某武器商人アニメみたいになったって話
〜モルガン視点〜
『ふむ、了解しました。総員第2種戦闘配置、敵はフロアに潜んでいます。』
ティトンから送信された会話ログを受信し、相手方が事を起こそうとしている事を相手が行動を開始するより先に確認した私はモロノエ達に指示を飛ばします。
ヴィヴィアン達はモレッド達の護衛という事で今回の出番は無しですね、まぁ部屋にまで到達されてしまえば出番はあるかもしれませんが...そんな事にはさせませんとも。
モロ『お姉様、敵の装備は?』
モル『不明です。』
マゾ『人数は?』
モル『不明です。』
モー『こういう時アルビオンやアヴァロンでないことが悔やまれますねぇ、他惑星のホテルのような監視システムがある訳でもないですからシステムオーバーライドも厳しいですし。』
監視システム自体は脆弱そのものであっても侵入経路がほぼ無いというのか問題ですね、マ...お母様の言う通りネットワークに侵入さえ出来ればどうとでもなるもののWiFi?でしたか。そのシステムではどう頑張ってもホテルの監視システムへの侵入が困難なのです、逆に考えて何故他の惑星やコロニーのシステムには侵入出来るのか?と疑問に思う方々もいらっしゃるでしょうからお答えしますと『ネットワーク回線が基本的に1本化されている』からですね。
勿論個々に振り分けられるID等の変化はありますが、それを加味してもハッキング等という行為自体が忌避されているというものが大きいのでしょう。システムコードを1文字変えてしまうだけでコロニー内に住む数10億単位の人間が死に至らしめられるのです、そんな危険を犯してまでハッキングしたいとは思わないでしょう?
そして1本化されているということは逆探知も容易だと言うこと、私達の様な超スペックな電算機能を持っているならばまだしもシステムに侵入した時点で逆探知されてしまうからですね。
とまあそんな話をしましたが、要は敵を殲滅すれば済む話という事です。問題なのはこちらが完全な非武装だと言うこと、恐らく相手方は火器による武装をしているであろうことから圧倒的に不利なのは確かです。但しこちらがただの人間であれば、そして相手方が我々を拘束する事がメインであり非殺傷の武装をしていれば話は別です。
グテ『非常口階段配置完了!!』
グネ『エレベーターホール、配置完了致しました。』
グト『階段フロア配置完了しています。』
モル『よろしい、ではお客様に歓迎の宴を開催して差し上げましょう。』
『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』
さぁ...何に手を出そうとしたのか、存分に理解させて差し上げましょう。
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〜グリテン視点〜
「チームλ配置完了」
「了解、γとΨの配置が完了するまで待機。」
「了解。」
はいはーい、非常口階段の配置に着いたグリテンでーす!!扉の向こうで足音...まぁ吸音性インソールだったりを使う事で音自体は限りなく小さくしていましたけど、私達にそれは無意味ですよねぇ。
『グリトネアとグリトーへ、そちらにも1チームずつ向かっている様ですよ。』
『承知しました。』
『了解です。』
非常口に配置されるチームがいちばん早いのは避難時に真っ先に考えられる経路だから、まぁそうでなくとも有事の際は非常口から脱出するから当然ですね。
しかし...やはり部隊運用と言うのは地球レベルでも既に成熟仕切っていると言えますねぇ、これが例えばの話ですが獣人。ウチで言えばキスハちゃんのような種であれば身体能力の差も考慮した配置になるのですが、まぁ女と子どもしか居ない(と思われている)と想定しているのであれば普通の人間のみの配置になるのも妥当?
いえ...そもそも地球には獣人種や蟲人種は存在し得ないのでしたね、っとと...この様な種別付けはご主人様が最も嫌う行為でしたね。気を付けないと...
『さて...そろそろ動きますかね?』
「全チーム配置完了、カウント3で突入する。カウント終了後は任務完了まで無線を閉鎖、3...2...1...突入開始!!」
「バンッ」と扉が開けられたのでこちらから飛び込むとしますかね?相手方は完全にこちらが部屋でのんびりしているという想定、多少火器を携行していたとしてもまさか出待ちされているとは思っていなかったでしょう。
『MP5に消音器、まぁ当然と言えば当然ですかね?』
飛び込むのと同時に相手方の装備を確認して共有、そして相手方は突入を頭から押し倒された形になったのですが、流石はこういった作戦を行う部隊。動揺はしても最小限と言った所ですね、殺傷してしまえば後処理も面倒になりますが...かと言って意識を奪うだけというのも面倒なんですよねぇ。
意識を取り戻した時に暴れられないよう拘束しなければなりませんし、何よりホテル側に要らぬ手間をかけさせることになってしまいますからね。
とりあえずあとから考えるとしますか、恐らく相手方もこう言った行動をするにあたって私達の宿泊するフロアから2~3フロアは人の出入りが出来ないようにしているでしょうし(そもそも消音器を付けていても結構音ってするんですよ?)それなら私も暴れても問題は無いということでしょう?
「待ち伏せだ!!発砲許可!!繰り返す、発砲許可!!」
「了解!!急所は外します!!」
ふむ...防弾装備とは言えむき出しの顎に一撃を掠めて脳を揺らす方法でも限度はありますか、4~5人の意識を刈り取ったところで相手方に動きありですね。
しかし、それでは他の惑星では通用しませんよ?そもそも痛覚なんていくらでも遮断できる様な手術が確立されていますし...何より私達は人工知能搭載のアンドロイド。そして生身の人間よりも遥かにスペックで上回っているのですから!!
「なっ!?飛び降りてっ...がはぁ!?」
「このっ...たった1人にっ!!」
「まて撃つな!!味方に当たる!!」
『その辺は良識があるんですねぇっ!!』
「「しまっ!?」」
人数は1個小隊規模でしょうか?28人程度ですねぇ、まぁ一般人を確保するのに3チームで90人近くを動員するのであれば相当な準備をしていたということ。相手方の気合いの入りようも中々のものですね。
1フロア分を手すりから飛び降りて下にいた人員から順繰り確実に意識を刈り取って行きます、勿論上がガラ空きになってしまいますが...そこは問題ないでしょうね。
私・グリトネア・グリトーが第1防衛ラインを、テュロノエ・ティテン・マーゾエお姉様が第2防衛ラインを、最終防衛ラインとしてモルガンお姉様・モロノエお姉様・モーガンお母様が居らっしゃるので!!
『後でお小言は貰いそうですけど…ねっ!!』
「ちぃ...残った人員は半分に!!突入班と対象の無力化に分ける!!行けっ!!」
『あら、そんなことしちゃうんですか?構いませんけどねっ!!』
数が減ったという事は私も動きやすくなるということ、スペースが広くなると言うことはそのまま腕を振り回す余裕が増えるということですから!!
数人が一撃で伸されているのを見れば相手もそれを警戒するので意識を刈り取るのは多少時間がかかり始めますが、誤差のようなものですし気にするものでもないでしょう!!
『あんまり私たちの活躍の場は今までありませんでしたから...ここらでいいとこ見せましょう!!』
味方を巻き込まない射線を見つけて銃撃を行い始めた敵に肉薄しながら、私はそう声を張り上げたのでした。
モル「という訳で短い自今にはなると思いますが、私達の活躍回になるでしょう( ´-` )」
モー「ふふふっ...気合いが入っていますねぇ(◦ˉ ˘ ˉ◦)」




