艦体制作完了!!ハリボテとは言わせない!!byマーリン
「終わったー!!」
『全ブロックの敷設完了、お疲れ様でした。』
『アルビオン』の艦体成型用の型が遂に全て設置が完了した、モレッドの誕生日まであと2日に迫った時であります。
「マーリン、『アルバス』の準備は?」
『出来てるよ~、いつでも注入開始できる!!』
「OK!!早速始めちまおうか!!」
もうここまで来たら止まってなんていられねぇ!!というわけですぐにパッケージPercivalを装備して、人工素粒子『アルバス』の注入に取り掛かることにした。
「注入時の注意点は?」
『『アルバス』は生成後磁気フィールドから離れた後30分でその形になるからそれまでに全体にいきわたらせて、それといくら整形が簡単って言ってもあくまでそれは他の素粒子に比べてって程度だから。Percivalの出力は気圧換算で大体50TPaでお願い。』
「了解だ。」
磁気フィールド内にある『アルバス』は目で見える程度であり、小さくも無いが大きすぎもしない程度の大きさだ。
艦体を覆うアルバスの厚さは僅か1cmしかないのでこの程度の大きさで十分なのだとか。
そう言った体積の計算は俺には不可能なので割愛させてもらおう、それと「つなぎ目とかできるんでねぇの?」という質問もありそうなのでこれにもこたえておこう。
これは元々単一の物体である『アルバス』の特性とでもいうべきか、一度分かれても再度その成形時間中に繋がりさえすれば元通りに1つの物体としてふるまうんだとか。
つまり諸君の心配するようなつなぎ目なんてものは出来ず、本当につなぎ目の無い完璧な形になってしまうらしい。溶接などを行う技術者涙目だな。
「磁気フィールドからの取り出し予定時刻は?」
『今が〜…11:27分だから、時間制限もあるしフィールド発生器ごと動かして準備するから13:00からで!!』
「了解だ、しかし…もういいのか?マーリン。」
『充分休んだよ、内装とかは一気に済ませるから任しといて!!』
そう、マーリンはモルガンから貰った休養を放り投げて建造に復帰したのだ。
どうやら『休み過ぎてバカになっちゃいそう!!』との事、立派な仕事中毒になってしまって(泣)お父さん悲しい…その原因を作ったのも俺だけど…
----------------------------------------------------------------------------------
「ただいま~」
「「ぱっぱおかえり~!!」」
格納庫から居住ブロックに入ったところで出迎えたのはシイナとカンラだった、倒れて以降シイナとカンラは眼鏡を着用するようにしている。
これは視神経の損傷による視力の低下を補助するものではなくむしろ逆、より高次元の世界を遮断する機能を備えた眼鏡である。
これの開発にはエルピダの糸が大変役に立った、そもそもこの処置が必要と判断されたのはシイナとカンラが異様に「「目が疲れるの~」」と言ったことから始まる。
グィネヴィアの検査でも流石に高次元を観測できるということまではわからなかったので原因が何かわからなかったのだが、キスハの感応によって「何かアタシたちより良く物が見えてるみたい?」という言葉から始まり、エルピダが「もしかして…しいなちゃんかんらちゃんこんなのみえてる?」と言ったことから発覚。
もともと皇鋼蜘蛛のエルピダは高次元を観測できる目を有していて、普段はその観測できる目を意図的に閉じているので負荷こそかかっていないのだ。
そこから着想を得て、一時的にエルピダの吐き出した糸を使った眼帯で二人の目を覆うと負荷が無くなった。そのままでは周りが見えないので加工に加工を重ねた結果眼鏡としての作成が成功したわけだな。
なんで急に眼がここまでよくなったのか原因はわかっていないが、グィネヴィア曰く『筋肉の成長と似たようなものなのでしょうか…筋線維が断裂した後より強靭になるのと同じような…』とのことだ。俺達にはギンガカンスの生態はわかっていないのでこの辺は手探りになってしまうのは致し方あるまい。
「お姉ちゃんたちはどうした~?」
「「ねねたちはしみゅれーちょん!!ぐねびあねねにおこられそうになってあわててた!!」」
「そっかそっか、2人はこれからご飯か?」
「「そ~!!」」
「じゃあ一緒にいこうか。」
「「わ~い!!」」
そんなことを話しながら俺と二人は食堂に向かった、モレッド達はグィネヴィアの説教を免れていたようで安堵した表情で食事を運んでいるのを見て俺は思わず笑ったのだった。
----------------------------------------------------------------------------------
『それじゃあパパ、作業開始するよ。』
「いつでもいいぞ~。」
飯を食った後ギャラハッドにPercivalを装備して注入孔に向かうと、すぐそばにフィールド発生器もスタンバイしていた。すでにいつでも作業は開始できるようになっているというわけだな、まぁ制限時間付きの物だから少しでもロスは減らさんとならんってわけだ。
『フィールド発生器動作停止…人工素粒子『アルバス』解放!!パパ!!注入開始!!』
「おうよ!!」
漏斗状の注入孔に『アルバス』をPercivalで圧力をかけ始める、目に見えて圧力をかけている『アルバス』はその体積こそ減らしている物の本当に時間内に間に合うのか不安になってしまう。
しかし、こればかりは嫁と娘の計算を信じるしかないだろうな。俺にはそんな高度な計算なんてできないんだから。
一般的に鉱物を加工した装甲板の制作には「鍛造」と「鋳造」があるのはご存知だと思う、簡単に言えば鍛造の方はパーツ事に装甲板となる鉱物を鍛え上げて行き溶接などで形作る物で、鋳造と言うのは今回のアルビオンのように型に溶かした鉱物を流し込むものだ。詳細は省くが一般的に鋳造の方が装甲としての性能は低くなると言われている。
理由は流し込むと言う作業上どうしても溶かした鉱物が固まる際に内部に気泡が発生するのだ。
理由は液体として振舞っているためだし、大気圏内で行っているからなのだが大気圏外で行えば問題はないのだろう…多分…おそらく…きっと…
それに『アルバス』は単一の人口素粒子なのでそう言った空気が入り込む余地などないし、そう言ったものとは無縁だ。
「っと…マーリン、注入孔のどれくらいまで注ぎこんで調整すればいいんだ?」
『んーと…ギャラハッドのメインカメラとリンク…OK、型の内側って言ったらいい?のラインに合わせて。私が指示するから、その後にPercivalの出力を調整して。』
「OKだ。」
『3…2…1…そこっ!!』
マーリン指示によって定められたラインにピッタリに制御する、後は形状が確定するまで固定するだけか。
「形状固定まで残り何分だ?」
『あと2分ちょっとかな?』
「OKだ、その後の作業はあるか?」
『今のところは無しかな~、後は型の内側に入れたファクトリーで生産した内装を組み込むだけだから。』
「あいよ、内装設備の設置にはどれくらいかかる?」
『1日もあれば十分だよ。』
「了解だ。」
仕事が早くて大変結構、多分内装に関してはマーリンだけでなくヴィヴィアン達も担当するんだろう。
完成するまでは俺達生身組はのんびり待機するしかないな。
さてさて、完成した後の内見が楽しみだな!!
モレ「外観が出来てる!!(*‘∀‘)」
キス「アタシの伝えたイメージも入ってる!!(>_<)」
エル「やったね!!(*'ω'*)」




