ーー花びらをバックに、貴方ーー出会った
◇◇◇◇◇
『僕はーー』
◇◇◇◇◇
「ちぇりお!!」
……あ、おはようクマさんクマちゃん
…………あ、また夢か。そういえば昨日も見た、同じ夢か。
………………今日こそいてくれるかな、メリーさん。
〜〜〜〜〜
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‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾ ユラユラ
「にゃ〜ぉぉ」
「うぅ、そうだねっ。悲しいよね!」
猫語なんて知りませんけど。きっと、そう思っているに違いありません。悲しそうに鳴いているから悲しいのですよ、多分。
ーー日曜日になっても、店の中は真っ暗。ひと1人の気配もありません。代わりに独特な、人形だらけの気配はありますが。
外から見るだけで、メリーさんがいないだけで、リトル・リドル・ドールズが、全く別の世界のように見えてきました。
……今までのが全部、夢だった気さえします。そんな事、ない、よね?
「あっ」
猫が触ったのでしょうか。今日は久しぶりにと、一緒に連れてきたクマさんが揺れて、地面へと落としてしまいます。
「ごご、ごめんね!」
帰ったら一緒にシャワーです。そう思いながらクマさんを拾おうとして……色々と、思い出しました。
コーちゃんの事。ぬいぐるみの値段の事。不思議な事。これが、夢なはずありません!
「……ありがとう、クマさん」
腕の中のクマさんが、微かに動いた気がしました。私にはそれが、頑張れって言ってくれたような気がしました。だって、コーちゃんってば、言葉で言うのは恥ずかしいからって、変な態度で示すもんね。
そうだよ、頑張らなくっちゃ。諦めたらいけない。今日がダメだったら明日来ればいい! 明日がダメだったらその次もまた来ればいい!
ーー強く、生きるんだ。
そして、そして……『優しく』?
「あ、ミリア」
「シンシアちゃん!」
今日もまた、ばったり出くわしたのはシンシアちゃん。何か運命すら感じてしまいます。
心なしか、私を呼ぶ声が引け目だったのは、気のせいではないかもしれません。
「ミリア、昨日はなんか……ゴメンねっ」
「え?」
「ほら、怒らせちゃった? みたいな。私、余計な事言っちゃったかなーって」
「ううん、そんな事ないよ。こっちこそ、心配かけさせちゃったみたいで、ごめんね」
「いやいやこちらこそーーあ、それ、そのぬいぐるみ可愛い! もしかして、このお店で?」
「……んー」
一瞬迷いました。昨日のシンシアちゃんを思い出して。
でも、一瞬です。私は堂々と言ってやりました。
「そうだよ!」
「そっか! ……私も、今度このお店で見てみようかなー、なんちゃって」
「だったら、一緒に!」
「っ……だね、一緒に!」
そう。強く、生きるんだ。
「あー良かった。昨日のミリアってば元気が無さそうだったし。うんうん。そういう笑顔の方が、ミリアは断然お似合いだよ」
「えへへ、そうかな……あ、シンシアちゃんは今日はどうしたの?」
「え? そりゃあ、えっと、おつかい?」
「昨日みたいに、買い物袋が無いけど」
「……おつかいだよ」
「もしかしてシンシアちゃん、ここに来たのってーー」
「そ、そんな話はしていない! えっと、えっと、そう! 今はミリアの笑顔が似合うって話をしてるの!」
「えへへ、そうかなぁ」
「……ちょろ」
でも、確かに私も、暗い気持ちが随分と楽になった気がします。心晴れやか。天気も爽やか。
待っていてください何か色々な事! 絶対に諦めませんよ。なんだったら明日は、一日中ここに居座ってやりますよ!
「じゃ、じゃあミリア、私はお つ か いだから。また明日学校でね〜」
……放課後。放課後がんばりましょ。




