第七話 入学式
本日三話目の投稿です。もう12時近いですけどね。あと指摘部分を修正しました。批判から感想まで、どんどん受け付けますので「つまらない」とかでもちゃんと受け止めます。
今日は入学式である。
ここは学園の敷地内にある大聖堂の中。新入生の全124名がこの聖堂には集まっている。今、壇上には学園長であるリアンナ・フェリオルが定例分とも言える挨拶をしている所だった。
ーーなんか挨拶が面倒とか言ってた時と別人だな。にしても昨日の話。
他の新入生は演説に聞き入っている中、俺は昨日の話を思い出していた。
※
「それで?異世界の契約者ってなんだ?」
フィアナとの戦いから二日経ち、もらった書類に必要事項を記入した俺は学園長室を訪れていた。
ちなみに一昨日は必要な物の買い出しとフィアナ生徒会長の敬語講座である。なぜか朝早くに来たフィアナは「お前に敬語を教えてやる!」と半日近く勉強会が開催された。
敬語は覚えないといけないとは思っていたので、有難かったが結構スパルタなんだよなぁ。
「ふむ。そうだな、これはアリシアから聞いたことから推測した事だ。精霊の悪戯という話はアリシアから聞いたと思うが」
「ああ、聞いた覚えはあるけど実際にそうだったかは分からない」
「夢でも、現実でも呼ばれる前兆は無く、体に刻印も無い。気が付いたらこの世界に来ていた。そうだな?」
「それもアリシアから聞いたんだな?俺としては原因くらい知りたいと思うけど、まあ諦めてるよ。どの道この世界で暮らすつもりだからな。あんまり気にしてない」
「ふふ。結構図太いな。さすがアリシアの弟子だ。取り敢えず私の仮説を聞いて欲しい」
「仮説?」
「私はアリシアに話を聞いて疑問に思ったことがある。魔女の元で一年間修行したと言っても元は魔力さえ持たなかったのだろう?なぜ、そこまでの力を付けられたのか?」
「そりゃあ、あのとんでも無い修行の賜物じゃあ?」
あの日々を思い出し、あれくらい厳しいのをやれば強くなるだろ?と思う。
「普通じゃ無いよ、それは。この世界に住む人々が同じ事をやってもきっと出来ない。でもそれは君の世界が関係してるわけじゃ無い」
続けて学園長は思いもよらない言葉を発する。
「君から精霊の反応が三つある。二つは君の服のポケットの中から。そしてもう一つは君の中、心臓の辺りからだ」
心臓の辺りだと?最初の二つは心当たりがある。ケータイに宿っているという精霊だろうな。
ステータスを調べる時の丁寧な喋りの精霊とMAPを使った時のアホっぽい精霊だ。
「まあこれは君がここへ来た事とは直接関係無いかもしれないが、君の力とは密接に関わってる。魔力量が桁違いなのがその証拠だ」
「それ以上は分からん」と彼女は話を切ってしまう。え?ちょっと待とうか。
「なあ?それはいいけど異世界の契約者って言葉の意味は?」
「それは、何と無く君を見ていたら出た言葉だ。あんまり気にするな。言った私でも良く分からん」
誤魔化してるのか?でもそんな感じには見えない、か。ここでこれ以上問いかけても収穫は無さそうだしな。
「まあ良いよ。後はのんびり調べるようにする。何かあるならその時はその時だし、焦っても仕方ない。じゃあ俺はこれで失礼するよ」
「あまりいい情報を教えてやれなかったが何か分かったら連絡しよう。明日は入学式だからな。・・・ああ、全校生徒の前で挨拶とか、面倒だ。明日休もうかな」
最後になんか言ってるが無視して学園長室を後にした。
※
思い出している間に学園長の話は終わったようだが退場する時、何故か俺を睨んでいた気がする。聞いてないのがバレたか?
〈続いて在校生を代表して生徒会長のフィアナ・イルミナさん挨拶をお願いします。〉
お、フィアナだ。ちゃんと生徒会長なんだなぁ。と割と失礼な事を思いながらも話を聞いていた。
〈新入生を代表してミリア・フレリアさん。挨拶をお願いします〉
んん?ミリア?
名前を呼ばれると彼女はハイ!と返事をして壇上へ上がっていく。なんか緊張してんなぁ。と思って彼女を目で追っていると途中で目が合った気がした。気のせいか一瞬微笑んだような?
「私は新入生代表のミリア・フレリアと申します。ここで私達が学びたい事はーー」
緊張していたように見えたが、気のせいだったか?彼女は噛むことなくスラスラと良く通る声で挨拶をしていた。
入学式が終わり新入生は教室へ案内される。クラスは学科に関係なくランダムで三組に振り分けられる。一組に40人程だろうか。幸いというかミリアとセルカとは同じクラスになれたので良かったと思う。
午前中は座学が共通クラスで行われ、午後は各学科に別れて実技訓練だそうだ。俺や他のまだ決まっていない者は色々周り、一ヶ月以内に決めろと言われた。
初日は入学式と説明だけで終わるらしく、後は帰るだけなので鞄を取り出し支度をしていると誰かが声をかけて来る。
「朔夜さん!」
ミリアと従者のセルカである。二人は俺に前に来ると頭を下げて来る。
「ミリアにセルカか。といっても三日振りか?どうやら同じクラス見たいだな」
「はい!午後の専門科ではセルカとは離れてしまうので、共通クラスで離れなくて良かったです。そ、それから、朔夜さんとも同じクラスになれて嬉しいです・・・」
「私も嬉しいです。姫様と朔夜さんと同じクラスになれて」
二人はそう言いながら微笑む。おおう、こうしてよく見るとやっぱり可愛いな、この二人。
どうやらそう思っているのは俺だけでは無いようで、周りの男子から嫉妬の眼差し。女子からはため息が漏れていたが、全力で無視である。
だがどうやら騒ぎはそれだけでは収まらないようだ。
「朔夜!!いるか!?」
勢いよく入って来た人物にクラスの人達は目を丸くする。
そこには生徒会長がいた。フィアナは俺の前へ来ると爆弾発言をする。
「やっと見つかった。今日はこれで終わりだろう?よ、良ければお昼を食べないか?ここの食堂へ案内しよう」
そう言えば今日は昼飯どうするか考えていなかったな。食堂か。今後も利用するだろうし今のうちに行っておくか。と思いミリアとセルカに別れを告げようと口を開く。
「そうだな。案内頼むよ。じゃあミリア、また、」
明日な、と続けようとしたが言葉は最後まで続かなかった。
「私も行きます!!生徒会長さん。案内お願いします!!」
「私もお願いします。一度は食堂を見ておきたいので」
「い、いや私は彼と二人でだな・・・」
その呟きはあまりにも小さく誰にも聞こえていなかった。
「良いですよね?」
ミリアはニッコリと再度確認するようにフィアナ問いかける。フィアナは心の中でため息をしながら
「い、いいだろう!私が食堂の使い方を教えてやろう!」
この会話は教室の真ん中で行われていたため、生徒会長の言葉に全員が、「じゃあ俺も!」「え?みんな行くの?じゃ私も!」と続き結局1クラス分巻き込んで食堂での食事会になった。
「な、なんでこうなったのだ・・・?」
生徒会長呟きは誰にも届かなかった。
小説の一巻が10万から15万文字らしいので10万文字前後で1段落つけるつもりでいます。




