A Jou〇ney to t〇e st〇rs ♬
はい、暇なのでファクトリー内でAI達のアンドロイド義体を作成している所であります。
俺は趣味全開でデザインを開始する、もちろんモルガンが頂点である形を崩すつもりは毛頭ないのでまずはモルガンの義体作成から開始だ。まず義体の骨格をアルダンシウムと言う軽量な癖に靱性と剛性が極めて優れているものを使用する。
その骨格をベースにギャラハッドにも利用している人工筋肉を配置、後は人間と同じ様な配置に動力源やら何やらを配置して最後にモルガンのメインコンピュータを搭載する頭部ユニットには今後のアップグレードも考えた拡張性を持たせる。後は外装だな、対弾対刃はもちろん対パルスや対プラズマ性能も持たせたい。ってなるとマテリアル的にはセランヂウムになるのか、これ使ったらクソ重くなるなぁ……まぁこの設計なら問題は無いか。服1着に60kgの重量だけど大丈夫だ、きっと、多分!!モルガンなら許してくれるさHAHA!!
服装のデザインはどうしよう、一応コロニー内を歩いていた時不審に思われない程度に周囲の服装は確認していた。
結果としてはほんとに多種多様だったよ、普通にパーカーみたいなの来ている人もいればサイバーパンクな格好の人もいるしNINJAな人も居た。なのでモルガンにどんなカッコをさせようと変な目で見られることは無いはずなのだ、多分きっと。
ってなるとやっぱり男のロマンとしてはメイド服だよな?いや、言っちゃなんだけどモルガンは俺の趣味全開かつ超絶俺の好みでデザインしたからぶっちゃけ嫁だよ?公言はしてないしするつもりも無い、だってそう言って「え?あいつアンドロイドと結婚してんの?やば、非モテの極みやん」とか言われたら俺はその言ったやつのコロニーを破壊するだろう。そんなことにならない様に俺は言わないのだ、決してビビりでは無い。
よって自分の中で嫁だと思ってる奴にメイド服を着せるのもどうかと悩む俺もいる訳だ、悩ましい問題だぞこれは。
仮にメイド服を着せたとしよう、着せるならばハウスキーパーの様な上級女中の格好にさせることが確定する。そしてグィネヴィア達はランドリーメイドだったりパーラーメイドだったりみたいな格好に出来るのだ。あら?最高じゃね?と思うだろうそうだろう俺もそう思う!!
だが問題はモルガンが俺の超絶好みに仕上がってしまっているということなのだ。いや、分かりますか?自分の趣味とかを全部乗せした女性がいる訳ですよ。んでその人は俺に完全に従順な訳ですよ、半歩後ろを歩いて着いてくるみたいな完璧な嫁さんスタイルに仕上がってるわけですよ!!
そしてその人にメイド服を着せるという事はですよ?一般家庭において旦那が嫁に対して「家で過ごす時はメイド服で居てくれ」と嫁さんに言っているようなものじゃないかね?そんな辱めを俺は受けてしまうというのか!!
『私は構いませんよ?』
「うぉぅぇあぁ!?」
変な声が出た、いつの間にかモルガンが俺の傍に戻って来ていた。モニターに表示されたメイド服や仕様に対して確認している様だ、今モルガンは構わないと言ってくれたが俺はこの地獄とも言える良心の責め苦に耐えられるのだろうか?いや、本人(AIに本人?)が良いと言ったのだ。ならばここで引いては男が廃る!!じゃあ、何か要望とかは無いか?とモルガンにいくつか確認をして少しばかりの仕様変更をしてからファクトリーの製造ラインに設計図を放り込むのであった。
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はい、次の作業に入りますよ〜。
ヴィヴィアンやグィネヴィア達のアンドロイド義体作成です、これはモルガンのメイド服案件が無事に終了したこともあり極めて簡単に進めることが出来ます!!ただし追加でモルガンから要望があったんだよね。それが『アンドロイド義体を作る際私以外のAIの身長は145cm以下でお願いします。』って事だ。
そんな低さじゃ作業しづらいだろとも思ったのだが、確認AI達にはそのAIをトップとしてサブアームのように働く作業ボットが多数配備されているのでそこまで問題もないのかとなったのだ。
んで、デザインの開始だ。これは確認AIの思考アルゴリズムに則った顔のデザインをする予定だ。つまり俺の趣味趣向がガッツリ出るという事だ!!因みに俺はぺぇは大きい方が好みだ、大きければ大きいほどロマンは広がる。世の中の女性では重いとか肩がこるだけとかそんな意見もあるだろう、だが俺にとってはそこには夢とロマンと希望が詰まっているのだ!!
と言う事でロ〇巨〇でデザインしました、後悔はしていません。
ただしオヴェロンとマーリンについては壁でデザインしました、後でこの2機が俺を殴りに来ても俺は文句は言いません甘んじて受け入れる所存であります。
でもなんでモルガンは身長を指定したんだ?よく分からんな。
【ヴヴーヴ ヴヴーヴ!!】
警報が鳴り響いた瞬間俺はファクトリーのデスクから飛び出してパイロットスーツの有るロッカールームに急いだ。警報がなるってことは敵機が接近または捕捉したということだからな。
ロッカールームにたどり着き急いでパイロットスーツに袖を通す。
『マスター、救難信号をキャッチしました。エルメロイコロニーとエルガンストコロニーを結ぶ光子列車が襲撃されたようです。』
「光子列車?銀〇鉄〇999みたいな?」
『銀〇鉄〇999が何かは存じ上げてはいませんが、コロニー間を特殊なチューブ内で2本のレールに沿って走る旅客機だそうですよ?時間がかかりますがそれを楽しむとして富裕層からは人気のようです。』
「やっぱ銀〇鉄〇999じゃねーか!!」
『どうされます?救難信号をキャッチしたためアラートを鳴らしましたが。』
「ここで俺らが拾ったのもなんかの縁だろ、出るぞ。敵機の数は?」
『YESマスター、敵機の数は4機の様です。』
「OKだ、ならパッケージはトリスタンで行く。超遠距離からぶち抜いてやるよ。」
『YESマスター、パッケージトリスタンスタンバイ。』
ロッカールームを出て格納デッキのエアロックを越えギャラハッドのコックピットに飛び込む、戦闘配備になった瞬間から人工重力をカットするので出来る事だな。
ハッチを閉め主機を起動してモニター類が一気に明るくなる、前回海賊と戦った時と同じようにカタパルトに向かいシャトルに脚部ユニットをドッキングさせる。隔壁が開きパッケージトリスタンが装着されるのを確認して
「ギャラハッド、ソラカケル出るぞ」
カタパルトから射出されるとトリスタンの武装が展開される。超々長距離狙撃砲『フェイルノート』は左肩側から展開される超高精度レドームとギャラハッド頭部に追加装備された高感度カメラとの連動で運用する特殊兵装だ。このパッケージは後方支援型と銘打ってはいたがぶっちゃけ短期決戦仕様で、敵の指揮官機をアウトレンジから一方的に撃破すると言うコンセプトで作っていた。
もちろん実戦では1発も外さないなんて事はありえないので連続発射可能数は25発まで余裕を持たせたし過熱解消の為の冷却機構もしっかり用意してある。ただ、いかんせんこんなコンセプトだったから機動性とか継戦能力は全く考慮していない。銃身安定の為に脚部ユニットは専用のアンカー固定装置が着いているが脱着はアヴァロンに帰還してからでないと出来ないし、重量バランスはフェイルノートの搭載されている右肩ハードポイントに大きく偏っているし、それなのに推進系は素体から特に増加していないという。
まさに狙ったら絶対落とすまで逃げない仕様なのだ。我ながら頭いかれてるなこれは。
「さて、攻撃開始と行きますか。」
適当な小惑星がなかったのでアヴァロンのカタパルトに戻り射撃体制に入る、今回はアヴァロン側からのデータリンクとモルガンの処理速度もバックアップに入るので偏差射撃もお手の物だ。
「さぁ、この魔弾の一撃とくとご覧あれってなぁ!!」
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「お前ら逃げられると思うなよ!!さっさと抵抗は諦めて大人しく俺らに捕まんなぁ!!」
「くそっ、救難信号を拾った傭兵は居ないのか!!正規軍からの反応は!!」
「正規軍は到着まで40分かかるとの事!!傭兵は救難信号を拾ってはいるでしょうが報酬が期待できないのであれば対応してくれないでしょう!!」
「くそっ、いくらウチが金払いが悪いからって見捨てるか普通!!」
光子列車の車長は怒りのあまりコンソールに拳をたたきつけた。この光子列車を運行している会社『エルブエンストスペース』は確かに旅客サービスを行っている企業としては上位に位置すると言ってもいいものではあったが、旅客機が海賊に襲われ救助した傭兵に対しては金を出し渋ることで有名だった。あの手この手で金を出さない理由をでっち上げては傭兵と揉め合いになる、と言うのがよくある事だった。
「クソッタレな上級職共が……アイツらのせいで傭兵も動かねぇ……」
エルブエンストからの救難信号をキャッチしていた傭兵は確かに周辺には多く居た、しかもアヴァロンより遥かに近くに居た者も多数居たのだ。しかし、全ての傭兵がその救難信号を見て見ぬふりをして居た。
「どうせあの会社だ、また難癖つけて金を払わねぇんだろうさ。」
と傭兵達にとってあの会社に金を払わせるくらいなら別のことをやる方が金は稼げると思われてしまうほどには信用が無かったのだ。
「おめぇら、乗客には傷を付けんなよあくまで身代金の要求のためだからな。まぁ、抵抗されたんならなんかしても文句は言えねぇよなぁ?」
「ひゃひゃひゃひゃひゃ!!アニキィそれなら任してくださいよォ、活きのいい奴は嫌いじゃないぜぇ?」
下卑た会話をしながら遂にチューブを突破して海賊達は光子列車に乗り込もうとしてくる。
チューブに穴を開け、機体を中に入れようとした瞬間その機体は上下に真っ二つに割れて爆散した。
「周辺警戒!!多分傭兵だ!!救難信号を受けて救援にきやがったぞ!!見つけ次第ぶち殺せ!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃ!!了解アニキィ!!」
散っていた2機も寄りあい3機で周辺を警戒する、やられたのが哨戒機仕様だったのが災いしいつまで経っても敵機を見つけることが出来ない。敵を見つけようにも下手に動けば先程の様に撃破されてしまうであろう事が目に見えている。
「どうなってやがる、センサーに反応はねぇ。つまりセンサーに写らねぇ機体ってことか?ステルス機、そんなものが傭兵に下ろされるものか?」
「いやぁ、アニキィもしかしたらセンサーの範囲外からの攻撃って線もありますぜ」
「それこそねぇだろ、俺らの機体でもセンサー半径は15kmだぞ、15km以上離れた場所から狙撃で落とせるもんかっつーの。」
そう、この隊長は自分の経験でしか世の中を測れなかった。もしここで部下の言うことを聞き射線から少しでも隠れるような動きをしていれば、もしかしたら生き残った可能性があったかもしれない。
400kmと言う圧倒的遥か彼方からの超精密狙撃を回避する術が。