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人工知能達と行く宇宙傭兵生活   作者: フタバ
聖騎士と従者と
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訪問セールスお断り!!

「いいね」「コメント」お待ちしております!!

 海賊基地の1件も一通り片付いたので、今日から少なくとも3日は休暇をとる事にした。


 ストイックに基地を潰し続けるのも良いし、1回まとまった金が入ったから豪遊するってのも有りっちゃ有りなんだが、そもそも俺の財布の紐はモルガンが握ってるし、モレッドもそこまで金を使うことはしない。


 実際モレッドが使ったことのある自分の金ってのはお使いの時のおやつ代位しか無かったりする。


 しかも、そのおやつはコロニー内に居たモレッドより下の子達と仲良く分けて食べていたくらいなのだ。

 ……モレッド!!なんていい子!!


 という事で一旦休息タイムとなります。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「モレッドー、行くぞー。」

『 今行くよー、ちょっと待って!!』


 通信機越しにモレッドの返事を確認する。


 そう、これからお出かけです。しかもただのお出かけじゃありませんよ、家族全員でのコロニー内観光地巡りだ。


 サンデュールズには観光コロニーと呼ばれるコロニーが数箇所存在し、首都惑星の特産品や原生生物、植生等を再現している所があるのだ。


 これはモレッドに「これから少なくとも3日は休暇だ、なにかしたいことはあるか?」と聞いた際に「ミコケットがみたい!!」と即答された為実現した。


 ちなみにアヴァロンで保護した個体は俺の知らないところでモルガンやヴィヴィアン達にも愛でられていたらしく、観光地ではミコケットが見られるコロニーという事が絶対条件だった。


 コロニー自体には2泊程する予定だ、その間アヴァロンは宙港にロックされる。


 もちろん、セキュリティは抜かりないから安心して欲しい。

 この世界の如何なる技術者だろうと第1ロックすら開けられないだろう。


 ……学生に突破されてね?だって?


 うるせぇやい!!あれは学生と言う身であった+やられてからじゃないとどうにも出来ないって条件があったんだよ!!


 なので取り敢えず安心してくれ、虫1匹通さんから。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「お父さん!!居たよ!!ミコケットだ!!」

「おぉ、ほんとだ。一応飼育状態とはいえほぼ野生みたいなもんだからだろうな、こっちに寄り付きもしねぇや。」


 コロニーに着いて早速モレッドに「ミコケット見に行きたい!!」と言われ、場所も近かったため向かう事にした。


 実際口には出さなかったが他の皆もソワソワしてたしな、モレッドが言った時目を輝かせてたように見える。


 ウチでは飼えませんからね〜。


「あの時保護した奴もここに居るんかねぇ?」

「あの子、よっぽど怖かったのかすっごい警戒してたもんね。元いた場所に戻った方が良いよ、その方がのびのび出来るもん。」

「お?飼いたいって言ってたのにどうした?」

「だって、良く考えたら無理矢理連れてこられて狭い所に閉じ込められるのと外でのびのび過ごすのどっちがいいって言われたら絶対外って私だったら言うもん。」

「……そっか。」


 ちゃんと、生き物に対する考えを持ってそれに反しないように行動しようとしているのだろう。

 少し悲しそうな顔をしたモレッドの頭を強めにクシャクシャ撫で回す、モレッドは「んもぉ!!せっかく綺麗にしてきたのに!!」とプンスカしているが悲しい顔はしなくなったのでOKだろう。


 そんなことをしていると、1頭のミコケットがちょっとビビりながら近付いてくるのが見えた。

 俺が首を傾げていると、そのミコケットはパァっと花開くように笑った様な表情をして一気に駆け寄ってきたのだ。


 まだプンスカしているモレッドにミコケットが来てるぞと話すと「あ!あの子だ!!」と嬉しそうに手を広げて迎え入れた。


 一応1.2m位ある大型種なのでモレッドはそのまま押し倒されてしまった。

 近くに居た係員?みたいな人が慌てて引き剥がそうと近寄って来たが、ミコケットがモレッドにじゃれつく様に頬を擦り付けながらゴロゴロ鳴いているのを見てホッとしていた。


 まぁ、モレッドは8歳程度だし焦るのも無理ないわな。

 逆に俺とモルガン達が落ち着き過ぎていて係員が戦慄していたくらいだ。


「わぁ、そんなに回数も会ってないし嫌われてたと思ってたのに!!」

「ゴロゴロ、ナァ〜ゥ」


 ちゃんと近くで見ればじゃれついていることは分かるが遠目で見たら普通にショッキング映像だろう。

 大型動物に少女が襲われ重症!!みたいな見出しが出てもおかしくないからな、この状況。


 ただ、当の本人は喜んでいるし他の娘たちだってキャッキャしているからそうならないだけなんだが。


 しっかし、このミコケット良く覚えてたな?俺とモレッドのこと。

 それに、こんなにも好意を向けてくる事自体珍しいだろう。

 管理されているとはいえ野生動物な訳だし、人間によってあんな所に押し込められてストレスも多かっただろうに何故こんなに懐いている?


 モレッドからなんかフェロモン的なもの出てたりする?

 ちょっと心配になってきた、後でこっそり身体検査しておこう。


 ……モルガンからいかがわしい目で見られた、辛い。


「んん?どうしたの?」

「ンナァ〜……」


 ミコケットはモレッドから離れると元いた場所に走って戻って行ったと思ったら何かを咥えて戻って来た。


 それを見た飼育員と言うか管理人がギョッとしてミコケットを見つめた。


 咥えていたのはミコケットの幼体、つまり子どもだったわけだ。

 しかも生後1日とかその位の感じ。


 咥えていた子をモレッドに渡すと、まるで我が子との別れを惜しむかのようにスっと目を細め優しく微笑んで眠っている子の頬をひと舐め。


 モレッドと俺を両目に捉えて「この子をよろしくお願いします、いと心優しき方々。」確かにそう聞こえる優しい声が脳内に直接聞こえて、そのミコケットは何処かに消えていった。


「馬鹿な!?ミコケットが我が子を他人に渡す!?」


 飼育員さんはこの行動を見てパニックを起こした、なんでもはるか昔からミコケットはサンデュールズの国獣に指定されているらしく、理由が「この国を築き上げた方は傍らに常に1頭のミコケットを置いていたそうです。そのミコケットはその方を主としてその身を守り、道を示していたそうです。」との事。


 そして、ミコケットのこの行動は以前から僅かではあるが確認されていたらしい。


 ただ、今回の様に思念で会話されたと言うようなことも無く(思念で会話出来るということ自体知られていなかった。)渡された時のパターンもバラバラで全くわかっていないそうだ。


 それが今回ハッキリと子を種族の異なる人間に託したと紛れもなく確認されたのだ。


 飼育員も貴重なケースだと直ぐにでもその子をモレッドから受け取ろうとする、実際飼育も売買も禁止されている種だから当然であり国で管理されているためここで渡しておくしか無かったのだが、モレッドに抱かれた子に飼育員が手を触れた瞬間周辺に居たミコケット達が一瞬で殺気立ったのだ。


 人間でも怖気付く程に強い殺気が飼育員に向けられ、顔を青くして手を引っ込めていた。

 ちなみに向けられていないはずの俺ですら感じ取れたほどだったので向けられた本人の恐怖は推して知るべし。


 後日また別の人が引き取りに来たのだが、見られていないはずなのにまた殺気が襲って来てその人は気絶していたりする。


 結果として我が家にミコケットの子が来る事が確定し、アヴァロンに植物園的なスペースが出来たりする。


 サンデュールズ政府もさすがにこの事態には首を縦に振らざるを得ず、特別許可証という形で連れて行く許可が出たのだ。


 これについては例の助けた人達が「あの方達の事だ、人だろうと人以外であろうと助けるその心意気をミコケットも認めたのだろう、ならば人間が認めなくてどうする。」と一言申していたとか何とか。


 んで結果的に1度アヴァロンに戻る事になったのだが、どこで情報が漏れたんだかアヴァロン周辺にこれでもかとやれ人工飼料だやれペット用のトイレだなんだかんだとセールスマンが集まっていたんだよな。


 すぐわかった事だけど例のミコケットの思念が周辺どころかコロニー内のほぼ全域クラスで流れていたらしく、それを聞き取った連中が我先にとアヴァロンに押しかけたわけだ。


「ミコケットに気に入られた人に使って頂ければこれは我社のプラスになる!!」って勢いで。


 そのゴタゴタに紛れてミコケットに触れようとしたり、あわよくばかっさらってしまおうと言う輩は例外無く殺気が飛んできていた。


 突然ぶっ倒れたりするもんだから周りが慌てる慌てる、どんどん収集もつかなくなって来たので俺は声を大にして叫んだ。


「ウチは勧誘セールスお断りです!!」


 宙港の職員を呼んで強制的に解散させてアヴァロン内に戻った俺は盛大にため息をついたのだった。

ヴィ「モレッドちゃん良かったねぇ(՞߹ - ߹՞)」


グィ「あのミコケットはここに居た個体なんですかね( ¯꒳¯ )ᐝ」


モゴ「だとしたらセキュリティ弱すぎない?(ー"ー )」


オヴ「まぁ、人だし?( ̄▽ ̄;)」


マー「アヴァロンが優秀すぎるだけだよー(ー∀ー)」

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[一言] ミコケット(´;д;`)ブワッ えぇ話や~スキ
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