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人工知能達と行く宇宙傭兵生活   作者: フタバ
拝啓 HELLO!!New World!!
12/443

ACE combatみを感じた。

 母艦を沈めた後の俺はそれはそれは活躍しています。

 他のメンツが1機のAMRSを落とす間に1個小隊を潰してるペースだからな、俺の周りだけ明らかに空白が出来上がっている。

 接近戦は駄目だと気が付いた相手は遠距離からミサイルやらライフル狙撃やらでちょっかいをかけてくる訳だが、そんなものが俺に当たるはずもなく。

 俺をロックしてきたミサイルを逆に敵の艦船に押し付けて被弾させたり、狙撃にはノールック回避してみたり曲芸運動でロックできないようにしたりと遊んでたよ。


「しっかし、他のメンツはなかなか艦を落とさないな。俺が食っちゃって良いのかな?」


 それなりに余裕が出てきたと思うのだがなかなか落としに行かない傭兵達を見て俺は呟いてしまう。

 実際俺はここに来るまで敵母艦1隻を沈めた後はAMRSを2個中隊分位落としている訳だがそれでもなかなか傭兵達は母艦を落とさないのだ。

 補給を断ち戦線復帰を阻止すると言う点で母艦を最優先で落とすのはセオリーだと思うのだがどうしてだろう?


『マスター、それはマスターだけの理論です。』

「モルガン!?なんで俺の考えがわかった?」

『マスターならそう考えていそうだなと推測した迄です。』

「流石だなぁ……んで、モルガンはこの戦況をどう推理する?」

『YESマスター、傭兵達は護衛のAMRSを排除した後敵艦を拿捕、売り捌くまたは自身の保有する母艦として利用したいのかと思われます。実際にこの戦線に参加している傭兵達の母艦も似たような戦場で拿捕した船を可能な限りオートメーション化し、単独での利用が出来るよう改造した物が多い様です。』

「使い勝手悪そうだなそれ。」

『実際面倒の様です、多数の人員を配置し運用することが前提の軍用艦ですからね。』

「だよなぁ、じゃあ俺は母艦を潰すのはやめて戦艦と巡洋艦狙いで行きますかねぇ。」

『お気を付けて、マスター。』


 敵陣中腹から後方辺りに陣取る巡洋艦と戦艦目掛けて俺は飛ぶ事に、軍用の巡洋艦クラスの艦砲ともなればそれなりに威力がある訳でギャラハッドも当たれば装甲が砕けるかもしれないし俺はコックピット内でシェイクされて肉団子になる可能性もある。

 って事で一旦スキャンをする為にモルガンに連絡して拡張パッケージを射出して貰ったんだなこれが。

 パッケージランスロットの拡張パーツ「コンプラーレアーマー(偽装甲冑)」です。

 簡単に言えば敵の識別コードを偽装して味方に見える様にするって事なんだよな。

 ただこれ、味方にも敵識別されるから使い所が難しい。

 アヴァロンに戻る時とか勘違いされて攻撃されるのが目に見えてるからね。

 だから、この装備は使い捨てになる。

 作戦終了後はパージして内蔵された自壊機構で回収もさせない様にしている。


「さぁて、これで少なくともレーダー上では味方識別されるから誤射は減るよな。目視されたら終わりだから手早く行くしかないけど。」


 一応の対策という事で、火砲の向かない敵艦下方向から接近する。

 怪しまれるのは仕方ないけどね、これしか目視されない方法がないんだもの仕方がない。

 ここに居るのは戦艦2隻に巡洋艦8隻母艦1隻だな。

 んー、どうやって落とそうか。簡単なのはアロンダイトの最大火力砲撃をど真ん中にぶち込むこと、ただこれをやってしまうとアロンダイトは強制冷却に入ってしまうので戦闘自体行う事が厳しくなってしまう。

 面倒なのはバカ正直に1艦ずつブリッジを潰してエンジンをぶち抜く事、これは時間がかかりすぎる。

 あともうひとつ、アヴァロンの艦砲による殲滅。モルガンの未来予測と精密砲撃で間違いなく秒で殲滅は完了する、でもやったらこれはコロニー側、と言うよりエクセリオンという国から面倒臭い要求が来るだろう。


「まぁ、考えても仕方ないしアロンダイトで吹っ飛ばすか。」


 楽なのは大事、先手必勝見敵必殺一撃必殺の考えで行く事にしよう。


「アロンダイト最大出力モード稼働開始」


 システム音声が『Aroundight OverDrive Sequense start』と告げると、アロンダイトの刀身が縦に割れて銃身周りを回転し出す。

 次第にその周りを紫電が走り出しバチバチと聞こえる位に大きくなる。勿論宇宙空間のため音は聞こえないのだが。

 モニターが『standby』を表示しているのを見守り『ready Go』になった瞬間にトリガーを引く。

「グォン!!」と唸るように発射された弾は艦隊中央付近で炸裂した。

 光を発する事はなく、ただ黒い点が発生し全てを飲み込んでいく。

 アロンダイト最大出力は極小のブラックホールを発生させるのだ。

 重力半径内に居た敵艦隊は悉くが粉砕され飲み込まれていく、通信は阿鼻叫喚の大荒れ状態だった。「どうなってる!?」「何故こんなことが!!」「嫌だァァァァァ!!」等などブラックホールで電波すら届かなくなるまで聞こえていた。

 数分後、飲み込む質量が無くなり蒸発したブラックホールを見届けてからエッセラムだかエッセモノだか言う司令に通信を入れる。


「敵艦隊の凡そ半分の撃沈に成功しました、俺のAMRSは稼働限界が近づいているため帰投します。」

「了解した、撃沈については此方でも確認している。どう言った方法で撃沈したかまでは今は確認しないが是非聞きたいものだな。」

「もし機会が有るならば教えましょう。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「モルガン、こっちはだいたい終わったから帰投する。司令からも許可を得たからな。」

『YESマスター、帰投後の予定は?』

「とりあえず待機かな、多分あれらがやってくるだろうけどな〜。」

『例の件ですか?』

「あぁ、戦闘中ひっきりなしにこっちをスキャンしてきたからな。ヴィヴィアンには簡単なメンテだけ頼んですぐにでも出撃出来るようにしておくよう伝えてくれ。あと、アロンダイト最大出力で使ったからそれもよろしく。」

『YESマスター、ヴィヴィアンにとっては悲しい出来事ですね。』

「そうなの?」

『はい、ヴィヴィアンはギャラハッドの整備を行っていますが傷が付くとそれはそれは悲しいようで、義体が出来る前から「そんなぁ……」とよく訴えて来ていましたから。』

「……偽装甲冑付けてたけどギャラハッド自体にも結構傷入れちった。」

『是非ヴィヴィアンには言葉をかけていただくのがよろしいかと。』

「そうするよ。」


 大捕物をした後だと言うのに少しテンションが下がったまま俺はアヴァロンに帰投した。

 この後にまた訪れるであろう味方の振りをした敵を撃滅する為に。


ヴィ「うわぁーん、ギャラハッドが傷まみれにぃ(´;ω;`)」


グィ「装甲に薄く引っ掻き傷が出来ただけでしょう?( 一一)」


モゴ「ヴィヴィアンは毎回パパが出撃の度に綺麗に磨いてるからね〜( ゜Д゜)」


オヴ「私もギャラハッドの推進系は弄るけどブローとかしてたら泣くね( ´・ω・`)」


マー「次回はロクデナシ達の処分回だよ〜(。・ω・)ノ゛」

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