第11話 リフレクト
カケルとダイのミスで敵の手に落ちたイリスによって二人は両手を縛られ磔にされ、兵に次々と殴られ続けていた。
「馬鹿どもめ、お前達が喧嘩をしてくれていたおかげで簡単に捕まえることが出来たよ。おっと動くなよ?この綺麗な顔に傷ができる事になるぞ?」
「チッ、テメェのせいだぞバカケル」
「それはこっちのセリフだわ変態野郎」
「カケルさん!ダイさん!」
「ぐっ、ごめんよイリスちゃん。こんなカッコ悪い姿を見せてしまってさ」
殴られ蹴られ続けながらもカケルとダイはイリスの心配をしながら逆転のチャンスを伺っていた。
「手こずらせてくれた分はこれくらいでいいな。では我々にも時間がないからね。ここで終わらせて貰うよ。銃構えろ」
その言葉と共に銃を構えた兵はカケルとダイに向けて銃弾を放とうとしていた。
「お二人とも私に構わずに、」
「それは出来ねぇのよ!!女見捨てて、自分だけが助かるなんてクズみたいな真似俺ぁ死んでもごめんだね!」
「この変態の言う通りだ。それに安心しなよ俺達はまだ負けてねぇからな」
「馬鹿め、お前達はもう終わりだ。この状況をどうやって打開する?女は人質にされ、貴様らはボロボロな上に動けない、強がった所でどうなる?お前達は終わりィッ!?」
部下に発砲を許可しようとした時だった。上からドラム缶が降って来て男を下敷きにした。
「お、丁度当たったぜ」
「ラッキーだったyo」
「さぁ!直ぐにカケル殿を助けに行くでござるよぉ!」
「オラも行くでゴワ、ひっ!」
「た、隊長ー!!?」「あいつらだ!」「撃て撃て撃てぇ!!!」「死ね!」
ドラム缶を落とした張本人である黄昏荘の面々に向けて銃で発砲している間にダイがイリスを助け出しカケルと共に三人で物陰に隠れ身を潜めた。
「いてて、あいつらもっと早くに助けろよな」
「イリスちゃん無事かい?怪我はないかい?」
「は、はい。あ、あの所で一つお伺いしたいのですがあの、カケルさんはそちらの方なのですか?先程からお二人の会話を聞いているとそう聞こえるのですが・・・」
「「あ」」
二人は先程まで自分達がそのままの名前で呼び合っている事に指摘されてようやく気がついた。
「あーと、それはだなぁ」
「おい!カケル、ダイ!いい加減助けてくれyo!」
「おっとその話は後だ。今はあいつらをぶっ倒すのが先だな。とっととやるぞ、ダイ!」
そう言って物陰から飛び出したカケルは銃を撃っている者達に近づいていき殴りつけた。
銃弾が飛び交う中スピードを落とさずに走りながら次々と殴り飛ばしながらカケルが戦っている頃、ダイはイリスに事の事情に関してある約束をしていた。
「ごめんよイリスちゃん全部終わったら一から説明するからそこで大人しく待っててくれ約束だ」
「本当ですか?」
「あぁ、約束だ」
「約束ですよ。貴方とはまだ沢山お話がしたいですから。これはその前金のような物だと思って受け取ってください」
ダイの嘘偽りのない真っ直ぐな気持ちを感じ取ったイリスは小さく頷きダイの頬にキスをした。
「頑張ってくださいね」
「あぁ、任せな」
「ひやっほほぉぉい!!!」
「おわっ、うっせぇな!」
イリスの言葉に頷き、ダイもまた物陰から奇声を上げながら飛び出して行った。
「おせぇぞ!」
「ふっ、今の俺は全てを許せるさ。お前のその醜い嫉妬もな」
「え、お、あぁ?」
「クソって何なんだコイツら!銃弾をぐぁっ!?」
カケルの音速を超える拳によって三、四人が一度に吹き飛ばされ倒されていく一方、ダイの方では銃もナイフも何も効かないことから攻めあぐねていた。
「何だお前ら何もしてこないのかよ?」
「くそっ、こうなったら仕方ない。この男は後回しにしろ!上にいる奴らを捕縛しろ!」
「それは無理な相談だな」
上に行こうとした男が振り返ると目の前にはダイがおり、その後ろには何人もの兵が倒れていた。
「な、!?」
「残念だったな。俺が反射だけの男と思うなよ?フィジカルもいけちゃう系男子なんだわ」
ダイは兵が銃を撃とうとするよりも速くに股間を蹴り上げ、相手はその一撃により気絶し倒れた。
「こっちは終わったぞって何だお前も終わらせてたのかよ」
「当たり前だろ。俺が負けるわけないだろ?」
「そりゃそうだな。んじゃとっととあの女の人連れて逃げるぞ」
「おう」
イリスの元に戻り三人でここを脱出しようと歩き出した時だった。カケルは先ほど黄昏荘の皆んなによって気絶させられていた隊長と呼ばれていた男がその姿を消していることに気がついた。
「おい、ちょっと待て。あの男どこ行ったんだ?」
「あ?あれ本当だ。うんこじゃね?」
「そっかうんこかじゃあ無視していいな」
『うんこではなぁぁぁい!!!』
壁を突き破るようにしてカケルとダイの背後に巨大なロボットに乗って男が現れた。
『貴様!散々我々の邪魔をしてくれたな!もう誰一人として生きては返さんぞ!!!』
「ありゃ何だ!?」
「あーあれなぁ、第三次世界大戦の時に作られたやつでな、実用段階に移行する前に廃棄されることになった奴だな。確か識別コードはZEIDだ」
『ほう、よく知ってるじゃないか?そこまで知っているならこの機体が新たあらゆる武装を施されていると言う事も知っているな!!』
そうか叫びながら男はZAIDによる一斉射撃を開始した。みさかえなく放たれたミサイルや銃弾は自身の部下の命さえも奪うことを躊躇せず、部屋中のあらゆる所で爆発が立て続けに起きた。
『ハッハッハッ!全て消えろ!俺の邪魔をする奴らも使えない部下共も、あの女も全てだ!全て燃え尽きろ!!』
「て、撤退だ!直ちに撤退しろ!怪我したものはできるだけ助けろ!」
「だ、駄目だ!来るぞ!」
入口から逃げていた武装した兵達の方にミサイルが迫っていた。
しかしミサイルは着弾する前に一つの石が当たったことで爆発を起こした。兵達が唖然としていると目の前に先程まで自分達と敵対していた筈の男が現れた。
「あんたら無事か!?」
「あ、ああ」
「ならいい。とにかくそっから早く逃げろ!」
「な、何で俺たちを」
「俺の目の前で人が死ぬのが嫌だっただけだ。わかったんなら早く逃げろ!ダイ!トドメはやる。だから早く決めやがれ!」
「わーてるって、もうやってる!」
『?、貴様何のつもりだ』
カケルが兵達を助けている隙に銃弾の雨が降るこの部屋内でダイはZAIDに向かって走っていた。
近づいてくるに連れて男はダイが先ほどから使っていた反射の効果がこちらに返ってきてない事に気がついた。しかし銃弾は確かにダイにも放たれていた。
『どうなっている!?確かに当たっている筈だ。それなのに何故先程から何も起きない!?』
「へっ!お前の使うそのガラクタの事はお前以上に俺は知ってんだよ!銃弾をちまちま反射してちゃそいつは壊せねぇ!なら話は簡単だ一気にブチのめすだけだ!」
ダイは両手を胸の前で合拳させ、少し手を開けるとその隙間に小さなエネルギー玉を発生させた。
男はそれが何か分からなかったが、先程の発言からそれが自身を倒すのに充分な威力があると判断した男はダイから距離を置くように逃げようとした。
「おっと、そうはいかないぜ?」
『貴様いつの間に!?』
しかし、いつの間にか背後に回っていたカケルによって機体ごとダイの方に殴り飛ばされてしまい最後の一撃を喰らうことになった。
「さぁて、長かったお祭りもこれで終わりだ!反射する筈だった威力を溜めて放つ!"反射の一撃"!!!」
本来、反射する筈だった威力を一時的に溜め放つダイが反射のnoiseを使う時のみ使える技。
発生させたエネルギーは前方にいるZEIDに向かい放たれ一撃で装甲を貫通させ機体は破壊され、男はそのまま壁まで吹き飛ばされそのまま意識を失った。
「がはっ・・・!?」
「あーあ。俺のイリスちゃんを狙うからこんな事になるんだぜ?」




