可愛い子には水遊びさせろ!!
モルガン以下エルピダを除く我が家の女性陣が撮影をしている間、俺とエルピダは何もしないというわけにもいかない…と言うよりエルピダが若干寂しそうにし始めたのでせっかくだしと言うことでエルピダを連れて先に海で泳いじゃおうということになった。
皇鋼蜘蛛であるエルピダは基本的に身体を水に沈めるという事が苦手だ、それこそいまだに風呂に入るときはかなりビビっている程度には。まぁ一旦使ってしまえば「はふぅ…」とリラックスできる程度にはなってきているんだが、入る浴槽が大人サイズなせいもある為初めて風呂に入ったとき油断して溺れかけたことも苦手になる原因の一つだろう。
「おとしゃ…こあい…ぴぃ!?」
「はははっ、波でそこまで怖かったら何もできないぞ~。」
とりあえず抱き上げて水深がエルピダの腰くらいのところまで連れて行くのだが、砂浜に打ち上げる波ですらびくつくエルピダに少しだけ申し訳なさを感じてしまうな。
あ、もちろんエルピダには浮き輪を標準装備しているぞ。腕にも付けるやつがあるし万が一ひっくり返っても溺れるということは無い。
「こあいよぉ…むりぃ…ぴえぇぇ…」
「ありゃりゃ…そしたら一回波打ち際に立ってみようか、ちょっと触ってみような?」
「ぐすんっ…あぃ…」
これは俺が悪かったかなぁ、最初はやっぱり好奇心でも何でもいいから波に慣れさせるところから始めるべきだったか。
波打ち際より少し砂浜側?にエルピダを降ろして手をつなぎエルピダの気の向くままに波打ち際を歩く、まぁ波が近くに来るたびに「ぴぇ!?」とリアクションをとるので可愛いもんだ。
ちなみにジュワユースには衛星が4つあり、そのどれもが同じ距離にありながらもジュワユースを起点として各衛星の位置がそれぞれ90°丁度ずつずれている。
潮汐の細かい説明などは出来ないんで詳しくは自分で調べてほしいというしかないんだが、その結果ジュワユースの潮汐は常に一定になっている。
要するに滿汐と引き潮が無いってことだな、だからと言っては何だが常に一定の水深を持った砂浜で遊べるというのもジュワユースがシャルマーニでも上位のリピート率を持っている理由なんだろう。
「エルピダせっかくだから一緒に波が来るところに立ってみようか。」
「えぅ…こあい…」
「ははっ、大丈夫さ。ほら、手をつないでるから一緒に行こう。」
「…あぃ。」
ちょっとまだ怖がっているエルピダに興味を持ってもらおうと俺は寄せる波が足にかかり抜けていく感覚をエルピダにも味わってもらおうとちょっと強引かもしれないがやらせてみることにした、近づいて波が寄せてくるたびに俺の足にビビッて抱き着いてくるエルピダがかわいくて仕方がない。
丁度波が引いたタイミングで波打ち際に踏み込みちょっと待ってからまた波がやってきた、もちろんエルピダはビビッて抱き着く力が強くなる。波の音と足の指の間を海水が抜ける感覚、踏みしめている砂浜の砂が波によって流されていく事を感じる足裏の感覚。
何度感じても面白いと感じるのは俺だけではないはずだ、エルピダもその感覚を感じて目を見開いたようだ。
「ほよ?」とキョトンとしながら声をあげて俺の顔を見た、「また来るぞ?」と俺が言うとまだ多少びくついてはいるがその感覚をまた味わった時にはその顔に笑みがあふれていた。
「おとしゃ!!こえ、きもちぃねぇ!!」
「はははっそうだろ?怖かった分楽しいか?」
「あいっ!!」
ヒマワリのような笑みを浮かべて先ほどまでとはうって変わってパシャパシャと水しぶきを足を使ってあげていた、うむうむこれが波打ち際の妖精かとてもキュートだ。
「旦那様。」
「うおわぁ!?」
「ぴぃ!?」
はしゃいでいるエルピダを眺めていたらいつの間にか背後に迫っていたグロリユーズさんに声をかけられて思わずでかい声をあげて驚いてしまった、それにつられてエルピダもびっくりしちゃって俺にまた抱き着いてきた。
「申し訳ございません、そこまで驚かせてしまうとは。」
「いや、いいさ。なにかあったのか?」
「はい、奥方様を含めた皆様の撮影は順調に進んでおります。オートクレールを含め撮影スタッフ一同皆様の美しさが引き立つよう、機材等含め最高の状態ですので。」
「お…おぅ、それで?その報告だけってことは無いだろ?」
「はい、たまたまではございましたが旦那様と末娘様であらせられますエルピダ様。そのお二方が波打ち際で遊ばれていた光景が奥方様と娘様方のコンセプトとは別の形で商材となりそうでしたので、もしよろしければぜひそちらも撮影させていただければと…」
「あぁ~、なるほど?だけど俺とエルピダは撮られる側のセンスなんてないぞ?」
「そちらの方はお気になされず結構です、こちらとしましては自然体で休暇を楽しんでおられるご家族の楽し気な映像を撮影させていただければ十分ですので。」
ふむ、それならばいい…のか?ぶっちゃけエルピダのウチの家族以外にビクつく以外は俺としても問題は無い。それについて確認もしたが、マイクロドローンを利用してこっちはいつ撮影されてるのかわからない程度にしてくれるってことらしい。
もちろんこのドローン盗撮などには使われない事はシャルマーニが保証している、そもそもスタッフ側がそんなことしでかそうものならシャルマーニがここまでリゾート国家として栄えることも無いだろうしな。
撮影されているという事が全く意識の外にあるというなら別にそれはエルピダとのんびり過ごすことになにも影響はないので普通に許可することにした、まぁモルガン達の撮影が終わったらこっちに合流するだろうけどそれもまた一興だろう。
「エルピダ、泳いでみるか?それとも砂で城でも作ってみるか?」
「うゆぅ~…ちゃぷちゃぷしてみたいけど…こあぃ…」
「じゃあちょっとだけ自分で入ってみるか?俺もついていくから、怖かったら抱き上げてやるから。」
「そえなら…いく…」
ちょっと怖いけれど行くと言ってくれたのなら連れていくべきだろう、両手で俺の手を掴みながらも手を引いて自分から海に向かっていった。
波打ち際での経験はしていたのでその辺は問題なさそうだ、問題は常に水につかるようになってからなんだが…「おぉ…ふぇ?」膝上くらいまで入ってきたんだがそこまで怖いって印象は受けてないみたいだな。
ちょっと自信がついたのかそのまま進んでいったんだが…急に足がつかなくなってパニックに、エルピダには溺れないように浮き輪を三点装備させてたんだがこれが裏目に出てしまったらしい。
「おとしゃ!!おとしゃ!!こあいぃぃぃぃ!!わあぁぁぁっぁぁぁぁぁん!!」
「そっかそっか、怖かったな。ごめんな急に足がつかなくなったら怖いよな~。」
「びえぇぇぇぇぇぇぇ!!」
浮き輪から抜くようにしてエルピダを抱き上げて泣き止むまで背中を優しくなでる、ぐずっているエルピダも俺が抱き上げていることを理解したのか少しずつ泣き声が収まっていく。
「ごめんなエルピダ、溺れたら怖いと思って最初っから浮き輪つけさせてた俺が悪かったな。」
「ぐずっ…おとしゃわるくない…あたちこわかった…だけ…」
「いいんだぞ、怖かったらすぐに言えるだけエルピダはいい子だぞ?」
「あい…」
エルピダが泣き止んだので俺は「ちょっと座るか。」と言ってその場で座ることにした、エルピダの腰当たりならせいぜい俺が座っても腰まで浸るくらいだしな。
「ひうっ」とエルピダが若干悲鳴を上げるがそれもすぐ収まる、何せ俺が抱えているからな。
足先でちゃぷちゃぷしながら少しずつまた感覚慣れして行って「おいう…」と言ったので胡坐をかいた足の中に下ろすことにした、さっきの恐怖もあるだろうが俺が座ってそこにいるという安心感もあるのかちょっとだけ笑って海水をすくったりして遊びだしてくれた。
これなら海遊びの第一歩を踏み出せたといっても問題ないだろう、水面を叩いたり蹴ったりして少しずつでもいいから楽しいってことを理解していくエルピダがとても可愛らしい。
ヴィ「そろそろ撮影も終わるかな?('ω')」
グィ「ちらっと見えるお父さまとエルピダちゃん(*'▽')」
モゴ「休暇のはずなのにまさかの仕事だもんね('Д')」
オヴ「くっ…胸部装甲がっ!!(;゜Д゜)」
マー「撮影の人たち変な目で見ないから楽~(*'ω'*)」




