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改めて休息を楽しもう

 しっかり悪党共を殲滅した後、モルガンから冷たい言葉を頂き自室でシャワーを浴びて血糊を落としてから改めてモルガンとモレッド達と合流する事にした。


 いやはや、強化外骨格を付けてないから服が血を吸ってね……かっぺかぺになるし引っ付くし……大変だったよ……


 後で血糊を弾く素材で服作ろうかな……ファクトリーに肌心地のいい素材はあったはずだ。


 後はモレッドにどう言い訳するかだな、ヴィヴィアン達にはモルガンから連絡が入ってはいるから問題は無いとして、モレッドは知らんはずだからな。


『恐らくですがモレッドは気が付いていると思われます。ヴィヴィアン達から伝えられているかもしれませんからね。』

「それもそうなんだがなぁ、出来ればヴィヴィアン達にも知られたくは無かったんだよ。せっかくの休暇なんだからな。」

『先程から何度も仰られますね、それほど今回の件が気に食わなかったのですか?』

「気に食わない所じゃないな、消し飛ばしたくなるくらいだったよ。」

『ならば先程の者たちは文字通りコロニーに穴を開けたという事ですね。』

「ま、そうなるな。」


 コロニーに穴を開けたと言うのはこの世界の表現の1つ、虎の尾を踏むと同じ扱いでOKだ。

 文字通り生命の揺籃たるコロニーに穴を開けるって事は全宇宙から指名手配されて絶対ぶち殺されるって事だ。


 だからどんな悪党共でもコロニーに穴を開ける様なことはしない、誇大妄想のクソッタレか頭のイカれたテロリスト以外はな。


「ま、あんだけやれば俺らに手を出したらどうなるかってのがわかっただろ。この休暇中は変なことは起きんだろ。」

『そうかと思われますマスター、事実先の1件以降不穏分子の活動が沈静化していると軍部の方でも確認が取れているようです。』

「そいつは重畳、ならのんびり休暇を楽しむとしようか。」

『はい、それでは向かいましょう。現在モレッド達は植物保護区画のレストランに居るようです。』

「ちょうどいいな、飯も食いたくなってきたところだ。」


 そうして着替え終わってさっぱりした俺とモルガンはモレッド達の居るレストランに向かった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「お父さん、お母さん、なんで私に何も伝えてくれなかったの?」

「いや、せっかく楽しく観光してたのにな?わざわざ面倒事に突っ込ませるのも申し訳なくてな?」

『その通りですよモレッド、お父さんはあなたの楽しみを潰さないようにしてくれたのですよ?』

「でも、私だって役に立てるもん……」

「分かってるよ、でもなせっかく楽しくしてるんだからやっぱり楽しんでもらいたいだろ?モレッドも楽しくしてる人を邪魔したくはないだろ?」

「分かるよ……分かるけど……」

『ならば、いずれモレッドがその様な状況になった時に対応して見せなさい。もし危険に陥った時は勿論私もお父さんも助けに行きます、そうならないように私達は力を尽くしますがね?』

「むぅ……私はそうならないもん!!」

『ならば期待していますよ。』

「うん!!」

「よし、じゃあ改めて食おうぜ。」

「はーい!!」

「『『『『『いただきます!!』』』』』」

「『いただきます。』」


 やはりモレッドは知っていた、俺とモルガンが居ない事に気が付いてヴィヴィアン達を問い詰めたらしい。


 最初はすぐ戻ってくると誤魔化していたらしいが、誤魔化し切れなくなってしまいモルゴースがポロッと言ってしまったらしい。


 お陰でモレッドが怒ってしまったらしい、しばらく騒いで1悶着があって大変だった様だ。

 子ミコまで寄り添ってなだめていたらしい、子ミコありがとな。


 んで、ようやく落ち着いたんでヴィヴィアン達がレストランに連れてきたって事みたいだな。

 おつかれさんってことでいいコースの飯を注文したぞ、なんと天然物の肉とか野菜だ。


 これは専用コロニーがあるらしく、家畜や野菜を生産と栽培しているらしい。

 お陰で高級品ではあるが十分一般人でも手の届く品なのだ、1食分で30,000メル位だがな!!


「お待たせしました、まず前菜のサンデュールズサーモンのカルパッチョでございます。」


 なんとこの店コース料理スタイルである、グィネヴィアが目を輝かせて勉強しているっ!!これは近いうちにアヴァロンの食堂でもコース料理が出てくるな。


 ちなみにアヴァロン食堂は定食スタイルが基本、来客の場合はビュッフェスタイルである。


「美味しいね!!グィネヴィアお姉ちゃん!!」

『そうですねモレッドちゃん、今度アヴァロンでも再現してみますね。』

「うん!!楽しみにしてるね!!」

「楽しそうでなによりだな。」

『はい、あの笑顔を見られただけでも十分だと思ってしまいますね。』

「モルガンもなかなかに子煩悩だからな。」

『ふふっ、そうかもしれませんね?』

『あの〜、パパ?ママ?あんまり惚気ないで……』

『間近で見せられるとね……』

『砂糖が出てきちゃいそうだよね……』

『カルパッチョ美味し〜』


 おっと、娘達に釘を刺されてしまうとは恥ずかしい。


 俺はモルガンに目配せをして静かに食事を再開することにした、やはり生の食品という事もあってとても美味だと感じるな。


 勿論グィネヴィアの作る料理も不味い訳では無い、あれはグィネヴィアが1から食品用3Dプリンターの設定を弄り回しほぼ生の食品に近い状態で提供してくれている。


 だが、やはり肉や野菜というのは成長過程があって個体差が出るからこそそれぞれに違いがあっていいのだとも思う。

 歯触りや食感、風味などだな。


 そして1皿目を食べ終わり、全員の皿が空いたタイミングで次の皿がサーブされた。


「お待たせしました、こちらはサンデュールズ固有種を用いたポタージュ・タイエでございます。」


 薄く湯気の立つ柔らかい香りのする薄く色付いた良い色のスープだった、中にはキャベツ?のようなものとニンジンのようなものが入っている。


 モレッドはニンジンが苦手な為少し顔を顰めたが、以前グィネヴィアの食堂を手伝って以降残すことはしなくなったのだ。


 食育ってホント大事だと思ったものだ。


 その後も「ポワソン」「ソルベ」「アントレ」「デセール」とコース料理は続き、我が1家の腹は満たされましたとさ。


 あ、もちろん子ミコの分も出てたぞ。


 ミコケット用の物は基本は存在しないからネコ科の動物用のものだったけどな、ミコケットってネコ科でいいのか……?


「皆満足出来たか?」

「『『『『『満足!!』』』』』」

『ご馳走様でした。』

「なー!!」

「満足いただけたようで何よりだ、んじゃ行くか。次はどこに行こうかねぇ?」


 食事に満足した俺たちは会計を済ませてレストランを出た、会計した時の金額が普通にぶっ飛んでたけど気にしなーい。

 そんくらいの甲斐性はあるつもりだからな、実際メルならあるし。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「んじゃ、そろそろこの子ミコの名前を決めてやろうぜ。ずっと子ミコって言うのも嫌だしさ。」

「おおぉ〜!!私が考えた名前がこの子の名前に!!」

『なんて名前がいいかな〜』

『可愛らしい名前がいいですかね?』

『カッコイイ名前もありじゃない?』

『私達の名前の由来から取るの?』

『私達の名前の由来なら「アーサー王伝説」だよね?』

「?なにそれ。」

『パパの知ってる物語ですよ、電子データにも残ってないと思いますがね。』

「私知らない!!読みたい!!」

「んんー……俺も1から10まで覚えてる訳じゃないからな〜」

「むぅ……」


 俺もアーサー王伝説からまた取るかなと考えてはいたが、オヴェロンとマーリンがそこに辿り着くとは。

 更にできるようになったな、親として考えを読まれて恥ずかしい部分はあるが嬉しくもあるな。


 モルガンは俺の案に気が付いてるみたいだけどな、モレッドは自分以外が知ってる話について行けない事にむくれている。


 頬を膨らませていたらグィネヴィアがその頬をつついてしぼませて「やめてよー」とキャッキャし始めたのでまぁ大丈夫かな?


 んで、案ってのは「キャスパリーグ」って名前なんだな。


 ただこの名前はちょっといわく付きになっちまうんだよ、キャスパリーグってのはアーサー王を瀕死の重傷になるまで追い詰めた獣なんだなこれが。


 だからちょっと困ってる、名は体を示すってな。


 もし成長して俺たちに牙を向かれても困る、多分無いだろうけどさ。

 ミコケットの種族的に恩を仇で返すことは無いらしいから。


「お父さん、なんて名前の案があるの?」

「うぅーん、一応キャスパリーグって案はあるんだがな?」

「なんか厳つい!!」


 おおぅ……少女の純粋な意見が心に刺さる……


「じゃあどんな名前にする?」

『キャスパリーグを素案にそこから変えていくという形で進めるのが良いのでは?』

「ならその方向で考えようか。」


 キャスパリーグにはならなくて良かったと思う、子ミコにも申し訳なくなっちまうしな。


 そういうふうに疑っちまう事自体に罪悪感がある。


「キャスパーは?」

「んなぅ」

「違うか〜」


 モレッドが子ミコに聞いてる、なんかほのぼのする。


『キャリパー?』

「んなー?」

『これも違うか〜』

『キャッパ?』

「フシャー!!」

『ご、ごめんて!!』

『キリパとか!』

「……」

『そんな目で見ないで……』

『キリグ?』

「んのぉー」

『今NOって言った!?』


 娘達の命名は尽く全滅、オヴェロンなんて冷たい目で見つめられたせいで打ちひしがれてる……


『ならばキスハでどうでしょう?』

「!!んな!!」


 やはり決めたのはモルガンだった、子ミコも満足して喜んだ顔をしてるな。


「お母さんに命名権取られた!!」

『『『『『やっぱりママが強かったか……』』』』』

「ははっ、まぁ母親だからな。ボキャブラリーだったり発想力の勝利だな。」


 子ミコ改めキスハ、改めてよろしくな。


「んなぁーう!!」(よろしくね!!)

「はっ!?今喋ったか!?」

「聞こえた!!キスハ、ホントに喋ったの!?」

「んなぁー?」

「「気のせい……?」」


 母ミコケットと同じ事をやったのかと思ったが気のせいだったのだろうか、まぁそのうち本当に喋ってくれるかもしれないと期待することにしよう。


 ミコケットの名前が決まって、名前を呼んで貰えることが嬉しくなったキスハがしばらくじゃれつきが止まらなかったとさ。

ヴィ「ご飯美味しかったね〜(˶' ᵕ ' ˶)」


グィ「アヴァロンでも出せるように研究します(`・ω・´)」


モゴ「キスハって名前良いね(((o(*゜▽゜*)o)))」


オヴ「私はキスハに冷たい目を向けられる(´;ω;`)」


マー「あんな名前を付けようとしたオヴェロンが悪いよ(*-ω-)ヾ(・ω・*)ナデナデ」


モル「近日中にギャラハッドの全体像が分かるそうです、お楽しみにしていてくださいませ。」


全員「ママ!?」

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