本業やらなきゃね……
羞恥心を思い切り刺激されしばらく悶え打っていた俺だがようやく回復しました。
心なしかアンドロイド達が優しい目をしてくれているよやったね!!これ以上俺の羞恥心を刺激しないでくれ!!
『ところでマスター、傭兵組合から依頼が届いております。』
「なぬ、依頼ですと?」
『はい、単純に言えば徴兵の様ですが。』
「あん?て事は戦争もすんのか?」
『恐らくは。調べた所、隣国にあたる「セントミリオン」とやらが宣戦布告して来たようですね。』
「ふーん、この国戦力は保有してないんか?」
『いいえ、保有はしているようですがどうやら隣国と癒着があった様です。よって傭兵組合に依頼として届いたとの事のようですね。』
「面倒だなぁ、って事は下手したら後ろから撃たれるって事じゃん。」
『YESマスター、その場合は撃墜も許可、また撃墜に応じて臨時報酬も出すとの事です。』
「つまり依頼した国も病巣は取り除いておきたいって事か。」
『恐らくは』
報酬がウハウハになりそうなら受けてもいいかなぁと思うし実際なりそうだな。ただこういった依頼の場合多分だけどあれが発生するよなぁ……
「モルガン、もしかしてだけどアレ……なる?」
『YESマスター、母艦持ちは母艦を保有していない傭兵に対して一時的に拠点を貸し出す様指示が出ています。』
「やっぱりかぁ……ダルいなぁ……」
傭兵組合に所属している傭兵達は母艦を持っているのと持っていないものに分かれる。持っていないヤツらは長距離移動とかどうしてんの?って話だが、その場合は護衛任務とかを受けた時にその護衛艦にくっついていくそうだ。要するに間借りしている訳だな。んで、何が嫌かって話だけど、当然傭兵には野郎が多い訳だ。うちのアヴァロンはアンドロイドと俺しか居ない訳だがアンドロイド達は全て女性型になっている。もう言わなくてもわかるね?そういうバカが絶対居るんだよ。護衛とかは仕事の都合上大人しくしているわけだけどこんな仕事の時は生きるか死ぬかの瀬戸際になったりして滾っちまうんだろうな。そんな問題が多々起きやすい。俺は経験したことないけど傭兵組合の契約に行った時にそんな説明も受けた。勿論被害届を出すことも出来るし自衛のために相手を害する事も許可されてるらしいけどさ。
『マスター、我々はアンドロイドです。』
「わかってるよ、でもそれは別としてお前達は家族だ。変に手を出されるのは気に食わねぇ。」
『ではこうしましょう。アンドロイドでは無く作業ボット達に対応させます。居住ブロックは如何しますか?』
「野郎共なら基本は貸し出したくねぇなぁ。あいつら汚ぇし。」
『承知しました、ではその様に。』
「たのむ」
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んで、結局仕事は受けましたよ。今はブリーフィングタイムです。傭兵組合にここに行け〜って言われたのでコロニー内の軍務部に来ております。
やっぱり金かかってますわ。ただ無駄に装飾がこってるとかそんな訳ではなくて必要な物、防衛費とかに全振りちゃんとしてるって感じだね。
保有機とか多少の装甲の凹みとかはあるけどコンディションは最高を維持してる感じがする。
エルメロイコロニー群が国境に1番近い宙域だってのもあんのかな、モルガンから事前に聞いていたこの世界の機体世代で言えば最新に近い。ま、俺のギャラハッドには全く及ばんがな!!ガッハッハッ!!
『これよりブリーフィングを開始する。私はエルメロイコロニー郡駐留軍のエッセラム大尉である。今回の招集に応えてくれた傭兵諸君にはまず感謝を述べたい。』
ほほぉ、傭兵如きにちゃんと感謝と頭を下げてくれるとはなかなか良い人じゃないか。これは少し本気を出してあげようかな?
『さて、状況についてだがまずセントミリオンからの宣戦布告についてだ。以前よりエルメロイコロニー群宙域にはレアマテリアルが多く存在し、かの国は不法に採掘を行って来ていた。不法採掘艦についてはこちらの軍部でも拿捕及び撃沈していたのだがついに向こう側も焦れてしまったようでな。「その宙域で我が国の採掘艦が不当に撃沈されているのは見逃すことが出来ない、直ちにその宙域を明け渡すか賠償を要求する」との事だ。当然こちらもそのような事を飲むはずも無い。既にセントミリオン側はAMRS母艦4隻、戦艦4隻、巡洋艦16隻の艦隊を出動しているとの報告もある。こちらの戦域に到着、開戦までは恐らく3日程だろう。我々軍部もコロニー防衛機を可能な限り出動させはするが数が足りん。よって君たちの出番だ。君達はAMRSをもって敵艦隊及びAMRS群を可能な限り撃墜もしくは撃退して欲しい。勿論、撃破ボーナスは用意しよう。母艦は400,000メル、戦艦なら250,000メル、巡洋艦は100,000メルを1隻につき支払う事を約束する。なにか質問はあるかね?』
敵艦の撃沈ボーナスまであるならやる気は駄々上がりだな。俺以外の傭兵達もやる気を漲らせて目がギラギラしてるし。
「あぁー、すいません一つ質問あるんですけど」
『む?なにかね?』
「今回の戦い、母艦持ちはキャリアーとしても動くって話ですけど俺の船色々問題あってそんなに載せられないんすよね。」
『ふむ、君は確かソラ君だったな。何機まで搭載出来る?』
「一応12機位まで行けますけど、俺の機体とかあるし何より整備が出来ないんすよ。オートメーション化はしてありますけどなにせ他の人たちが使ってる機体と互換性ないんで。なんで多分載せられんの3機ぐらいじゃないですかね?」
互換性が無いと言うのは事実だ、でも3機までってのはウソ。
載せようと思えば格納デッキに俺の機体含めて12機入れても問題は無い。なんで乗せたくないかは俺のギャラハッドの換装システムとかアンドロイド達を見られたくないから。
『なるほど、互換性が無いというのは問題だな。しかし、オートメーション化されていたり12機も搭載出来る母艦とはなかなかではないか。よかろう、ソラ君の母艦には後程こちらが指定した傭兵達を載せていただく。その他の母艦持ちにも振り分けるのでよろしく頼む。他になにか質問はあるか?』
会議室内で質問は上がらなかったので解散になった。
これで不用意に俺の艦に出入りする奴らは減るし問題も減る、ガハハ!!勝ったな!!
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んで、現時刻を持って俺達傭兵はエルメロイコロニーを出発。作戦宙域に移動し、目的地には2日後に到着予定だ。それ迄は艦内で自由行動を取るか機体のシミュレーション機能を使って自主トレするか、もしくは模擬戦するか位しかないかな〜。
俺は今アヴァロンのブリッジにいるよ?乗ってきた他の傭兵に変にイチャモン付けられたくないし。あぁ、乗ってきた傭兵達の説明でもしておこう。
まず1人目エドガー、乗ってるAMRSは第3世代の重武装型チェンタウリだな。敵からの攻撃を正面装甲で弾いて両肩にマウントされた重プラズマキャノンで粉砕するってコンセプトだ。傭兵歴7年の中堅傭兵らしい。
2人目ザザンダ、乗ってるのは第3世代の強襲型クノッヘン。この機体は脚部ユニットと背部に搭載された大推力スラスターでの一撃離脱を主目的とした機体だ。傭兵歴4年で中堅に足を突っ込んだあたり。
最後の3人目サニー、乗ってんのは第4世代の換装式ガルム。第4世代らしい換装システムを持っているがあのパッケージは初めて見た。要するに全部乗せだったんだよ、アレ機体バランス劣悪だろうな〜。傭兵歴2年のまだまだルーキー、なんで最新式の機体乗れてんの?とも思ったけど触れないでおこう、やぶ蛇はごめんだ。
敵のセントミリオンの主力は第3世代の傑作機サム。豊富な稼働時間、柔軟なソフトウェアを利用した武装の選択範囲の広さ、十分なセンサー有効範囲、整備性の高さと軍が欲しかったものを殆ど盛り込んでいる。
まぁ、俺のギャラハッドはぶっちぎりの性能だがな。多分第7世代位まで進歩してくれないとまず機体にダメージが通らないだろうし。センサー有効範囲も稼働時間も武装も圧倒的ではないか!我が軍は!!状態だ。ただ、整備性だけは絶対に敵わない。なんせワンオフ機だからな、オーバースペックにフルチューンなんてしたら普通に使えない機体にしかならない。だから機密保持は大事だし盗まれないようにプロテクトもかかってる、そもそもコクピットに俺以外はモルガンしか入れないからな。
『マスター、現在アヴァロンに搭乗している傭兵3名ですが目立った問題は起こしていません。』
「まぁそうだろな、ここで問題起こして叩き出されたら補給無しでコロニーまで戻るのも一苦労だ。」
『YESマスター、しかし一つだけ問題が起こっております。』
「ん?何があった?」
『はい、居住ブロック内での生活が豪華過ぎるとの事です。傭兵にとってこのアヴァロンの生活水準は常軌を逸している様です。』
「ふぅーん、まぁそんくらいならいいんでね?俺はこれに慣れたし、向こうにも慣れろとまでは言わないけどな。」
豪華ホテル並の室内に良質な食事、機体整備までこっちで持ってるとなれば向こうも混乱するか。不満というかどっちかって言うと不安だろうしな、ふはは!!存分に羨ましがるがいい!!これが俺のアヴァロンでそれを手懸けたアンドロイド達の力よ!!
あ、もちろんアンドロイド達は遭遇させてません。モルガンも含めてAIで自動化してるって説明はしてるけど。可能な限り俺はモルガン達を隠すよ、だって見つけられたら明らかにめんどくさくなるからね。
ちなみに傭兵達がアヴァロンを降りて別の艦で生活した時はやっぱり現実的に有り得ねぇよなあの艦。ってなったらしい。
ヴィ『はいはい、始まりました。これからは私達アンドロイドがおさらい?していきます。』
グィ『私達今回の出番はありませんでしたね。せっかくここに出れたのに…』
モゴ『私の名前表記おかしくない?』
オヴ『ママと被るからでしょ?』
マー『まぁいいんじゃないのー?』
ヴィ『はいはい、とりあえず今回は私達の手掛けた居住ブロックが好評でしたね。』
グィ『お食事も満足いただけたみたいです。』
モゴ『私はよく分かんないや、エンジンみてくる。』
オヴ『あれま、モルゴース行っちゃったよ。』
マー『とりあえず、次回からよろしくね〜』




