後篇
……と云う事で、面倒な描写はすっ飛ばして此処は職場。ちょっと遅れてしまったが、無事に辿り着いた。高畑さんも驚きのテレポーテーションだ。
「あれ? 先輩、今日は遅刻ですか?」
「黙れ羽虫がァ!!」
ふん、愚民が。俺の切ない事情も知らずに。
「はぁ……すみません」
俺の仕事は大変重要な役割を担う。
この無機質な鉄の塊の上にあるベルトコンベアーから流れてくる【海の者達をその手で切り裂いた結末(お刺し身)】に、【全ての悲しみを照らす一輪の微笑み(たんぽぽ)】を【可憐でありつつ力強い我が神の手(手)】により、乗せてやるのだ。
これにより、この海の者達(略)に命を宿らせる。
さあ、ショータイムだ!!
黙々と仕事をこなす。そう、この時だけは俺と云う世界にとってかけがえのない存在は社会の歯車と化してやるのだ。ありがたく思え!
そうこうしていると、愛のメモリー(腹)が唸る。
『ぐぎぎぎぎぐるるるびょごごご』
まさか……これは……コルクにより封じた忌まわしき悪魔が腹の中で膨張して、大魔王へと遂げているのでは。
「あの先輩、顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
「言葉は無粋!! 押し通れ!!」
「え、え、何を言ってるんですか!?」
オラ、我慢の限界だ。
「とっくにご存知なんだろ!? 俺は屁を倒す為にコルクで塞いだ……穏やかな心を持ちながら激しい腹痛によって目覚めた伝説の戦士……超サイヤ人、俺だぁぁぁ!!!!!!!!」
「な、なんすかサイヤ人って!?」
シャバドゥビタッチヘーンシーン!!
プープープープー!!
俺のズボンを突き破り、ロマネの芳醇な香りと大魔王と化した屁の香りと共に、コルクが弾け飛んだ。
「せ、先輩!? ぎゃあ!!」
『ぷぷぷぷぷぷぷぷぷぉぉぉーん!!』
職場が異臭で支配される。後輩を始めとした職場の方々が、ぶくぶくと泡を吹いて倒れていく。
『ぷぷぷぷぷ!! はとぷっぷー!!』
弾け飛んだコルクは室内の彼方此方にぶつかり、跳ね返り、縦横無尽に駆け巡る。そして、その牙はベルトコンベアーを狙う。
――と云う訳で、クビになった。
コルクにより破壊された機械を弁償する事になり、莫大な借金を背負ってしまった。
『ぷ』
勿論、屁も止まらん。
『ぷ』
もうダメだ。諦めよう。ぷぷ。
俺は、尻から飛び出し続ける屁に押されるが如く、無機質なビルの屋上へと辿り着いた。ぷ。
此処から落ちよう。終えよう。ぷぷ。
すると、其処には見るからに不幸そうな男が佇んでいた。そして、手渡される……スイッぷ。
本当にすみませんでした。




