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芽生え#1

……

狭い…

突然として目が覚める実。

まずは状況確認から始める。

目は…機能しない。

手は…かろうじて動くが細かい動きは到底無理。足も同様のようだ。

では口は…無理だ。ひらく事は可能だか、喋る事は不可能。


自分の置かれている状況が把握できずにいた実だが答えはすぐに出た。


『おーい!』


(ん?なんだ?)


『おーい!』


(返事できえよ!誰だ?)


『おーい!』


(こいつしつこいな)


『会えるまであと2ヶ月だな!お父さん楽しみだ!』


(お父さん…親父!?久しぶりに声聞いたから誰だかわかんなかったわ)


(じゃあつまりここはあのババアの腹の中って事か)


『おーい!おーい!おーい!』


(親父…俺が10歳の時に交通事故で死んでからだから大体20年振りなんだよな。こんな声だっけ)


『おーい!おーい!おーい!おーい!』


(いやうるせえよ!オラッ!)


『痛い!今までで一番強く蹴ったわよ!元気な証拠だね!』

『お父さんの声が届いてるのね』


これは母親の声だ。

そう確かに届いている。

ここで実は何点か確実な事実を把握する。


まず1つ聴力は通常通り。


次に脳。

まだ産まれてもない赤ちゃんが人の言葉を理解するのは到底無理だろう。ここは人生2週目のアドバンテージといったところか。


そして最も大切な記憶。

父親が交通事故で死んだということ。

母親の声だとすぐに認識できたこと。


何より実自信がこの状況が2週目だとしっかり認識できている事から見ても記憶は確かに残っていることは明らかであった。

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