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里帰りっていざ行こうと思うと準備に手間取るよねって話

「えーっと…何が必要だ?日本に降りるなら現地通貨の円が必要で…偽造なんてしたら偉いことになるから現物交換で入手しないとダメだよな…でも身分証明書も無しにそんなことできるか?出来ねぇよなぁ…」


 キャメロットの自室で頭を悩ませているのが今現在の俺です、この世界…俺がいた痕跡があるかすら危うい地球に降りるにあたって1番必要なのはまず現地通貨である円だろう。


 もし俺の痕跡があると言うのならばそれを回収して利用すると言うのも手のひとつではあるが、そもそもその場合俺は1年以上もの間行方不明になっているということであり突然そんな人間がひょっこり現れでもしたらめんどくさい事になるのは確定しているのでこの選択は無しだろう。


 となれば何とかして現地通貨を獲得しなければならないのだが…それも面倒臭い、独り言で言っていた様に偽札なんて作れないしな!!


「こういう時は全宇宙共通貨幣のメルって便利だったんだなぁ…」


 不満を押し殺す様にそうぼやく俺はシートに深く座り込みリクライニングを効かせる、全員で3ヶ月近くも外泊となれば一体幾らかかるだろうか?


 4人家族…つまり夫婦に子どもが2人の世帯の平均支出が33万円程度らしい、つまりこれをウチの場合はモーガンからカンラまで入れてなんと20人!!俺も入れれば21人家族!!凄まじいなんてレベルでは無い!!4人家族の5倍で計算しようものなら165万を超える!!えらいこっちゃ…


 ちなみにアルビオンで生活する分には大体月平均10万ちょい位のメルで済む、これは大半が3Dプリント食品を利用していることに加え艦内のライフライン循環システムが還元率ほぼ100%になっているからだな。


「考えれば考えるほどドツボにハマる気がするな…」


 両手で顔を覆い悲観にくれていると、自室のドアが開きモルガンが中に入ってくる。その両手にはコーヒーがトレイに乗せられていた、その数は2つ…つまりここでのんびりコーヒーブレイクとしゃれこもうというわけか。


『思い悩んでいるようですね、どうしましたか?』

「いやなぁ?地球に降下するにあたって現地通貨を用意しなきゃならんだろう?だが俺たちの持っている貨幣を地球では換金出来ねぇからどうしたもんかなと思ってな。」


 差し出されたコーヒーを受け取り、中に注がれたまだ湯気の立つブラックコーヒーに口をつける。うん、持ってくるまでにちょうどいい温度になっているな。火傷も心配する必要無しだ、なんて事を考えているとモルガンも傍にあった腰掛けに腰を下ろしてコーヒーを啜り出した。


「『ほぅ…』」2人してシンクロしながら一息、あまりに同時だったので顔を合わせて苦笑する。良いよな…こういう時間って、俺は戦闘に関わらない時間はこんなまったりした時間が流れていて欲しいと常に思う。


『換金方法ならあるではありませんか。』

「なんですと?」

『そもそも辺境宙域にある知的生命体が存在する惑星に宇宙連盟が何も措置を講じていないわけが無いでしょう、地球の南極…氷河の遥か下に基地がありますよ?お忍び旅行の為の基地が。』

「なん…だと…」


 モルガンに聞かされたそれを確認すれば確かにキャメロットのセンサーはその基地が発する信号を受信していた、成程ね?確かにこの特殊な信号であれば地球の文明ではまだ探知出来ない訳だ。


 音波と原子運動による特殊な秘匿信号みたいなもんだ、ただこの音波…昔騒がれた『Pluto』だったか?の音響データと同じだな…正体はこれだったのか…昔これを知った時はワクワクしたもんなんだけどなぁ…


 まぁ現地通貨の入手が容易になったというのならばこれを駆使しない訳には行かないだろう、存分に使わせてもらおうでは無いか。


「んじゃ、後は地球降下に際して何を持っていくか…だな。」

『基本的な衣類1式に文明に影響を与えない程度の火器、AMRS…は流石に無しですね。』

「特に火器を持ち込むなら日本は相当厳しい、原始的だが確実なX線検査で秒でバレるからな。」

『ふむ…特殊合金製分解式の物を持ち込みましょう。』

「物騒な話になってきたなぁ…ただの里帰りのつもりだったんだが…」


 自衛は大切だ、だがそれは場所によって必要かそうでないかは別れると思うのは平和ボケしている日本人だからなのだろうか?

 日本だから基本自衛なんて要らない、なんて思ってしまうのは平和な地域に居たからなのだろうか…むつかしいね!!


 あぁそうだ、南極基地で入国審査の時一応オレの戸籍とかがあるのか確認してもらわんとならんな。あったら困るしめんどくさい事にしかならないだろうし。


「とりあえず色々用意は始めておこう、モルガンも降下について行く全員に伝えてくれ。キャメロットのファクトリーは1度設計しちまえば完全オートだし、折角だから久しぶりの全員でバカンスとしゃれこもうじゃないか。」

『それは良いですね、前回のバカンスは1年前のシャルマー二でしたからね。あれからシイナとカンラも増え、何より妹達も居ますから全員の親交を深めるのにもいい機会かと。』

「んじゃ、基地内放送で伝えといてくれ。俺は自衛火器を用意しておく。」


 残ったコーヒーを飲み干して俺はパソコンに向かい直して日本や各国のセキュリティを突破出来るような火器の作成に取り掛かる、まぁ実際にはこんな作り方出来ねぇだろ!!って言う作り方なんで真似なんて出来ないぞ!!


「まっ…発想力ってのが大事ってね。」


 ひみつ道具を作るみたいでワクワクするな、こういうのを楽しむ心って大事だと思うぞ。だからって作ったものを街中でぶっ放せば普通に犯罪者になっちまうから自分の理性と周辺環境の法律とかをしっかりと照らし合わせないといけないってのがあるけどな。


 日本の銃刀法、特に細かく定義されている刀剣類とは『刃渡り15センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り5.5センチメートル以上の剣、あいくち並びに45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛び出しナイフ(刃渡り5.5センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であって峰の先端部が丸みを帯び、かつ、峰の上における切先から直線で1センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して60度以上の角度で交わるものを除く)をいう。』となっているぞ。まぁ実際この定義に接触しなくても大衆の面前で大手を振って振り回したら捕まるけどな!!気を付けよう!!と言うかそもそも外に持ち出しちゃいけませんってことだ、包丁ですら普通に人を殺傷できる武器になりえるんだからな。


 なのでできれば基本的に俺達も完全非武装で行きたいんだが…俺以外の家族は全員見目麗しい者達しかいないのでそう言った危険がないわけでは無い、しかも俺たちはある意味不法移民に近しい存在になるわけで法律によって守られている存在じゃない。ともなれば自衛するために最低限の武器は欲しくなっちゃうってわけだな。


 平和な日本に行くだけなのになんでこんなにぎすぎすしなきゃいけないのか…全く困っちゃうよねぇ!!


 まぁそんな鬱憤が消し飛ばせるだろうくらいには俺は里帰りを楽しみにしているんだけどな、せっかく日本に帰るんだ…俺の地元北海道を存分に満喫してもらおうではないか!!

 他の惑星で食べるような遺伝子組み換えなどにより味が最上級にされたものではない、天然物と人類の汗と涙と努力の結晶たるブランディング品種の野菜と肉の味をなぁ!!

モレ「1個の惑星で言語や通貨が統一されてないって不思議!!( 'ω')」


キス「アタシ達は基本的にそういうのは統一された国にしか行ってないもんね(>_<)」


エル「でも考えてみれば今まで訪れたことのある国もそういった歴史はあったはずなのです(*`꒳´ *)」


シイ「むつかしい!!( ´ᾥ` )」


カン「為替レートってなんなんだろ?( ॑꒳ ॑ )」

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