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控え目とはいったいなんの冗談じゃ Byハーレイ

『パパ~完成したよ、今から塗装するから。終了したらどこのハンガーに移送すればいい?』

「んぁ?ファントムとかのハンガーに送っといてくれ。」

『りょうかいだよ~』


 さて、エーデルシュタインを出発して早10日ほど、亜空間航行から間もなく通常空間に遷移して目の前に目的地であるラグマーシュヴァインはセンデダラシアが目の前に見えるであろうタイミングだ。ちょうどブリッジでモルガンと相談をしていたタイミングでマーリンからの通信が入ったのでそれに応答していたのだ先の会話だな。


 相談事とはつまり1式の動作確認の為の宙域確保と情報拡散に対する妨害策についてだな、完全に新型(この世界において第4世代に生産が移り変わって行く中第3世代なので実質最期の第3世代機になる、尚ウチではロートル扱い)で大会が初お披露目なので少し心配という所なのだ。

 一応大会のレギュレーション等も確認しておいたのだが、簡単に言えば「殺傷レベルに至る武装の禁止」それ以外は何も無かった。

 究極言ってしまえば四肢に加え頭部・スラスターユニットまでぶっ壊したとしても、コックピットブロックにさえ被害を与えなければどうということは無いという事だ(正確にはパイロットに)。


 これ多分良くも悪くも色々問題あるんだろうなぁ…絡まれるんだろうなぁ…まぁいいけどさ。


 とりあえず軽く1式機体スペックの説明をしておこうか、このタイミング逃したらいつになるか分からない自信があるからね。


 型式番号: AMRS-AFDBS-01

 機体名:I式

 全高:17.2m

 重量:60.2t

 ジェネレータ:アルビオン工廠製熱核反応炉『Alpha』

 ジェネレータ出力:1.8×7-6hkw

 センサー半径100,000m

 スラスター:アルビオン工廠製極低燃費ロケットスラスター「アインス」×2

 推力:3.78MN


 って感じか、OSとかは完全にウチ仕様だから地上だろうと宇宙だろうも関係なく使用出来るようにしてるけどそれ以外は結構抑えめかな?だと思いたい。

 ぶっちゃけもりもりにしても良かったけど、それだとただのヌルゲーになるし...ね?


『そろそろ通常空間に遷移致しますよ。』

「OKだ、それじゃ目的地を拝むとしましょうか。」


 何も無い幾何学模様の空間から突如として惑星が目の前に現れる、ほほぉ...目的地センデダラシアはほぼほぼ5:5に陸地と海洋が分かれた惑星なのか。

 コレなら確かに惑星上での演習もやりやすいし、なにより人類の繁殖にももってこいなのかな?土地が広いということはそのまま生存圏が広いということだし。そもそも住みずらい環境ってのは惑星を居住可能にする際にテラフォーミングによって環境を変えるから無くなってるしね。


「むっ?到着したか。」

「お呼びの声がかかりましたので参りましたが、残念です...折角初めて亜空間航行から通常空間への遷移の瞬間を見れると思いましたのに。」


 ちょうど陛下と殿下もお目見えになったところだ、まぁ殿下の要望には帰りの時にお答えするとしようかな?強制的に通常空間に引きずり出された時は完全にオフモードで外が見えない所にいたからね、仕方ないね。


「さてと...向かう先は何方に?」

「うむ、既にモルガン殿が余の到着を知らせておるところじゃろ?直ぐに返答が来るじゃろうて。そこに向かえば良い。...シックザールとフッテンは完全にたるみきっておるのぉ...アルビオンの環境が良すぎるのが行かんのじゃがな。」


 ははは...とかわいた声で返答するしかないな。しかしまぁ許してあげてほしい、シックザールさんもフッテンさんも口にも態度にも出さないが王若しくは王族の付き人。その身に降かかる重圧と言うのは耐え難いもので良く耐えていると評価するべきなのだ、その点は陛下も殿下も良く理解しているのでアルビオンの環境が良すぎるのが悪いって事で笑って流してくれている訳だが。


「それで?余のコニーゲの整備は終わっておるのかの?」

「勿論です、多少の変更もしたんで。その為にシミュレータに入ってもらったでしょう?」

「うむ、実際に乗って見なければわからんが相当に良くなっているということだけはわかったぞ。取り回しの良い物も用意してくれたのでな。」

「それは良かった、用意したかいがあったってもんです。」


 陛下と殿下は実際亜空間航行の大体5日目位で「暇!!」と根を上げた、その為モレッド達からシミュレータによる合同訓練に参加する事を提案された為暇さえあればシミュレーションルームに入っていた。そしてあまりにも熱中しすぎた結果グィネヴィアから激が飛んだ...

(グローセ君はグリテンが付いた状態でずっとキスハとエルピダの遊び場に行っていたので何も知らないぞ)


『停泊場の返答が来ました、衛星軌道上の軌道エレベーター最外縁部。ラグランジュ5、ペルレテセウス港ですね。』

「...舐められておるのぉ...」

「まっ、それを全部ひっくり返すおつもりでしょう?」

「ふっ...当然じゃな。」


 通常国の序列などを考えれば、ローゼン・エーデルシュタインの女王であるハーレイ陛下が停泊するポイントを指定するのであれば最低でもラグランジュ2辺りが正しいのだが...恐らく先の反乱の情報を仕入れたのだろう開催国のラグマーシュヴァインが嫌がらせとして指定してきたのだろう。

「えっ?即位して1年経ってもまだ反乱分子抑えきれないんですか?だっさ!!そんな国の女王様なんて最低限でいいでしょ?ぷぷぷ!!」って煽り散らかしているということだ。


「モルガン殿、港湾局と回線を繋いで貰えるかの?」

『既に直通回線で接続済みです、如何様にでもどうぞご自由に。』

「お見通しじゃったか?」

『はて?何をおっしゃることやら...』


 あぁ〜...この後陛下が何をする気か読めたぞ?


「港には滞在せん、確か演習区画があったはずよの?そちらに居るのでそちらに使者を回すが良い。」


 あーあ...多分運営側も演習宙域なんてそんなに用意してないだろうに、ウチでひとつ潰されちゃったねぇ。しかもモルガン陛下が宣言した瞬間に正規の手続きで大会開催期間中の全日程その宙域抑えちゃった、他の国から苦情が出ても文句言えないねぇ?正規の手続き通してるから何もこっち悪くない(正規とは言うけど実際はクラッキング仕掛けて勝手にOK貰っただけ、しかも痕跡すら残さない徹底ぶり)こっちに来る苦情は全部運営側に被って貰えるわけだ。


 しかもこの言い方だとアレだな、謝罪を申し入れたければ通信回線では無く直に顔を出せって言ってるな。まぁ来た所で顔を合わせてやるのかは陛下のさじ加減って訳だ、最初っからやらかしてくれるし陛下はやってくれるねぇ。


「まぁ演習宙域を確保出来たってことでいいかな?」

「ふっ、余も人並みにはイラつく事もあるでな。カケルよ、付き合え。」

「Yes your MAJESTY」


 全く目の笑っていない陛下にAMRSによる模擬戦を要望されたとあれば俺も答えない訳にはいくまいよ、I式の性能評価もしないといけないしな!!


 まぁその後はふっつーに演習宙域内で実包(マジで被弾したら死ぬやつ)で普通に対戦(俺は模擬弾)して、K/D比が15:1って言うスコアになったせいで余計に陛下の機嫌が悪くなったり。「ぬっ?」と実包だった陛下が演習宙域に入ってきた謝罪に来た運営側の連絡艇に被弾させて泡食ったり、まぁそれなりに大騒ぎしてましたよ?てか演習宙域に連絡も無しに突入してくんじゃねぇよそもそもよぉ!!俺も「あれ?コレ遮蔽に使える?」とか普通に考えて壁にしちまったじゃねぇか。ま、そんなことは置いといて。


 謝罪に来た運営委員の方は普通に陛下が「合わせる顔など無いわ、側しか見る事のせぬゴミ共が。」と一蹴して、スラスターが咳き込む連絡艇でとぼとぼ帰る事になっていた。


 そしてI式の評価は...


「お主は戦争でもしたいのかの?」


 と言う評価を頂きました!!解せぬ( ・᷄ὢ・᷅ )

ハレ「うん?余が喋れば良いのかの?ふっふっふ...余にもこのような出番がやってくるとは!!分かっておるのぉ作者よ!!む?メタいからやめろと?今更じゃろが!!まぁ良い、1式との戦闘を終えた感想ではあるがはっきり言って我が国の正式配備型として採用したいレベルじゃの。あの後コックピットの内見をさせてもらったが、球系コントロールレバー方式ではあったものの慣れればレバー型より遥かに緻密な操作が可能である事はコニーゲで理解しておるし可能な限り簡略化されたコンソール類は煩雑なシステムを制御するAMRSパイロットの機種転換訓練を短縮できるしの。何より運用コストを限界ギリギリと言えるレベルまで削減しきっているというのが見逃せん!!常備軍と言うのは金食い虫じゃからな、国軍に配備しているAMRSの維持管理コストだけでも馬鹿にならん。それを1式にしてしまえば少なくとも3/4!!高コスト機ならば1/2になるというのならばそちらに変えたくもなるというものじゃろ?とにかく...時代遅れとなり始めた第3世代機ではあるものの、それを置いても十分な性能だということじゃな。こんなもので良いのかの?」


ヴィ「OK!!(*`・ω・)ゞ」

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