俺ぁ悪くねぇ!!
鳴り響く砲撃音、震える大気、落ちてくる船…
一体どうしてこうなった!?俺はコテージから悲しい目になりながら「俺のせいじゃないよ…」とつぶやいた、さてこんなことになった原因についてまずは話していくとしよう。
クルーズ船でのフィッシングを終えてから1週間ほど、俺たちはジュワユースのほぼ公式観光大使扱いとして広告の撮影や当初の予定通り休暇を満喫していたわけだ。
だが1週間経った時にオートクレールさんから「申し訳ありません旦那様、外部からのハッキングがありました。抜き取ろうとした情報は旦那様のご家族の皆様についてだったようです。」と、突然の報告があり一気にきな臭くなってきてしまったのだ。
それだけならばまだ俺としても「どっかに俺喧嘩でも売ってたっけ?」で済んだのだが、そこから一気に話が進んでしまったのだ。
直通回線で俺の端末に通信が入ったと思って相手先を確認したんだが非通知と言うまず疑わなきゃいけないポイントその1が発動、ちょうどそのタイミングはモルガンや5姉妹たちとオートクレールさんとグロリユーズさんも居なかったんでちょっと怪しんでスルーしたまでは良かったんだが…
その数時間後「我の言葉を無視するとはいい度胸だ、殺す!!」と要約するとそんな感じのことが書かれたメールが突如送られてきたのだ。
流石にちょっとまずいか?と思ったのでオートクレールさんとグロリユーズさんに報告「…なるほど、しばしお待ちください。」と言った後二人はどこかに行った。
モルガンにも一応報告したんだが『…はぁ、あなたはトラブルを起こさないと生きていられないのですか?』とジト目で訴えられた、俺が悪いんじゃねぇ!!
モルガンがメールの送り元を逆探知したところ【王制国家ロックデナッシー】とかいう国の国王さんだったらしい。もちろん本人からではなく摂政とかの位にいる人からだったが…
モルガンからの国の評価↓
建国から384年、現国王は第10代目。
初代建国王は傭兵上がり、依頼を受け首都星に存在した原生生物を殲滅そのまま掌握した。
周辺国家からの承認もありそのまま建国、以降国名を【ロックデアール】とし現代まで続く。
国王は歴代旺盛であり、側妃の数も代を追うごとに増加。
現国王【ロックデ・ナッシー・セイ・ヨク】は37人の側妃を抱え、83人の王子・姫を持つ。
王妃・側妃ともに王命による強制婚姻。
ちなみに国名をロックデナッシーに変えたのも現国王。
傭兵上がりが建国王と言う事もあり国防などの戦力は基本傭兵を徴用。
主要産業はAMRS母艦の建造、ただし売れ行きはあまりよろしくない。傭兵組合からの上納金で国を回しているといっても過言ではない。
3代目までは周辺国家からも敬われており、良き隣人となっていたようだが4代目以降関係が悪化。
原因は周辺国家から強制的ともいえるレベルで側妃として多数の娘たちを奪ったため。
以降関係性は劣悪の極みであり、もし国からの救援要請があったとしても一切受けることは無いだろうというレベルである。
総評:『ゴミです、国としても1個人の人間としても価値はありません。』
まぁそんなゴミ野郎がウチにちょっかいかけて来たってことはそういう事だろう、基本こういうことに関しては傭兵組合はノータッチだ。いくら国からの依頼だからとはいえ傭兵に「死ね」とは言わないし逆に圧力にも屈しない。たまーに金の取引して変なことする奴もいるけど極稀でしかない。
そして1傭兵として国とやり合うのも正解ではない、傭兵としての評価が落ちるしそもそも危険人物扱いされて補給が受けられなくなる可能性まであるからだ。
こういう時はどっか別の国から依頼を受けて「敵国からの侵略を防いでくれ」と言われるのを待つのが一番安全だったりする。
でオートクレールさんとグロリユーズさんが戻ってきて第一声が「旦那様、お力添えをお願いしたく存じます。」でした!!
これで心置きなくウチの誰かに手を出そうとしたバカを始末できるんだが…本来休暇中なんだよなぁ。やるなら俺一人で始末するか、そろそろあのパッケージも解禁していいかもしれないしな。
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というわけで冒頭のあの展開に戻るわけですよ、シャルマーニの国土内に突然ワープアウトしてきたと思ったらジュワユースまで電光石火で侵攻し勧告も無しに突然発砲。
当然シャルマーニも黙っているわけもなく、防衛戦力をフル投入。結果ジュワユース上空が戦火に飲まれるというとんでも展開に発展したわけだ…俺は悪くねぇ!!
戦闘が突如始まったので当然休暇も一時中断、アヴァロンに全員強制撤収。
「せっかく楽しんでたのにー!!」
「なんでこんなことすりゅの!!うりゅりゅ…」
「うーなー(エルピダ泣かないでー)」
3姉妹は超絶不機嫌に、対するモルガンと5姉妹はと言うと…
『ふむ…いい度胸ですね…』
『私たちの楽しい休暇を…』
『モレッドちゃんキスハちゃんエルピダちゃんを不愉快にさせるとは…』
『本当に救いようが無いよねぇ…』
『私たちに喧嘩を売ると…?』
『あぁ~…これは私も擁護できないなぁ…私も怒ってるしね?』
と全会一致の様相を呈しております。
「旦那様、申し訳ございません。今回戦闘を仕掛けてきたのは連絡を付けてきたロックデナッシーです、戦火を開いた理由は「ここには我側妃をかくまっている者がいる、早急に差し出せ。」とのことです。もちろん私共もあちら側の悪名は存じ上げておりますし、旦那様のご家族にそのような肩書の方がいらっしゃらないというのも確認済みでございます。」
「よってこのたび、王制国家ロックデナッシーが宇宙国際法に則らない侵略行為を行ったとして、宇宙連合への通達を行いかの国の扱いを決定させていただきました。」
「「宇宙連合の決定は「王制国家ロックデナッシーの連合からの除名及び、犯罪国家として全宇宙の法治国家が報復を行うものとする。また、現在侵略行為を行われているシャルマーニにおいては全兵力を用いた侵略部隊の全力排除を認可する。」以上となります。よってこの度傭兵ソラ・カケル様に置かれましては現在侵略行為を続ける上空の敵艦の排除を依頼させていただきます。」」
通信からオートクレールさんとグロリユーズさんによる仕事の依頼を受ける、当然これについては何も疑う必要は無いだろう。モルガン達に目配せして全員が頷いた事を確認して「その仕事承った。」とだけ伝える。
「アヴァロン発艦準備!!緊急発艦だ、マーリン!!オヴェロンに従って主機に火を入れろ。ヴィヴィアンはモルゴースをサポートに回すからギャラハッドとヴァレットの起動急げ!!グィネヴィアはキスハとエルピダを連れて居住ブロックに退避後長期戦闘に備えて糧食を準備!!モルガン、アヴァロンを前面に出す。落とされるなよ?」
『『『『『了解!!』』』』』
『承知しました。』
「モレッドはパイロットスーツに着替えて俺と出撃だ、大物狩りだ派手にかましてやれ。」
「はーい!!」
各員に命令を出して俺もスーツに着替えるために移動する、さてさてウチの休暇をぶっ潰してくれやがったこの恨みどうやって晴らしてやろうか!!
ヴィ「誰を側妃とか言ったんだろう?(´-ω-`)」
グィ「誰でしょうかねぇ?(-_-)」
モゴ「母上かなぁ?('Д')」
オヴ「確かにあり得る!!(゜Д゜;)」
マー「特殊思考の場合も…(;´・ω・)」
4人「!?(゜д゜)?!」