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GRIMOIRE ONLINE  作者: 七氏
第一章 静かに過ごしたいβテスト
12/19

番外編 サブマスターの回想

番外編です。

次回からまた本編にもどります。


PVばっかり見てて気づきませんでしたが、ブックマークも160超えてましたね!:(´◦ω◦`):


ありがとうございます。m(*_ _)m

 GRIMOIRE ONLINEのβテスト開始初日。

 掲示板を見て久しぶりに声を出して笑った。

 全く、うちのギルドマスターは一体何をやってるのか…。


呆れると同時に、そう言えばアイツはこんなやつだったなー、と思い出す。

アイツとの出会いはとあるゲームの中だった。


 まだ幻想戦記がサービス終了する前、ユーザー人数が全盛期だった時代。

 PKギルドとの抗争の真っ最中、はぐれた相手メンバーに奇襲で殲滅しようとしていたら突然乱入してきた少女。


 こちらのメンバーの半数以上を単独でkillした挙句生き残ったメンバーもかなりの被害を被った。

 次に会ったのは街中だった。

 非戦闘地域だったからすぐに交戦には至らなかったが、一触即発だったのは間違いない。


 全く話にならず顔を合わせれば交戦をなんとか繰り返した時にやっとまともな話し合いになった。


「で、アンタはPKギルドとはなんにも関係ないわけだな?」


「えぇ、こちらも話を聞かずに申し訳なかったわ。」


(いや、絶対悪いと思ってないだろ…)


「そうか、わかってもらえて何よりだ。」


 なんて会話の後、アイツがどのギルドにも所属してないことを聞き、戦力になると思って先走った数人が結構強引な勧誘の果に入団の言質を勝ち取ってきた。


 全く、何をやってるんだとは思ったものの、アイツのプレイヤースキルは常軌を逸していると言っても過言じゃなかった。


 最軽量の防具に速度上昇オプション、一撃離脱でタゲ固定、アイツがまともに攻撃を食らったところを見たことなんてほとんど無かった。


 特にサービス終了が噂され始めたインフレ時代にはその傾向が顕著だった。

 速度と攻撃力至上主義のヘビーユーザーにランキング上位は独占され、有名プレイヤーは街を歩けば決闘を申し込まれていた。


 アイツもその一人。

 アイツがギルド加入してから暫くして前任のギルドマスターが引退した。

 その時に既にランキング常連だったアイツがギルドマスターを引き継いだ。


 結構大手のギルドだった事もあり、あっという間に話は広がり、アイツの性格もあってPvP最強のギルドとして名を馳せた。

 主要メンバーは概ねアイツの後始末が主な仕事になったのは言うまでもない。


 なまじ見た目が良いだけに、変なやっかみや嫉妬?なんかもあってギルドメンバーが他のギルドに絡まれる事案も増えた。

 正直、最初のうちは勧誘したヤツらには悪いが脱退してもらうことも視野に入れていた。


 とある事件があるまでは。


 それはゲーム内では難攻不落で有名だったダンジョンの攻略にギルド内でも上位のメンバーを集めて向かった時の話だ。


 何故難攻不落なのか、それはまず入ることすら難しい、という事だろう。

 入口には門を守るボスモンスターが居座っている。

 その強さはレイドボス並で単独パーティーでの撃破は絶望的と言っていい程だった。


 だがその時は違った。

 あいつの加入でパーティー構成をどう頑張っても火力不足、という問題点が解消されたからだ。

 トップランカー達がパーティーを組んでも倒せなかったボスモンスターは激闘、死闘と言っても過言ではない戦いの果に打ち倒した。


 事件はその後に起こった。

 抗争相手のPKギルドは壊滅、解散に追い込んだものの、執念深い一部のPKプレイヤーの残党が消耗した俺達に奇襲を仕掛けてきた。


 当然ただで殺られてやるつもりの無かった俺達は応戦したものの、やはりボスモンスターとの戦闘直後、完全に気が緩んだ瞬間を狙われ、全員の対応が少なからず遅れかなり不利な状況に追い込まれた。


 その劣勢をアイツは自分がデスペナを受ける代わりに相手の主力を無力化することで覆した。

 はっきり言って俺はアイツがきらいだった。

 確かにプレイヤースキルはトップクラス、戦力としては申し分なかった。

 しかしそれ以上に性格に難がありすぎ、後始末に奔走するハメになった。


 当時のギルドマスターに気に入られていたのも気に入らなかった理由の一つだ。

 長年付き合いのあった俺達よりアイツを次期マスターに指名する、と公言していた。

 何がそこまで認められていたのかわからなかったのもある。


 だがアイツは俺達が生き残りダンジョに挑むための障害を、自身を犠牲にして取り払った。

 あの時からアイツは間違いなく俺達の仲間になった。


 いや、認めていなかったのは一部の古参だけで、俺もその一人だっただけの事だ。

 アイツの中ではとっくに俺達ギルドメンバーは仲間だったんだ。

 それこそ、ゲームの中とは言え、自分の命を犠牲にしても惜しくないくらいに。


 その時からだ。


 俺がアイツを好きになってしまったのは…。

閲覧、ブックマーク下さった方々、ありがとうございます。

感想、ご意見などあれば是非ともお願いします。m(*_ _)m

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