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私だってやりたくてやってる訳じゃないっ!!

『ではイベント会場での大トリを務めるという形で出演するという形でよろしいのですね?』

「はい、むしろプロモーションだけでは観客の期待も裏切る事になりかねないと思われますので。」

『承知しました、ではその様に傭兵組合に依頼を。』

「勿論です、ではよろしくお願い致します。」

『グィネヴィア、お客様のお帰りです。お見送りを。』

『はい叔母様、どうぞこちらへ。』


 なっがぁい!話が終わるまでなんと3時間かかりました、汗くさく無かったよね?これで「あの娘汗臭いぞ」なんて思われてたら私部屋から出てこられなくなるんだけど!?


 とりあえず仕事はサンデュールズの隣国『アリラカンテ』に本社を置く『ヴァロンドール』が企画開催するAMRSのアクロバットショーの大トリを務めるということで決まりました、因みに宙間ショーでは無く重力下での航空ショーになるんだって!!惑星降下はローゼン・エーデルシュタインぶりだなぁ。


 シイナとカンラは初めての重力下かぁ、どんな反応するんだろうなぁ。コロニーと違ってホントの重力だからね、コロニーと同じだと思ったら全然違ってビックリするもんだよ私もそうだったしね。


「イベントは1ヶ月後だったよね?」

『はい、移動も合わせたスケジュール表までありました。今日来たあの社員は今回のイベントにおける総支配人という事ですね。故に彼らが会場に戻った上で設営までを含んだスケジュール表をわざわざ渡して来ましたから。』

「なるほどね、じゃあ組合から依頼を受けたら早速移動かな?」

『そうなりますね、さぁモレッドも練習は必要ですよ?無重力と重力下では勝手が全く違うのですから。』

「練習場所借りられるかなぁ?」


 来艦ドックから出て行った社員さんは直ぐに亜空間航行の為に姿を消した、ならこっちも追いかけていかないといけないよね。でもアルビオンはワープ出来ちゃうからわざわざ亜空間航行なんてしたくないんだよねぇ...便利を覚えると不便には戻りたくない、人間の心理って怖いなぁ!!


 とりあえず1週間を目安に私達の行動指針は決まりました、だいたいそれだけあれば十分隣国には到達出来るだろうしもし着いて居なかったとしても誤差で誤魔化せるでしょ!!という判断です。


 キスハやエルピダにシイナとカンラも出れたら良いんだけどね...叔母さん達による『淑女教育』の合格をなかなか貰えないみたいで、私はお母さんやお姉ちゃん達から常日頃厳しく(実は!!)されてたからそれほど時間はかかんなかったってことだね。

 因みにカンラは元からOKが出てた、私達が家出している間に叔母さん達とお姉ちゃん達の英才教育を一身に引き受けた結果『とんでもれでー』が誕生していたのだっ!!

 まぁそれも私に向けたどうすればいいのか分からない怒りのせいで台無しになっちゃったみたいだけどね?


 あぁあとはそれとおんなじでカンラはアルビオンの中をほんとに自由に動き回ってるよ、私とは鉢合わせないようにめちゃくちゃ警戒してるらしいけどね。私はカンラと話したいこといっぱいあるんだけどなぁ…具体的に言えばお父さんの操縦をまじかで見ていた時の感想とかさ。

 ほんとズルくない⁉私とキスハとエルピダがこっそりヴィヴィアンお姉ちゃんとマーリンお姉ちゃんにお願いしてサブシート作ってもらったのに、それを最初に使ったのは末っ子のカンラだよ⁉うらやましいんだよぉ!!


 っと…話がそれたね、そろそろイベント会場に向かわなきゃね。がんばるぞ~!!


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「ここがイベント会場になる星かぁ…」

『アリラカンテの第462居住惑星『ヴァレンティア』ですね、この惑星で生活している人類種は40億人だそうです。イベント会場はあの海に浮かんだひときわ大きな陸地で行うそうですよ。』

「海洋惑星だから居住人数も少ないんだね、エクメノポリスにしたほうが生活圏も増やせるのに珍しい。」

『そういった国の方針だそうです、人類種の生存権獲得のためだけに惑星そのものを機械化するのは理に反しているとか。』

「そういうものなのかなぁ?まぁわざわざコロニー内部に惑星上の生活圏を再現するくらいだし、本当の自然ってのを感じたいってのもわかるかも。リゾート星系でのんびりしたら楽しかったしね。」


 はい、ということで早速やってきましたヴァレンティア!!この一週間私は何をやっていたかと言いますと実機のほうではなくシミュレーションのほうでずっと訓練してました!!

 というのも『実際の環境に近い方が練習にはなるでしょう、シミュレーションを重力下仕様にしておきましたからね。』とマーゾエ叔母さんが用意してくれたのです!!

 確かに無重力で訓練したところで感覚が違う重力下でおんなじことできるかって言われても無理って言えちゃうからね、もちろんシミュレーションでも違いは出るけど多少の誤差なら十分修正できるしもう万々歳でした。


 後はキスハ・エルピダ・シイナの淑女教育が何とか及第点に到達したとかで解放されてました、あくまで及第点だから勉強とかその他もろもろは続くけれど今まで見たいな缶詰になるレベルではなくなるんだって!!言うてキスハとエルピダは1歳だし、シイナとカンラなんてまだ0歳児だからね…人間で言う3歳児くらいの体と成熟度はあるけれど本来だったら異常ってレベルだよ。


 ちなみに3人は解放されて最初に行ったことはAMRS操縦でした、なんでも「腕が鈍る!!」とか。私にもちょっとキレ気味…なんで⁉

 逆にカンラはようやく気持ちの整理がついてきたのか私にほんの少しずつではあるけれど接触してきてくれるようになりました、まだ食堂とかで軽く顔を合わせるくらいだけどね?それでも「おはよ…」とか「おやすみ…」くらいは言ってくれるようになったからかなり(相当私もおかしいのかも?)良くなって来ていると言って良いんじゃないかな⁉


 あとはヴィヴィアンお姉ちゃんがこっそりキャスパリーグとアトラク=ナクアのアップグレードを施してました、簡単に言えばキャスパリーグには重力下運用時には変形中の機動性を底上げできて無重力下ではそのまま装甲として活用できる専用装備『ヴァスカヴィル』を。アトラク=ナクアはエネルギー出力とエルピダの考えから低下した火力と推力を底上げする専用装備『チィトカア』が。

 これを作って用意していたのは何を隠そうお父さんだったらしく、『パパってばキスハちゃん達が帰ってきたら渡すんだぞってにっこにこで言ってたのにさ!!ほんと悪い人だよねっ!!』とぷんすかしながらヴィヴィアンお姉ちゃんが言っていました。

 まぁ若干しょぼくれていたのはご愛嬌ということでね?仕方ないからね。


 んで、惑星降下してもいいんだけど問題が一つ。それがねぇ…


「アルビオンが大きすぎて降下先に停泊できるドックが無いと…」

『そうなりますね、一応ドゥ・スタリオンで降下は可能ですが降下できる人数とAMRSに制限が出ますね。』

「そっかぁ…」


 ということですね!!降りられる人数は出演する私を含めて3人でAMRSはイカロスを含めてもう1機だけ!!往復しようにもドゥ・スタリオンは単独で大気圏離脱はできないからそのたびにアルビオンを降下させないといけない!!めんどくさいことこの上ない!!



 アルビオンを空中待機させてもいいんだけどそれをしちゃうとアクロバットショーに支障が出ちゃうからそれもできない!!めんどくさいなぁもう!!


 ということでみんなで仲良くくじ引きということになりました、結果は降下する人が私・グリトネア叔母さん・カンラで降ろすAMRSがイカロスとギャラハッド…ギャラハッド⁉ホイツノマニ⁉

 どうやらギャラハッドは予備パーツが用意されていたらしく、なおかつコックピットブロックがカンラ用に設計されたものに換装されてるらしい…ズルくね⁉ぐぬぬ…カンラめぇ…


 ドゥ・スタリオンで降下するときキスハ・エルピダ・シイナから「お姉ちゃんだけズルい!!ずるいぃ!!ぶー!!」ってさんざん言われました…私だってやりたくてやってるわけじゃないんだよぉ!!

ヴィ「惑星降下能力がある小型艇はドゥ・スタリオン以外はないんだよね、一応単機で降下自体はAMRSはできるんだけどそれじゃ整備ができなくなるから今回はこうなったってわけだね。一応遠隔で簡易整備はできるから今回は私はいないってわけ…いぎだがっだ!!(´・ω・)」


マー「ドゥ・スタリオン自体もアップデートはしているからそのうち単機で大気圏離脱能力は付与する予定なんだけどね…今回は間に合いませんでした!!イベントが終わってからアルビオンは降下する予定だよ(*‘∀‘)」

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