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分析すれども感情までもは読み切れない

 〜モルガン視点〜


『ふむ、3日後に謝罪会見ですか。早いようで遅いものですね。』


 モレッド達がシミュレーターで演習をしている最中にミロリンク社の動向を逐次確認していた私は、ホームページから「此度の社長令息が起こした不祥事に関しての謝罪会見を3日後に行います。関係各所には多大な御迷惑をおかけした事を謝罪すると共に、このような文面でお伝えする事をお許し下さい。」と投稿されていますね。


 これで終わりとは思いませんが、少なくとも大きな事変になることはなくなるのでは無いのかとは思いますね。ミロリンク社の財力を持って私たちを潰しにかかってくるなんて事をしよう物ならば流石に惑星上からは退避しなければなりませんから、アルビオンの防護性能は先のヴァルカンとの戦闘で多少は知られているところでしょうし戦いになるのは臨むところですが、惑星の大気圏内で核兵器なんて放り込まれてはたまりませんのでね。


『さて、警戒自体は解かないように。これよりアルビオンは第1種警戒態勢に入ります。センサーをこの星系第5惑星まで広げ、亜空間航行から通常空間へ遷移した際の反応も漏らさぬように。』

『『『『『『『『Yes,Mam』』』』』』』』


 ここまでの対応を見る限り、ミロリンク社の重役は頭が回るようなので問題は無いでしょうが間違いなくあの社長令息はやらかしてくることでしょうしね…警戒するなという方が無理という物。

 アリラカンテから亜空間航行で1週間程度の距離にピンチンがあるという事が地味に問題なんですよね、つまりその気になれば武力を投入することも可能という事で…これが本当に面倒臭いことこの上ないんですよね。


 ヴァルカンによる核兵器持ち込みと戦争行為は私たちが未然に防ぎこそしましたが、それを置いておいたとしてもかなりアリラカンテ自体外部からの武力に弱い。まぁこれは周囲を大国が囲んでいることに加え、各国が提携を結んでいるおかげでそれぞれが武力を過剰に持たなくても良いという風になっているからなのですがね。


 先に言ったおかげもありアリラカンテは他の国に比べれば小国でありながらも自力で軍備をしなくていいという棚ぼた的な状況になっているというわけですね、もちろんただあやかっているというだけではなくて年額いくらかを納付しているらしいですがね。


『もしも事が起こるならば最短でも1週間…それまでに私達に向けて通告の様な事をしてくるでしょうね。』


 もしも戦闘行為を行うにあたって、このような非戦闘員が多くいるような場所でいきなり砲火をパなすなんてことをしてしまえば、ヴァルカンのように全宇宙中からの締め付けを食らう事でしょう。しかももしそれを起こすのであれば今度は国ではなくたかが1企業…下手をすれば1個人が引き起こすということになりますからね。もしその戦乱を起こし生き残ったとしても陽の下を歩くことなど不可能でしょう、そしてもしつかまったりなどして見れば…生きたままバラされたうえでありとあらゆる実験の被験体になることは間違いありませんね。


 技術水準で言えばAMRSが第4世代に推移している時期ですからまだ先ですが、ローゼン・エーデルシュタインでもあったようにウルティモ・ヴェネレのような事案がありますから。ロストテクノロジーの様なものを解析していく過程で脳波コントロール技術の基礎は獲得しているかもしれませんからね、モレッドやあの人のように素質がない者でも扱えるような技術開発をするために改造が施されるかもしれませんねぇ?


『準備だけはしておきましょうか…』


 大気圏内でいきなりパなすなんてことが万が一にも起ってはいけませんが、もしそれが起こってしまった場合に備えてアルビオンをもう少し陸地から遠ざけておきましょう。着弾位置と撃ち込まれた弾種によっては本当に人に被害が出ますからね。


『アナログ観測は流石に誤魔化せませんか…まぁ仕方がありません、やるならばいつでもかかってきなさいな。』


 ふとイベント会場がある方角を望遠カメラで覗てみれば、居るわ居るわの大所帯。超望遠のレンズを使った肉眼によるアルビオンの現在地確認を行う人々が、まぁその内の半分以上は何ら関係ない一般人でしょうね。

 これだけの超大型母艦なんて超大国の旗艦クラスでしょうし、それをたかが1傭兵が保有しているともなれば気になるのも致し方ないという物。

 あの人は本当に…出来上がってみれば確かにいい物ではあるのですが、如何せんやることなすことスケールが大き過ぎるのが傷ですね。まぁいいですが。


 さて、観測員が居るのであればこちらとしても逆に動きやすいとも言えます。アルビオンはパッシブステルス…つまり何か特定の動作を行うことなくレーダー等から消えますから、肉眼による観測しか手段がない。

 そして、今回の本来の目的は戦闘時の被害を抑える為というものですから相手にわざと煽るように移動するのです。しっぽ巻いて逃げるなどと勘違いされないようにね?


 艦首を観測員やギャラリーの居る方向に向け、まるで「ほら…ビビってんのか?こんなにゆっくり()()()()()()()()()のに手も足も出ないのか?」と言っているかのように見せるのです。

 沸点の低いあの社長令息ならば血気盛んに飛びかかってくることでしょう、こちらとしてはかかって来てもいいが今お前のせいで緊急会見始まろうとしてるけど…ぶち壊していいのか?と言った感じですね。


『これを挑発と取れるのかという問題もありましたねぇ…』


 やってみてから気が付きました、それにそもそも観測されている事をこちらが認識しなければこういった行為を行うとも思われないですしね。まぁ分からなくても「何故こちらに艦首を向けた?」とは思われるでしょうしまぁいいとしましょうか。


 望遠カメラが映す景色はアルビオンが動き出したことに興奮する一般人が大半、動き出した事を確認して何処かに連絡を入れる観測員が少数。ハラハラした目でこちらを見る恐らくヴァロンドールの職員と思わしき人物が数名と言った所でしょうか。


 これだけの大型艦であれば大量のスラスターを稼働させ、膨大な量の水蒸気を撒き散らすはずなのに一切それもなく洋上に浮かび上がるのですから一般人はおろか観測員も困っているでしょうね。ヴァロンドール職員はマルティン氏から多少の話は聞いているでしょうから驚きを顔にこそ出しはしませんね、まぁ「なんだあれ?」みたいな表情にはなっていますが。


『お姉様、港から洋上船舶が数隻こちらに向かっています。』

『観光紛いの事をするグループでしょう、まぁ紛れ込んで侵入等を企んでいるという線もありますが。』

『如何しますか?』

『何もしませんよ、アルビオンの近くで停止して救助要請を出されたとしてもここは惑星上ですから。わざわざ艦内に上げる必要などありません、せいぜいテザーによる曳航をしてあげる程度でしょう。』

『何をやってもこちらに非難をぶつけてくるという可能性もありますが…』

『ならばそもそもこちらは何もしませんよ、せいぜい港から10km程ですしね。海難救助をこちらから要請しておしまいです、忘れてはいけないのは私達が傭兵だと言うことです。海難救助や人命救助等を無報酬で受けるような便利屋でも無ければボランティアでも無いのですよ、と言うよりもアルビオンクラスの大型艦が小型船舶を牽引するなど船乗りからすれば赤っ恥どころではありませんよ。』


 私はモロノエに横目で笑いながらそう言ってこちらに向かってくる船舶に冷笑を向けました、一体どんな恥をかいてくれるのかと期待をしながら…ね?

ヴィ「ヴァレットの関節結構ガタついてない!?(꒪д꒪II」


グィ「有事に備えたメニューですか…(;´Д`)」


モゴ「ヴィヴィアンとグィネヴィアは休む暇がないねぇ( 一一)」


オヴ「私は主機があまり手間がかからない子だから結構暇かも?( ̄д ̄)」


マー「いつ忙しくなっちゃうんだろう(´゜д゜`)」

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