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少女漫画じゃないけれど。



「りりちゃーん、リモコンとってー。」


「はいどうぞ。」


ぴっ。ニュースがお笑い番組にかわる。


いつも夜はこうして2人でだらだらするのが習慣になっている。


が。


私は今日、達成したい目標がある。


それはみゆさんと手をつなぐことだ。




2人で一緒に暮らしているといっても、お風呂も別で入るし、布団も別々だ。


一応今の関係は友達…になるのだろうが、それでも手ぐらいは繋いでも良いのではないか。


少女漫画などではよく友達同士手をつないでいるのを見たことがある。


ならば、今手をつないだところで、それは友達どうし!なんの問題もない!


…自分で考えてへこんだことは黙っておく。


とはいえ、どうしても手をつなぎたいのは事実だ。


問題は、どうきり出すか。


『手、荒れてません?』 いや、これは失礼。


『手相見てあげますよ。』急すぎる。それにわからない。


『手、つなぎませんか?』唐突すぎる。


うーん…。



「りりちゃん!」


「はい!?」


「また眉間にしわがよってるよ?」


テレビはいつのまにか消えていて、かわりにみゆさんが怪訝な顔でこちらをみている。


「また考えごと?」


「えっと…。」


「手をつなぎたいと思って…。」



「へ?」


ああ、ついうっかり言ってしまった。


みゆさんはきょとんとした顔をしている。


だがそれは一瞬のことで、すぐにいつもの笑顔に戻っていた。


「いいよっ。はい!」


ぎゅっ。


「…え?」


私の右手に温もりが伝わる。


とっても、あったかい手。


それを理解した瞬間急に恥ずかしくなる。


「あ、あの…。」


うまく言葉がでない。


「りりちゃんのしかめっつらをほぐせるんだったら、喜んでつなぐよ。」


いつもと少し違う、優しい笑み。


「あ、ありがとうございます…。」



やばい。



また、「好き」になってしまった。



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