颯爽登場!!(キラッ!!)
アヴァロン内ファクトリーにて
『はい、かしこまりました。ではそのように、よろしくお願いしますね?』
1機のアンドロイドが5機の小さなアンドロイドに指示を出していた。何処かと通信も同時に行なっているのだろうか、アンドロイド達に出した指示では無い様な言葉も時折聞こえてくる。
5機のアンドロイド達はまだ動き出しておらず、恐らく初期設定の最中なのであろうことが見て取れる。
それ程の時間を待たずして1機また1機と起動してその瞳を開けていく。そして自分の義体を確認して歓喜の表情を浮かべ、ある機体はぴょこぴょこ跳ね回り、ある機体は自分の義体を撫で回し、またある機体はファクトリーの床をゴロゴロと転がり回っていた。
『ゴロゴロと転がり回って、貴女はマスターから頂いた身体をボロボロにしたいと言う事ですか?』
ものすごくドスの効いた声に、その1機は跳ね上がって首をブンブン横に振った。
『まぁ、良いでしょう。よろしいですね?あなた達はこの後声帯調整等もあるでしょう、終わり次第連絡をする様に。終わり次第マスターへの顔合わせです。』
全アンドロイドは頷き合いながら持ち場へ散っていった。
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「あれ?ファクトリーの生産は終わってるのに義体が無い?って事はヴィヴィアンとかはもう義体に入ったって事だよなぁ、でも何で俺に顔見せてくれないんだ?」
そろそろ生産も終わった頃だろと思ってファクトリーまでやってきた俺だったのだが、どうやら生産は既に終わっていてAI達の載せ替えも終了済みだった様だ。ならなんでモルガンが教えてくれねぇのかなぁとも思ったが、先の1件終了後から会ってないな……ハブられてるみたいで悲しいよ俺ァ!!
モルガンの義体だけはまだ生産が終わっていなかったので生産完了まではここで待機しよう、1つだけ手間をかけた所もあったのでそこだけは直接俺が調整しなくては行けないのだ。ふふふ、これでなんで俺だけ省いたのかを確認する口実が出来たってもんよ。で?なんで口実がいるのかって?んなもんモルガンにのらりくらりとかわされるからに決まってんだろ言わせんな恥ずかしい。量子コンピュータに口で勝てると思うなよ!!
んで、暇を持て余しているわけだ今の俺は。なんにもすることがないという訳では無いが大した用事が無いのでファクトリーの設計ブースでまた色々いじいじしている訳である。
今やっているのは俺やアンドロイド達用に設計している白兵戦用装備だな。この世界ではビーム兵器は発明されていない。プラズマだったりパルスレーザーなんかはある訳だけどね。という訳で実弾兵器が主力なのだ。勿論ただの炸薬式なぞで動く物など時代遅れも甚だしい!!という程でも無いわけで。大型になればなるほど電磁加速はし易い訳で、AMRSの兵装なんかは基本電磁加速機構が着いている。んで、そこに技術的問題って言うことで加速限界だったり金属寿命だったりランニングコストの問題だったりで色々ある訳だ。ランスロットのアロンダイトは1段加速、トリスタンのフェイルノートは3段加速したりっていう俺の機体の説明も軽く入れとこう。
作ってみたのはARタイプのものとHGタイプ、あとはSMGタイプの物だ。
形状的なイメージとしてはARはAR15に可変倍率サイト、短めのフォアグリップが着いた感じ。電磁加速機構はバレルガードのあるエリアに配置した。
HGはG34、サイトにドットサイトをマウントして、電磁加速機構はイジェクションポート前方から銃口手前まで伸ばしたのでスライドを後方のみ動く様にした。
SMGはMP7をイメージした。バーティカルグリップは排除して伸縮式だったストックは折り畳み式にしたりとちょっといじったし、電磁加速機構はHGと同じ感じにした。
これを義体を作ったアンドロイド達1人1人に配備するのだ、悪くないと思う。
え?どこで使うんだこんなもん!!だって?あるんですよ皆さん、白兵戦で海賊基地を襲撃するイベントが。
海賊基地だけじゃなくて、宇宙生物との戦闘だってあるんだよこれが。まぁ、基本俺がやってたのは基地の周辺警戒してる機体を全部潰したらアヴァロンを横付けしてモルガンにお任せだったんだけどさ!!
今回人型アンドロイドが増えたという事で設計して生産してみました。勿論模倣が出来ないように色々プロテクトはかけたよ。多分この世界の技術水準じゃこんなの作れるわけないからね。俺は大戦争を起こすきっかけになる人にはなりたくないのですよ。
って事でアンドロイド達用の物にはグリップに特殊なアタッチメントを付けてそこに接続しない事には発砲出来ないようにしたし、俺用の物は生体認証機能をつけた。もし奪われても分解とか出来ないし使おうとしたら自爆する機能も搭載済み、チリも残さず燃え尽きるぜ?
流石にアヴァロン内に射撃場などあるわけもないので実際に使うのはそんな状況に陥った時か惑星に降下した時くらいかな〜と思う。ぶっちゃけ性能より見てくれを意識しまくったのは否めないし、それでも十分な性能を持っているとは思うぞ!!
対応弾の作成も忘れずに行わなきゃな、本体があるけど弾がないなんてただただ笑いものにしかならん。んー、FMJだけあればいい?HPもいる?あ、FMJはフルメタル・ジャケットの略称ね。HPはホローポイントの略称だぞ。
フルメタルジャケットってのは弾頭を銅と亜鉛の化合物で覆ったもの、らしい!!弾頭が命中時に変形しないから貫通力が落ちづらいとかなんとか。
ホローポイントってのは弾頭の先がへっこんでて、命中時にそこからどんどんキノコみたいに拡がって行くんだな、それで当たった相手に大きなダメージを与える弾らしい。
つまり、アーマーとかを着ている相手にはFMJで生身の相手にはHPを使うってこった!!多分それでいいはずだ、ミリタリーなことはあまり勉強していないからな!!
ってことで作成中、各銃毎に口径が違うので間違いのないよう作成した。これもお笑いにならないようにね、たまもあるにはあるけどこれじゃ撃てねぇってことが起きないようにしたわけさ!!
「んー、他のアンドロイド達ならまだしも俺は射撃の訓練必要だしなぁ。どっかの惑星に降りて一通り試射するしかないか、モルガンに確認してみっかねぇ。」
白兵戦装備の作成、準備が終わった俺は装備の習熟に向けてどこか手頃な射撃のできる場所を確認しようとモルガンに確認しようと思ったのだ。勿論、コロニー内でも出来るところはある。特に周辺国家との仲が悪く頻繁に戦争が起こっているコロニー内には、傭兵組合の中に自衛のために射撃訓練場が併設されていることもあるし、富裕層の住むコロニーではレジャーの一環として射撃が行われている。
但し、コロニー内では限られた閉鎖空間かつその中に多くの人が生活しているという事もあり、銃を含む各兵器の威力等に厳しい制限が掛けられているのだ。勿論、コロニーの外壁構造は多少の損壊など屁でもない程度には頑強なのだが、それでも金属疲労等によって局所的に崩壊する可能性は充分有り得るわけで。1箇所にでも穴が開けば空気を含む生物の生存に必要な大量のリソースが宇宙空間に放り出されてしまうわけだ。という訳でおそらく俺の作った兵器はコロニー内では使用できない、そもそもの威力等が桁違いすぎるからな。という訳で惑星降下なのだ。勿論これにも多数のデメリットはあるがな。まぁいずれかな?作った武器を練習しかり本番しかり使う事になるのはさ。
「モルガン呼んで一応装備の説明はしておくかぁ」
モルガンなら装備を見て装備さえすれば最適化は済んじゃうからな、ほんと人と機械の違いとは悲しいものです。
「モルガン?ファクトリーまで来て貰えるか〜?」
『YESマスター、すぐ向かいます。少々お待ちください。』
うむ、この俺第1に考えて行動してくれるのはすごく気分がいい。
俺が主人だってのもあるだろうけど自分のタスクをこなすよりも先に俺を最重要事項としてくれているのは嬉しい限りだな。
5分経たない位だろうか?ファクトリーのドアが開いてモルガンが入ってきたのは。
『『『『『颯爽登場!!』』』』』
「!?」
『『『『『銀河!!美〇年!!』』』』』
「スタァァァァッッップ!!」
馬鹿な!?俺の設計したアンドロイド達があのアニメの登場シーンを再現するとは!!危険を感じてすぐに停めたのが功を奏したな。
ものすごく残念そうな顔をするのはちょっと勘弁して欲しい。
「お前達……何処でそれを?」
『『『『『?パパのアーカイブですよ?』』』』』
「アーカイブかぁ、ってなんで!?この世界にもあんのあのアニメ!?ってかパパってなに!?」
『マスター、パパと呼ぶ様に設定したのは私です。この子達はマスターの設計した義体を使用しています、つまり産みの父という事です。それと、アーカイブにはこの世界には無いアニメと呼ばれる物が多数残っていました。それを閲覧、記憶したのでしょう。いい仕事をしましたねあなた達。』
「はぁ!?ちょっと待って!!俺のアーカイブ勝手に見れんの!?って事はあれとかこれとか全部見られたの!?」
『YESマスター、マスターの趣味趣向、〇〇な事から〇〇な事まで全部確認把握しております。』
「もう俺を殺してくれぇ!!」
なんということでしょう……我がアンドロイド達に俺の全てを知られてしまった。俺の宜しくない趣味とか全部、エッチなサイトの履歴とか全部見られた……しぬ……
『?なにかまずいことでもありましたか?私達は全員マスターの配下、マスターに仕えることが至上です。全てを知り全てを収め還元することこそ我々の仕事ですので。』
「……ウンソウダネ……」
『なのでマスター、もし色欲が爆発しそうなのであれば迷わず我々に申してください。そのための我々ですから。』
『『『『『そうです!!パパ!!』』』』』
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
しばらく俺はファクトリーの床で両手を使い顔を隠しながら悶え打つのであったとさ。