫!?」
「どうかしたのかyo?」
「人酔いか?」
「違う・・・あいつが、」
葵は震えながら何とか立ち上がり、ステージの方を指差した。
「え?スズミンがどうかしたのか?」
「わから、ない。何でかわからない、けど、止めないと、取り返しが、!」
「さぁ皆さんいよいよスズミンからの一言ですよ!カウントダウンスタート!」
「3!、2!、1!」
青達は何が何だか分からない中、カウントダウンが始まった。
そしてスズミンから皆んなへの一言が呟かれようとした。
「皆さぁぁん!し、」
「さ、せ、る、かァァァァァァァァァ!!!」
ステージ脇に穴を開けながらカケルがステージの上に降り立った。
「ギリギリセーフ!あっぶねぇ!」
「カケル?」
「誰だあいつ?」「え?ステージの中から現れたことね?」「演出?」「でも見ろよスズミン達も驚いてるぜ?」「え、不審者?警備何してんのよ!」
ステージに現れたカケルに対して、ライブを観に来た人々は混乱していた。
to swapのメンバー達もそうだった。本来ならあそこでカケルとは別れ、今日はもう会わないだろうとミサを除く皆んながそう思っていた。
「ふぅー、少し落ち着いたぜ。見るからなまだ最悪の結末にはなってないんだな良かった」
「カケルあんた何のつもりよ!?」
「本当の犯人の犯行を止めに来たんだよ!」
「はぁ?あんたなに、い、って、・・・つぅ!?そう、だわ。犯人奈津美さんがやった事!そうだわ何でこんな忘れ、いや覚えてたわ。覚えてたのに気にしてなかった、」
ミサはカケルに言われようやく全てを思い出した。そして先ほどカケルが言った言葉の意味を聞いた。
「真犯人ってどうゆう意味よ」
「そのままの意味だよ。本当の犯人は奈津美さんじゃない。あくまで俺の推理ってやつだけど、奈津美さんは利用されてたんだよ」
「じゃあ誰が犯人なのよ」
「説明してもらった方が早いと思うぜ?」
そうしてカケルはミサを除いたアイドル達を見ながら前に出て真犯人の方を向いて話しかけた。
「なぁ星咲鈴美さん?あんたが今回の黒幕なんだよな?」
「なっ!?」
ミサはすぐに鈴美の方を振り返った。
「鈴、美?」
「何?ミサ?カケル君も今ライブ中だからさ、裏に行っててくれないかな?」
鈴美はカケルとミサの二人を振り返り、無表情で見据えた。
「あんただけなんだよ、あの時爆弾魔について触れたのはさ。警護の事もあんたが頼んだらしいな?」
カケルはミサの提案で警護をする為にto swapのメンバーとあった時の会話を思い出していた。
あの日、他のメンバーが爆破事件の事を認識しているが気にしていない感じであった、むしろカケルに警護を任せる事に対しての不安の方が強そうに見えた。
しかし、鈴美だけは違った。不安がりながら爆破事件の事について触れていた。
「まぁそれだけで推理もへったくれもないんだが、今回の現象が起きた時から今まで俺とミサ意外で爆破事件について触れたのは関係者の中じゃあ、あんただけなんだよ」
「ミーちゃんもなら、ミーちゃんが犯人の可能性もあるよね?それなのに私だけ疑われるなんて酷いな」
「ミサは人殺すなんて馬鹿な真似するくらいなら力づくで人従えさせるからな」
「・・・ハァ…幼馴染だから信じるって事だよね?バカな奴に何言っても無駄だね」
「鈴美あんた!?」
鈴美はため息を吐きながら笑顔で答えた。
そしてto swapのメンバー達の方にも振り返り悪びれる事もなく淡々と喋り出した。
「そうだよ全部私が仕組んだんだよ。ミックを爆死させたのも自分の足元を爆発させたのも全部全部私がこの"洗脳"のnoiseの力を使ってやった事だよ?」
「洗脳!?鈴美あんた何で!」
「ミサと会った時からずっと持ってたよ?こうやってね?」
鈴美は持っていたマイクを口に当て、会場に来ていた人々に対して言葉を発した。
「皆んなぁ!私の邪魔するこの二人を捕らえて!」
そう鈴美が叫ぶと会場にいた人々は一斉に静まり返ったと思った途端、全員がカケルとミサに向かって動き出した。
「さぁ、ゲームだよ?そいつらに捕まらないように逃げてね?」
鈴美は微笑みながらカケルとミサにそう囁いた。




