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デジャヴ


サッ!!



カーテンが開く音がする


眩しくて寝返りをうつリコ


「…ん」


「おい、いつまで寝ている」


クロードの声


………



ガバッとリコが起きた


「ほう、今日は随分と目覚めがいいな」


クロードの綺麗な顔が意地悪く笑う



――朝からそんな胸のところ開いた服着た美形は刺激が強い…

それに、昨日の朝散々酷い目にあったからアンタの声で体が怯えて目が一気に覚めたんだよ




はぁーとため息をついてベッドから出るリコ

クロードは裾の長いアラブの衣装のような服に縦に深く前が開いていて左胸の従者の契りで入ったタトゥーがチラリと見えた




――首のアクセサリーも金ピカで朝から眩しいわ…

もっと静かな落ち着いた朝を迎えたい…




「姫様おはようございます、湯浴みの準備させていただきます」


離れたところにいつのまにか待機してる侍女達がペコリと頭を下げる


「おはようございます…やっぱ毎朝入るのね…」


リコはペコっと頭を下げて小さい声で呟いた


「てか、クロードは毎朝起こしにくるわけ!?」


――昨日は起こしにくる以外一切顔見せなかったけど、一応アタシの執事らしい。

ほぼ使用人の人達が周りの事はやってくれたから正直いなくてもなんとかなる


「お前が起きないから部屋の外でいつも侍女達が待っている」


「えっ…そうなの…」


驚くリコ


「侍女達はお前の許しなしで部屋には入れないからな、俺がわざわざ来てやってるんだろうが」


フンと腕を組んで言うクロード


「クロードは入っていいわけ!?」


「俺はお前の執事だからな、許されている」


「どうゆう基準よ…」


少し呆れて言うリコ


「お前より身分が上か同等な者、世話を任されている執事、お前の護衛を任されている奴は基本は入る事ができる、それ以外の者は許可なしでドアを開ける事は許されない」


「へぇーなんか、お城っぽーい」


リコが椅子に座る


「お前が住んでいるのは城だ、嫁候補といってもこの国の姫に選ばれている、いい加減王族として自覚しろ」


クロードはベッドのシーツを引き剥がしていた


――あ、ちょっと執事ぽい事してる…やっぱり一応執事なのね



「ねぇ、これからは違う人に起こしに来てもらいたいんだけど」


リコがテーブルに肘をついて言う


「随分と生意気な事を言う、王に仕えて忙しい俺がわざわざ来てやっているのに」


「昨日、朝からあんな暴れてトラウマになってるの、だからアンタの声聞くだけで体が飛び起きるの!だから毎朝アンタが来たら心臓に悪いってこと!」


「そうか、馬鹿は単純で扱いやすくて助かる」


作業していたクロードが少し振り向き後ろにいるリコを見て馬鹿にしたように言った



――カッチーーーン!!また朝から随分とイライラさせてくれるじゃないの…



リコはムカついて



ゴスっ



クロードの背後から背中を右ストレートでパンチした


本気でパンチしたい気持ちだったが流石に痛いと思って程々の力にした



「アンタそんな良い体格なのに、お姫様に背後取られてちゃ誰も守れなくない?その筋肉は見せ物の筋肉ですか?」


ぷぷー!と馬鹿にしたように言うリコ



「ほう…そんなに俺に湯浴みをして欲しいなら素直に言えばいいものを…」


イラっとしたクロードが黒い笑みを浮かべてリコを見た



「湯浴み…?ち!!違う!!」


リコの体が危機を察知して背を向けて逃げ出そうしたところを…



ガシッ



腕を掴まれてそのまま抱き上げられた


「ねぇ!!これ禁止にしてよ!!捕まったら何も抵抗できないし!反則じゃん!!///」


クロードの肩でジタバタして言うリコ

リコの膝のところにがっしりしたクロードの腕が周り腰もホールドされ身動きが取れない


――そ、それに!コイツは全然気にしてないけど、アタシはこんな密着すんの恥ずかしいんだよ!!///



「捕まるお前が悪いし、何よりお前は頭が悪い」


そのままお風呂がある部屋に向かうクロード


「はぁ!?頭が悪いは関係無いじゃん!!」


「俺に勝てるわけないのに生意気な口をきいて、学習能力が低い、頭が悪い、馬鹿だ」


「随分と好き勝手言ってくれるじゃないの…」


リコがイラっとして言う



お風呂場のドアが開けられた


「けどこれでどうだ!!!」


リコはクロードの首に両腕を回してぎゅーっと力強く抱きつく


「何をしている」


クロードが少し驚きリコを見る

リコは顔を真っ赤にしてギュッと目を瞑りしがみついていた


その顔を見たクロードの口元が少し緩んだ



「アタシがお風呂場に降りなきゃ何にもできないでしょ!!///だったら降りなきゃいいの!離して欲しければ観念しなさい!///今日一日中アタシを首に巻いて仕事する羽目になるよ!///」


一生懸命力を入れてしがみつくリコ


――また頭悪いと思われるけど、反撃がこれしか思いつかなかった!!///けどアタシを連れて仕事なんて嫌なはず!!


すると…



ガチャッ


お風呂の準備をしていた侍女達が浴室から出てきた



「すまないなお前達、姫は随分俺に甘えたいらしく離してくれない、俺が替わりに湯浴みをしよう」


クロードが優しい声で言う



「まぁ…///そうなのですね…///」


侍女達が口元に手を当てて顔を赤らめる


初めて見たクロードの優しい表情にときめいたのもあったが、姫様が甘えるという可愛らしい一面もあるのだと色々混ざってそこにいた侍女4人とも顔を赤くした


――えっ!!///待って待って待って!!全然違うんだけど!!///コイツ!面白がりやがって!!!///

けど、今のうちに!!


リコはパッと腕を離して少し油断して緩んでいたクロードの腕からすり抜けた




バタンっ!カチッ


そのまま急いで浴室に入りドアを思い切り閉めて鍵まで閉めた



「逃げ足だけは早いな、まるで猿のような動きだ」


笑いを堪えているクロード


「うるさい!!///聞こえてんだよ!さっさと仕事に行けー!!///」


リコが浴室で叫んだ





「また、朝から酷い目にあった…」


リコは湯船に浸かりながら呟く


あの後、クロードはいなくなり

今は侍女達にお風呂に入れられていた


「姫様が羨ましいです…アスファ様に甘えるのを唯一許されている存在です…///」


湯船に浸かるリコの髪を洗いながらうっとりして頬を赤くする侍女


「ちょっと!///あれは違う!!昨日も言ってたけどあんな男のどこがいいの!」


リコは昨日と同じ人が頭を洗ってくれてる事に気づく


他の侍女達は全員昨日と違った


「そういえば名前…なんて言うの?」


リコが髪を洗う侍女に言う


「名前を聞いていただけるなんて嬉しいです!!アンとお呼び下さい!」


「えっ、そんな喜んでもらえることなの…?」


「はい!!侍女は基本的に自分から名乗ることはできません。」


「そ、そんな厳しいんだ…けど、アンはずっとアタシのお世話してくれてるよね?」


「はい!私は姫様の担当筆頭侍女です!」


「な、なるほど…」


――姫には担当の侍女が1人いて、その侍女が筆頭に入れ替えで、その日のメンバーを動かしてるのね


アンは赤茶色の髪をおさげにして、深いグリーンの瞳をして可愛い顔してる…けど、絶対アタシより歳下だ…若いもん。アタシ23歳って…そういうばこういう宮殿は18歳とかの若くて可愛い姫が多いじゃないの…



もんもんと考え込んでいると


「なので何かあればすぐ私に言ってくださいね!姫様!!」


ニッコリ笑うアン


「うん!!ありがとうアン、これからもよろしくお願いします。」


ペコっと頭を下げると


「姫様!!侍女に頭を下げるなんて!ダメです!!」


慌てふためいた



お風呂から上がって華やかな柄が入ったアラブ風の濃い紫のドレスに着替えさせられている


――今日も派手ね…金色の刺繍が眩しい…



「そういえばアン、ヘソ出しの衣装とかは着せないのね」


――アラビアンといえば、あの露出の多い衣装が印象的なのにそれは着せられた事ない



「踊り子の衣装の事ですか?あれは舞う時や、遊宴の時だけですよ」


「さすがお城!やっぱりあるのかパーティー的なの」


「もちろんです!皆、王様が開くに遊宴に参加したいと貴族達は必死なのですよ」


――さすが…異世界…貴族とかあるのね…てか遊宴って…一応アタシも姫だし参加する事になるのかな…


身支度を終えるとアンと侍女達が居なくなりまた今日勉強を教えてくれる先生を呼びに行ったのかと思ったら…



ガチャ



「…いくらアタシの許可なしで入れるからって普通ノックぐらいするでしょ!?」


いきなり堂々と入って来たクロードに怒るリコ


「そんなもの必要あるか?」


平然と答えるクロード


「あるわボケ!!!」


「お前と話している暇はない、王がお呼びだ」


「えっ、王様が…?」



クロードに連れられて王様の元へ向かった





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