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第17話 ライブスタート!

 ドガンッ!と言う大きな爆発音と共に黒い煙があたりに舞った。


 「スズミン!!?」

 「リーダァ!?」

 「鈴美!」

 「スズゥ!!」


 スズミンこと星咲鈴美が歩いていた位置の床には大きな穴ができており、辺りは黒い煙に囲まれていた。

 直ぐにミサ達はスズミンのいた位置に走って駆け寄った。


 「鈴美!」

 「ダメよミサ、危ないわ!」

 「嫌だよぉ、スズミィン」

 「誰や!一体誰がこんなことしたんや!」


 四人は一目見ただけで直ぐに分かった。

 大きな穴を床に開けるほどの威力の爆弾だ。しかもそれが床にあったのだ助かる筈がなかった。

 本来ならばの話だが。


 「おい!見てないで助けてくれよ!」

 「え?」


 爆発によって開けられた大きな穴の中から一人の男性の声が聞こえた。それに驚いた四人は直ぐに穴を除いた。


 「よぉ、いてて」

 「か、カケル!」

 「あんたらのリーダーは無事だぜ?爆風なら何やらも全部俺が守ったからな」

 「み、皆んな無事?、、」


 その後、カケルと鈴美の二人は穴から助けてもらい、直ぐに救急車が訪れた。


 「カケル君助けてくれてありがとね。君がいなかったら今頃私・・・」

 「気にすんなよ。どうせ明日になりゃ忘れることさね」

 「鈴美、救急車に乗って病院行くわよ。付き添うから」

 「ありがとうございます。奈津美さん」


 二人は短い言葉を交わした後、奈津美と共に鈴美は病院へ運ばれて行った。カケルはこれと言った傷はなく少しの手当を施された後、爆心地へと足を運んだ。


 「床に爆弾が仕掛けられてたんだな。よくまぁここまでするよ」

 「数日前に点検業者が来たからそこでかもしれないわね」

 「ったく、迷惑な話だぜ」

「にしても不思議やな。こんな真っ直ぐに爆発ってするもんなん?」

 「確かにそうね。かなり深くまで穴空いてるわよ」


 そこに関しては俺が地面殴って開けただけだけど説明がめんどくさいから黙ってることにした。


 「そんなことよりも来た業者に連絡しようぜ。そいつらが犯人で間違いないだろうさ」

 「そうね」


 数十分後、ミサが連絡をして聞いたがどうやらこの場所の点検は誰もしていなかったらしく、皆口々に誰かにここは自分がやると言われたからやってないと話していた。


 「どうやらその人が犯人のようね」

 「名前は知ってたのか?」

 「冴塚とか言う男らしいわ。住所も聞いてる」

 「うっし!じゃあ行くか」


 俺達はミサが聞いた住所の場所まで来た。

 冴塚はto swapの事務所近くにあるアパートの二階に住んでおり、俺達は階段を上がって冴塚の家のドアの前まで来た。

 カケルが部屋のチャイムを鳴らし、直ぐに突入できる体制でいたが、いくらチャイムを鳴らしても冴塚は現れてこなかった。


 「?、寝てんのか?」

 「まさか死んでるって事ないでしょうね!?」


 蹴りでドアを突き破り部屋に入ると窓から逃げ出そうとする冴塚の姿があった。


 「ど、ど、泥棒ぉ〜!」

 「黙れや!犯罪者が!」


 カケル達は一斉に飛びかかったが、一歩遅く冴塚は二階から飛び降りて逃げ出した。

 カケル達もすぐ窓から飛び出して冴塚の後を追おうとしたが、想像以上に冴塚の足は遅く直ぐに冴塚は捕まった。


 「こんな奴が爆弾犯なのかよ・・・」

 「まぁ爆破させるのには足、必要ないからこの子で間違い無いでしょ。少し複雑だけどね」

 

 冴塚は怯えた表情でカケルとミサを見ていた。

 しかし、ミサの方をもう一度見返してto swapのメンバーだと気がついた。


 「み、ミサミサ?な、何でミサミサが僕のところに?ミサミサ助けてくれよぉ。ぼきは何もしてないんだよぉ!」

 「嘘つくんじゃねーよ爆弾お前だろ」

 「ぼ、ぼきのせいじゃないもん!ぼ、ぼきはただ床に隠しただけだもん!」

 「じゃあ、お前じゃねーか」

 「ぼ、ぼきは関係ない!ぼ、ぼきはto swapの為にやったんだ!ぼきはぼきは!」

 「黙りなさい」

 「ひっ!」


 ミサが放った一言によって冴塚のみならず、隣にいたカケルも冷や汗をかいて思わず身構えた。


 「み、ミサ落ち着けよ?」

 「黙りなさい」

 「はい」

 「冴塚あんた、自分がした事の重大さを理解しているのかしら?あんたがしたことは立派な犯罪なのよ?あんたは人殺しなのよ」

 「ち、違う!ぼ、きはto swapがよこらぶと聞いて!」

 「誰に?」


 冴塚は今の自分の発言にしまったと思ったのか、手で口を閉じて押し黙った。

 しかし今のミサ相手にそれで誤魔化せる筈もなく、数分後男は顔を真っ赤に腫らしながらミサの前に這いつくばって許しをこいでいた。

 ミサは昔から同年代の女の子達よりも腕力が秀でており、当時の俺とダイは腕相撲で一度も勝てたことが無かった。


 「あ、相変わらずだな」

 「さぁ、早く言いなさい。言っとくけど私は身内以外に対しては何一つ情をかけない女よ?」

 「ひっ!いいまず、いいまずからもゔゆるじで」


 冴塚を問い詰めて、出てきた答えに俺達は驚いた。そして急いで病院まで走って行った。


 ーー


 幼い頃、キラキラしていたこの世界に憧れていた。しかし私は厳格な父と母によって反対された。こんな世界まやかしだ。お前はこの先の未来を担う者となる以外の道は許さん。と言われ私は諦めた。それから数十年後に転機が訪れた。父と母が事故死したのだ。

 私はこれを神様からの助けだと考えた。そして私は直ぐにアイドルという世界に入った。しかし実力が伴ってなかった。それでも私は諦めたくなくて地下アイドルとして、いつか地上に降り立つまで活動を頑張ってきた。

 そして二度目の転機が訪れた。

 当時、プロデュースしたアイドル全てを人気者にしてきた男、Mr.ミックが私に声をかけてくれたのだ。しかも、私を中心としたアイドルグループだと言った。私は勿論、それに食いついた。夢が叶った、嬉しかった、世界が煌めいて見えた。

 しかし、その夢はすぐについえた。


 「鈴美、あなたが来たせいでね?」


 病院について検査をし、暫くして病室で眠った鈴美の髪の毛を恨めかしそうに触りながら赤坂奈津美はそう言った。


 「あなたが悪いのよ?ミックを誑かして私の地位を奪ったあなたがいけないのよ?」


 奈津美は手に持っていたナイフを握り締めて鈴美に突き刺した。

 赤い血がベッドに染みながらポタポタと地面に滴り落ちた。奈津美はそれを確認し、高笑いをしようとしたが、目の前にいつの間にかいたミサによるビンタによって反対側にあったベッドの方まで吹き飛ばされた。


 「奈津美さん、あなた自分が何やっているのか分かっているの!!?」

 「うるさい!黙れ!貴女に私の何がわかるの!?リーダーの地位を奪われた私の何が分かるって言うのよ!?」

 「ん?何?どうしたの?え、血?嘘何これ!?」


 起き上がった鈴美は目を覚まし、自分のベッドに血がついていることに驚いた。


 「え、何で無事なの?」


 奈津美も自分が指したはずの鈴美がまるで刺されていないかの様に驚いていることに動揺を隠しきれていなかった。


 「ミサ!あなた何をしたの!」

 「さぁ?私は何もしてないわよ?神様のいたずらじゃないかしら?」

 「とぼけるなぁぁ!」


 奈津美がもう一度ナイフを手に持ち、ミサに向かって突き刺そうと真っ直ぐ向かって行ったが、カケルによってそれは阻止された。


 「落ち着けよ。あんたの負けだよ」

 「放せ!放せ、放せえぇぇぇ!!!」

 「どうゆうこと?」


 ミサは何が起きているのか分からない鈴美に対して、事情を話した。

 鈴美は最初こそ驚いていたが、悲しむような目をして奈津美を見て近づいて行った。


 「見るな!私をこんな目で見るなぁぁぁ!」


 奈津美の前まで来た鈴美は次の瞬間、しゃがみ込んで奈津美を抱きしめた。


 「ごめんね。奈津美さんを傷つけちゃってたんだね私。奈津美さんのこと何にも知らなかったんだね。それなのにリーダーなんて、ごめんね?奈津美さんごめんね」


 鈴美は涙を流しながら奈津美に対して責めるわけでもなく、ただただ謝罪を繰り返していた。


 「何で、貴女が謝るのよ、何で、」


 分かっていたのだ。彼女のせいではないことくらい。分かっていた、理解していた。彼女が私達と比べ物にならない程の努力を重ねて手に入れた地位だと言うことも分かっていたのだ。全部分かっていたのに憎しみや恨みに駆られて私は彼女を殺そうとしたのだ。

 それなのに彼女はそんな私の為に泣いてくれていた。それを見て私も涙が溢れてしまった。自分の過ちに気がついて、私なんかの為に涙を流してくれている彼女を見て大粒の涙を流しながら私も泣いた。

 病室では二人の女性の泣き声が響いていた。


 ーー

 ライブ当日


 あの後、警察もきて一連の事件は解決した。

 今回の爆弾は奈津美が海外から裏ルートを使って取り寄せた物だったらしく。

 それを自分の熱狂的なファンであった冴塚を利用して爆発させていたらしい。

 こうして全てが片付き、今日この日を向かえる事ができた。俺は今回の事から楽屋に呼ばれて改めてto swapの面々からお礼を言われた。


 「気にすんなよ何もしてないしね。それよりも本当に良いのかよ。俺達があんな良い席貰っちまって」

 「ええ、良いわよ。皆んなの総意よ。ね?」

 

 ミサがそう言って後ろを振り返ると席に座っていた()()はうなづいた。


 「カケル君がいなかったら、私は今頃死んでいたのだもの勿論だよ」

 「ミサの友達なんやろ?なら、うちは賛成やで!」

 「私も私も!」

 「そうゆう事だ君は存分にライブを仲間達と楽しんでくれれば良いんだ」

 「そうか?まぁじゃあお言葉に甘えるとするわ」


 その時、スタッフの人が入ってきてメンバーに時間である事を伝えた。そしてメンバーは席を立ち円陣を組んでオッーと叫んで部屋を後にした。


 「いやぁ、良かったぜ。()()()()()今日を迎えれて」


 そう言った自分の言葉に対して俺はあの時感じた違和感がよぎった。ーあの時とはいつだ?

 何故何がよぎったんだ?今日を何事もなく迎えれたはずだ。はずなのに何かが引っ掛かっている?


 「ばく、だん・・・?そうだ爆弾だ!爆弾騒ぎがあったじゃねーかよ!!何で忘れてんだよ俺!?」


 俺は全てを思い出した。Mr.ミックのこと、レッスン場での爆弾のこと、冴塚のこと、奈津美のこと全て思い出した。


 「何で忘れて、いやそれはわかるこの感覚noiseの力を使われた時の感覚だ。じゃあ誰が?」


 昔一度やられたことがあったカケルは、直ぐにnoiseだと見抜き犯人が誰なのかを考えた。

 初めに思いついたのは奈津美だ。彼女があの時に能力を使ったと考えた。しかし、あの現場を見ていたカケルはそれが違うと直ぐに理解した。

 そしてある事に気がついた。

 

 「一人いるじゃねーか!今回の事件で俺とミサを除いてこの事件で起きた事を言っていた奴がいんじゃねーか!」


 俺は直ぐにスマホである人物に連絡をした。そして自分やto swapの面々、果ては警察や世間さえ操った犯人がいる場所、ライブステージに向かって走り出した。


 


 

 

 


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