汚物は消毒だァ!!
『マスター、無事の帰還お祝い申し上げます。』
「あぁ、こんなもんかと思ったくらいしかないけどな。」
アヴァロンに帰還して今居るのは格納庫だ、他に乗せてきた傭兵達はまだ戦線に居る。
一応モルガンが乗せてきた3機の位置と状況は確認しているから今はアンドロイド達も出てきているという訳だ。
ちなみに帰ってきたギャラハッドを見たヴィヴィアンは半泣きだった。『パパぁ……なんでギャラハッドこんなに傷だらけなんですかァ……(´;ω;`)』と表情豊かなヴィヴィアンを見て思わず頭を撫でながら「ご、ごめんな?アロンダイト最大出力で使ったからデブリとかに当たりまくっちゃってさ、今度から気を付けるから……」とあやし続けていたよ。
この後またベコベコにしちゃう予定だけど。
「モルガン、例の連中は?」
『YESマスター、現在アヴァロンから距離10km付近で疑似ステルスで潜伏しております。』
「まだ戦闘中だってのに暇な連中だな。」
『恐らく本来ならばセントミリオン側が圧勝する予定だったのでしょう、戦闘中のゴタゴタの中で我々を拿捕する予定だったのでは?技術を奪い取れば地位を約束する、そのような事を吹き込まれたための行動ではないかと具申します。』
「さすがモルガン、多分それだろうな。ならそろそろしかけてきそうな気がしてきたな。敵さんが撤退する時に一緒にアヴァロンとギャラハッドを持ってけばプラスになる。位には思っていそうだ。そもそも、俺とモルガンが居ない限りアヴァロンは自沈するんだけどな。」
『YESマスター、そのように設計されたマスターの慧眼には感服するばかりです。』
「よせやい、って事でまた出る準備するぞ。パッケージはガレスで行く。」
モルガンと別れ少しばかりの休憩を取った俺はギャラハッドのコックピットにまた乗り込む。
パッケージ『ガレス』、ガレスは伝説でもとある理由から殺害されている。詳しく話すと長くなるのだが、そこから着想を得て作ったこのパッケージは簡単に言えば死を偽装する。
機体が爆散する程では無いが胸部のコアブロックを残して他のパーツは再起不能になるレベルで破損する。
「え?じゃあやられたらどうにもならねぇじゃん、おわり?」まぁまぁそう気を焦んなさんな。
ガレスの真骨頂はここから、再起不能になるレベルとはほかの機体ではの話だ。パッケージガレスはギャラハッドの腕部ユニットを肩から背中に折り畳み空いた部分に専用の腕部ユニットが搭載される。脚部は流石に折りたたむスペースがないので外すけど。
ってな感じで一応ギャラハッドそのものにはあまり傷は付かないはずなのだ。
……さっきモルガンにガレスで行くって言ったのを聞いてたヴィヴィアンがこの世の終わりみたいな顔してたのは気が付かない振りをした。許せ……ヴィヴィアン……。
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「貴艦は規則違反による問題があると判断された、速やかにこちらの指示に従いたまえ。繰り返す、速やかに従いたまえ。」
「お断りです〜、規則違反ってなんですか?俺軍属でも無いし、傭兵ですよ?そんなもんにいちいち縛られるわけないじゃないっすか。あんたらアホか。」
やってきましたよ、奴らが。
全く身に覚えのない事でイチャモン付けられるもんだから俺もつい言い返してしまったぜ。
相手の額には青筋が浮かんでいたに違いない、ハハッ!!
あぁ、こっそりこの通信は例の司令に流してるよ。当然撃破していいってさ、誰が繋がってたのか分かっただけめっけもんだそうだ。
この後どうやってこいつ等を滅ぼすかって?
1回アヴァロン内に入れてしまって二度と帰れないようにして差し上げようかなと思ってね……ぐへへ、嫌だなぁ宇宙の何処にも身一つで生き残れる場所なんてある訳ないじゃないかぁ。
だからわざわざギャラハッドをボロボロにするガレスまで使うんだぜ?
修理代だって掛かるんだから向こうからも貰えるもんは貰わんとなぁ……って訳よ。
身代金とかは要求しないよ、だってコロニー側から既にデッドオアアライブじゃ無くて良いって許可得てるしね。
よって俺が貰うのは奴さん達の機体のみだ、ギャラハッドは如何せん目立つ。目立ち過ぎるのでなんとか誤魔化す方法として奴さんの物を使わせてもらう訳だ。
モルガンから『偽装の為に敵機体を鹵獲して頂きたい。』って連絡が入った時にはもうアロンダイト最大出力でパナした後だったのでこれも都合がいいのだ。
ガレスで破損したパーツの修繕?あぁ、あれは面白機構があるから気にしなさんな。何が面白なのかは後日のお楽しみってな。
ではでは、皆さんお楽しみ下さい。一夜限りの大サーカス、ギャラハッド爆散andアヴァロン航行システム全ダウンでございます。
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『では、手筈通りに。はい、全て終了しました。』
『母さま、侵入者は既に無力化及び処分が完了しています。アヴァロンのメインエンジン再起動までは後1時間ほどかかるとオヴェロンから連絡も入ってます。補機は既に稼働を開始しているので艦内システムは復旧済み、生命維持装置等の稼働に問題ありません。』
『良く出来ました、モルゴース。短時間ではありましたが私もアヴァロンの管理を離れるのは気分がいいものではありませんでした。あなたはこの後アヴァロン対空防御を任せます、頼みますよ。』
『了解しました、母さま。』
マスターの指示だから納得したと言うものの、あの様なクズ共に我らAIの長たるマスターの居城に踏み入れられるとは。「あいつらに俺が落とされたように見せ掛けっからよろしく。あと、モルガンはアイツらが全員又は8割が艦内に侵入するまでシステムを維持する事、侵入後は隔壁などを全てロックだ。頼むぞ。」とまで言われてしまっては私は何も反論などできるはずもありませんでした。
侵入者たる彼らは、マスターを落しアヴァロンを入手できると浮き足立っていたのでしょう。全機(12機)で乗り込んできました、それを確認した後カタパルトに続く隔壁やその他の区画に移動する隔壁を全てロックし、真面目なのか駐機モードにしてくれたAMRSは全て作業用アームで固定させて頂きました。
出撃も出来ず攻撃も出来ず、ただ格納庫に閉じ込められた彼等は滑稽という他ありませんでしたよ。
その後どうなったかって?……フフフ、嫌ですねぇそんな私がアヴァロンの中で虐殺なんてする訳ないじゃないですか。
救難信号無しで宇宙遊泳の旅にご招待した程度ですよ?何やら連中で一番偉そうな輩が喚いていましたが知ったことではありませんね。
さて、後はマスターとギャラハッドを回収して終了ですね。
ヴィヴィアン行きますよ……?ヴィヴィアンどうしたのです?ギャラハッドが爆散した?何を言っているのです、ガレスなのですから当然でしょう。ほら、行きますよ。
ヴィ「ギャラハッドがぁ……ギャラハッドがぁ!!(´;ω;`)」
グィ「ヴィヴィアン……泣き過ぎですよ?(´-ω-`)」
モゴ「珍しくパパが被弾してたからね〜、まぁ作戦だったから仕方ないんだろうけどさ……スラスター周りまで……だと……orz」
オヴ「あいつらアヴァロンのエンジンまで狙って来てたからね( ゜д゜)」
マー「ファクトリーは無事だったよ!!ヾ(*>∀<)ノ゛」




