演習後の1幕 〜運用の確立〜
「「「負けた〜(´;ω;`)」」」
「まぁ、悪くはなかったがな?」
演習後のアルビオンカフェテリアにて、俺はモレッド達3人と共に反省会を行っております。
先の戦闘で最終的にモレッドは俺に一撃を与えることは出来た、だがそれだけだったのだ。
攻撃を食らう瞬間に俺は防御の手を止めてヴァレットの姿勢を崩した、結果ヴァレットの攻撃はギャラハッドの脚部に当たる軌道を取り被弾こそしたものの予想外の行動にモレッドは一瞬呆けてしまい、次の行動をとる前に攻撃をもらって撃墜判定をもらってしまったというわけだ。
まぁ今回の演習で一番成長していたと感じたのはモレッドだな、キスハやエルピダとは実機での演習こそ行っていなかったもののシミュレーターではやり合ったりしていた。元々素養はあったので多少のミスは許容していたし、それを自分で認識して修正するということは元が人間ではなく大きな世界で身一つで生き抜いてきた種族だからこそできていたことだと思うのだ。
だからこそ今回実機を使った演習で2人の欠点が露呈してくれたことはとてもいいことだと思う、キスハは敵と相対した時友軍との連携がおざなりになるので単機で撃破できない時容易に撃墜されてしまうこと、エルピダの場合はフレンドリーファイアを恐れすぎるあまり攻撃頻度が激減するという事。
互いに互いの弱点がかみ合い過ぎていたために起きた今回の結果だという事だが…納得できるかなぁ二人とも…
「ぐぬぬ…お父さんに一泡吹かせられると思ったのに…」
「はっはっは!!そう簡単に俺から一本取れると思うなよ?」
モレッドはいいところまで行ったがゆえに納得しきれていないところがあるなぁ…まぁ反骨精神がダメとは言わないしむしろそれを糧に俺を超えるくらいの力量を持ってほしいと思うんだけどな?
「なんでエルピダはあそこで撃たなかったの!!」
「ひぅ!?だ…だって…あそこでうったらきすはおねちゃにあたっちゃう…」
「むむぅ…」
キスハは自分の攻撃するタイミングに合わせてエルピダが援護を送ってくれなかったことにご立腹のようだな、だがエルピダの言っていることの理解もちゃんとできているようでならどうすればよかったのか・自分ならどうすればエルピダから援護が貰えたのかを真剣に考えている様だな。
一方的にこっちの要求だけを押し付けるのではなく、相手からの意見を受けて自分が悪かったのかもしれないと思えるのはとても良い事だぞキスハ。エルピダはエルピダでキスハが車線に入らない位置に自分から移動して能動的な援護を送ればよかったのかもしれないと独り言のようにぶつぶつと言っているな。
これだけ考えられているんだからもう決めてしまってもいいのかもしれないなぁ…専用機の方向性を。
元々パッケージシステムは『AMRS単機であらゆる局面に対応できる万能機』を目指して第4世代に確立されたものだ、世代を追っていくとパッケージシステムは消失したりするんだが基本概念は変わらない。特化型を何個も作るより状況に応じて1機で対応できる方が総コストは安くなるからな。
だがそれはあくまでも軍クラスの大部隊を抱えている国などの考えであるだけで、傭兵…いや元ゲームプレイヤーである俺は違う考えだ。
俺の考えは『パッケージシステムは自分に合った戦闘スタイルを見つけ出す為に使うものであり、最終的には特化型の機体に乗り換えても構わない』だからな、だからこそモレッド達のAMRSのパッケージシステムはそれぞれが個々のスタイルには合わせている物の運用方法はかなり違うものにしていた。
唯一の例外はヴァレットのAll Worksくらいだろうか?あれは全部のせだからね、しかたないね。
だけどもそろそろいいころ合いでもあるだろう、モレッドもパイロットになって戦闘経験を積み始めてから1年は経っているしキスハとエルピダも短いとはいえ半年は戦闘経験を積んでいる。
そろそろ考えてもいいのかもしれないな、本当の専用機を渡すって言うのも。
ただなぁ…モレッドには機動防盾HERMESをあげたばっかりだし、キスハとエルピダもそう言うのを渡すってのにはまだ早いって気もするんだよ。こっそり建造してもいいんだけど結局テストするにはそれぞれに乗ってもらわないといけないわけだし、サプライズって言うにはいかんせんタイミングも悪すぎるしな。
それならばいっそのことパッケージシステムを外してしまって単一特化してしまったほうがいいような気もするな…そうするか…?いやでも…うん…いや!!そうしちゃおう!!
「さて!!反省点は見つかったか?」
「「「なんとなくは…?」」」
「んじゃあそれをもとにAMRSでの得意不得意を理解したな?自分に一番合っているパッケージもわかったと思うが…どうだ?」
「「「多分…?」」」
「そいつは重畳、なら今後はその得意を伸ばすようにして行こう。無理にパッケージを使い分けて器用貧乏になる必要も無いんだからな。」
「お父さんはそれでいいの?」
「いろいろ考えすぎなくていい?」
「えっと…とっかしちゃってもいいの?」
各々が思った事を俺に質問する、まぁそれも当然だよな。今までパッケージシステムを使う事で臨機応変に対応出来るよう仕組んできたというのに、突然それを捨てて自分の1番戦いやすいスタイルで行けなんて言われたらそうもなるだろ。
「あぁそれでいいんだ、パッケージシステムはあくまでも俺からすればお前達の得手不得手を確認する為のもので、得手が分かってしまいさえすれば別に無理に使わなくてもいいと思っていたからな。」
「...なら、パッケージの改修でもいいの?」
モレッドの一言に俺は歓喜する、そうだよ...そういう事を言って欲しかったんだ!!
「勿論だ、得意を見つけただけで満足じゃなくてそれを更に昇華させていくのはパイロットとしての高みに登るための必要条件だからな。何ならモルガンとマーリンは基本として武装ならモルゴースに、推進系ならオヴェロンに確認するといい。この際改修に必要なマテリアルなんかも気にすることは何もないぞ?外宇宙でしこたま採掘したしな。」
3人の目が輝き、すぐにでも確認を取りに行きたそうにウズウズしだしているのが手に取るようにわかる。
まぁ待て、まだだぞ?ステイステイ...
「但しだ...」
「「「( •̀ω•́ )」」」
「余りにも煩雑過ぎる改造をすれば、補給やメンテナンスにも時間がかかる。つまり継続戦闘に制限がかかるってことだ、となれば?すり合わせは誰に聞くべきかな?」
「「「ヴィヴィアン姉ちゃん!!」」」
「正解だ!!よし、なら3人は改修案を作って各自報告するように!!俺からは基本NOとは言わないから、ちゃんとモルガンとかに確認した上でやる事。いいな?」
「「「はーい!!」」」
ドタバタと一直線にブリッジに向かっていく3人、それと入れ違いになるようにヴィヴィアンとマーリンが入って来た。何となく言いたいことは分かるけどな?
『お父さん...いいの?』
『多分汎用性なんてかなりかなぐり捨てると思うけど?』
「それも承知の上さ、何も汎用性が無きゃダメなんて俺は思ってないぞ?それにお前達だって一定ラインの汎用性は取り入れるようにするだろ?」
『『そりゃもちろん』』
「なら問題ないだろ、今ん所はまだ戦争にもならなさそうだし...最悪戦争が勃発してもモレッド達なら慣らしをしなくてもすぐに対応するさ。」
楽観的と言われても仕方ないかもしれないが、俺はそれだけモレッド達の事を信用している。あの子達がわざわざまるで感触の違う物を作るとは思っていないし、そこまでの物をモルガン達が許可するとも思っていないからだ。
ぶっちゃけ汎用機ならギャラハッドだけでもいい、時にロマンは実用性を超えて重要視されるのだ。少なくとも、ギャラハッドを建造した俺はそう思っている。
ヴィヴィアンとマーリンも若干納得気味な表情をしているので、これも問題は無いだろう。
さてさて...どんな機体になるのか今から楽しみだ!!
モレ「負けたけど課題は見つけた!!( ò ω ó )」
キス「アタシはもっと攻めっ気?が必要かも(*´ `*)」
エル「うてるときにうつ...そんなきたいに...(*´・ω・)」
シイ「わたしたちもAMRSほしいね( ˶ ̇ ̵ ̇˶ )」
カン「ぱっぱゆるちてくれるかな(、´._. )、」




