第三話 魔女との出逢い①
三話です
ケータイのアラームの音と共に意識が覚醒する。なんか昨日は変な夢を見た気がする。確か竜みたいなのに襲われる夢だったような・・
うん。夢、だよな。なんか妙にリアル感というか感触があった気がするけど。
そう思いながら目を開ける。目を開けた先には竜はいなかったけれど変わりに。
ーあぁ知らない天井だ。
そこには見たことも無い様な模様が描かれている天井、絨毯、なんかとても高価そうな装飾品の数々。
目の前に広がっていたのは自分の知らない景色だった。
取り敢えず状況を把握するために辺りを見回していた時だった。
『あら?やっと目が覚めた様ね』
部屋の奥から誰かの声が聞こえた。透き通る様な綺麗な女の人の声だった。ただ相手が何を言っていたのか分からなかった。聞こえなかったというより聞き取れなかったとういか。始めて聞いた外国語のような感じだった。
「だ、誰だ?」
聞き取れなかったとはいえこちらに話しかけてくるような感じだったので一応は答えを返す。
俺の言葉が分かったかどうか分からないが声の主はこちらへ近づいてくる。
『うん?なんか聞きなれない言葉ね。ねぇ君、私の言葉が分かるかしら?』
彼女は俺の近くまで来て何語か分からない言葉を話す。理解は出来ないが何か聞いてくるようなニュアンスなのは分かったが俺はそんな事よりも気になってしまったことがある。
それは彼女の容姿だ。今まで見たことも無い様な整った顔。綺麗な赤髪に青い瞳、そして魅惑的な身体。何よりも目を引くのはその服装だった。ワンピースみたいな服装で胸元が大きく開いている。
と彼女に目を奪われていると
『言葉は分からない様ね。う〜ん。あ、そうよ。確かあれがあったわ』
俺の視線に気がついたのか彼女は何かを呟いて奥の部屋へパタパタと足音を立てて行ってしまった。
ガン見していた事を咎められるのかと戦々恐々としていたら彼女は何か小瓶を持ってきていた。
『確かこれが異種族との会話を翻訳する薬だったはず。いつ作ったか忘れるくらいの古いやつだけど、まあ飲むのは私じゃないし。ほら、飲みなさい」
なんか差し出された。その小瓶を良く見てみると中のは透明な液体が入っていた。
水かな?ちょうど寝起きで喉も渇いていたしありがたい。そう思いながら小瓶の液体を一気に飲み干す。
小瓶について少しは疑えば良かったと思う。臭いを嗅いでみたり、ちょっと味見をしてみたりとか。
なぜならその液体は・・・
「?!?!!、?!!!」
俺は声にならない叫びを上げながら倒れた。
そう、その液体はとてもとても不味かったから。
またしても俺は意識を失ってしまった。




