第五話 竜騎士との戦い
本日最初の投稿です。今日は2話いけるかなぁ?頑張ります。
「はあ・・なんで俺がこんな事を」
ぶつぶつ文句を言いながら俺は学園長の後をついて行く。
「そう言うな。先程も見ただろう?彼女は頭が固くてな。納得するまで諦めない性格だ。良い所でもあるが、悪く言えば融通が利かない性格だ。いい加減に諦めろ」
「はあ、まあ仕方ないか。それよりも「あの子」ってなんだ?戦うのは彼女だけじゃないのか?」
「先程も説明したように彼女は竜騎士だ。まあ、なりたてではあるがな。「あの子」ってのは彼女と契約してる竜だよ。竜騎士なんだから竜と共に戦うのは当然だろう?」
学院長は「何でそんな当たり前のこと聞くの?」みたいな感じで言って来るけど、待ってくれ。
「いやいや。こっちは竜どころか精霊とも契約してないし。下手すると怪我じゃ済まないかもしれないし」
「心配するな。本当に危なかったら止めてやるし、もし大怪我をしても死ななきゃ治してやる」
いや、死ぬってなんだ死ぬって。
話していると更衣室につくが、そう言えばと自分の格好を見て思い出す。
「更衣室まで案内してもらって悪いけど、今戦闘着だったから着替える必要なかった」
「早く言え。というかそれが戦闘着なのか?かなり良い素材だし戦闘着とは思えないぐらう汚れが無いが。すぐ汚れてしまうぞ?」
「大丈夫だ。アリシアのお手製で魔力を込めれば破れてても直るし、汚れも消える」
「ほう。後で見せてもらっても良いか?」
「変なことしなきゃ構わないがな。それよりも早く済ませて入学の準備とかしたいんだがなぁ。お、訓練場ってここか?」
「ああ。もう既に彼女は待っているみたいだ。女の子を待たせるのは男としてどうかと思うぞ?」
「なんだそりゃ。じゃあ行くけど危なくなったらちゃんと止めてくれ」
「期待してるよ。異世界の契約者サマ?」
今、異世界とか言わなかったか?ていうか何だ異世界の契約者って。
「ふふん。気になるか?なら勝ったら教えてやる」
なんかどこかで見たドヤ顔だな。絶対面白がってるだろ。
気になるが今は目の前のことに集中しよう。ヘタしたら大怪我しかねないからな。
訓練場の方へと入っていく。そこにはフィリア・イルミナと彼女の二倍程の大きさの竜が隣に佇んでいた。
「遅いぞ!」
「悪い。準備に手間取ってな。けどこっちは挑まれた方だ。少しくらい遅れても構わないだろう?」
「む。まあそうだな。こっちの都合で付き合わせるのに勝手を言ってはいけないな。悪かった」
挨拶もそこそこに俺は鞄を壁際の入り口に置いて彼女の方へと歩いていく。あ、ヤベ。ケータイ持って来ちゃったよ。今更入り口まで戻るのも恥ずかしいし、このままでいいか。
「さて。双方とも準備はいいか?」
「はい」
「ああ」
学園長の確認の声に答える。準備と言っても俺は何も持ってないけどな。
「始め!」
学園長の合図に俺は両腕を構え、フィアナは竜に乗り飛翔する。
先に仕掛けたのは彼女だ。どこからか西洋の騎士が使っていたような重槍を取り出し竜と共に突撃して来る。
「まずはこれだ!!スピニング・ランス!!」
対して俺はその光景を目の前にしながら考えていた。
ーーー腕を構えたは良いけど、これからどうしようか?あんまりプランないんだよなぁ。
いや、訂正しよう。あんまり考えていなかった。取り敢えず防御だな、と腕はそのままに障壁を展開する。ちなみに無詠唱である。
ガキィイン!!と音がして突進して来た彼女が勢い良く弾かれる。
「なっ!?あの一瞬で私の攻撃を防ぐ程の障壁を張るだと!?」
ーーー危なっ!おお〜今くらいのじゃ壊れないのか。
彼女はひどく驚いているようだが、俺としては、どれくらいの攻撃で破られるのか分からないのでビクビクしていた。
ーーーう〜ん。どうするかな?今まで魔物としか戦ったこと無いから加減が分からん。今朝みたいにグラン・ヴィレルに放った一撃じゃ向こうが危なそうだし。なにか数値化とか・・・ん?
フィアナの放つ攻撃を障壁で受けながら、どう攻撃しようか悩んでいたらケータイが振動していた。
ーー着信?いやメッセージかこれ?
構えていた両腕を一回下ろし片手で、改めて障壁を張りながらケータイを確認する。そこには。
《新しいアプリのお知らせ》
どうやら困っているご様子。そんな時にはこのアプリ。なんと自分の使う技、相手が使われる技の威力、範囲、効果が分かっちゃう優れもの。
これがあれば主様は思いのままに手加減が出来るのです。ですが、まだまだ私達のレベルが低いので利用できる機能は少ないですので御了承くださいませ。
↓↓
[ダウンロードはこちらから]
一定量の魔力を消費します。初回のみ消費大です。 魔力切れにご注意を!
ご健闘をお祈りいたします
by精霊より
ーーなんだこれ?スパムメールか?
いや精霊の仕業か。でも今これダウンロードして大丈夫なのか?消費大って書いてあるし。でもこのままじゃ、終わらんからな。おし。ダウンロードだ!ポチっと。
画面にはダウンロード画面が。そしてダウンロード始まるが、体から力が抜けるような感覚がある。でもまあこれ位なら問題ないな。
しばらくしてダウンロードが終わりケータイのホーム画面にアプリが表示される。さっそく起動する。
そこにはRPGのステータス画面の様なレイアウトで相手が使った技が載っていた。
▽
フィアナ・イルミナ
クラス:竜騎士
使用技
スピニング・ランス:竜気を纏わせ突進する。
威力:そこそこ強い。
立花・朔夜
クラス:無職( 魔女の弟子 )
使用技
?????
詠唱なしですが、強い攻撃を割と防げます
▽
また適当なのか・・・?
精霊のレベルが低い所為もあるだろうけど、役に立たないじゃないか。
仕方ないか。このまま防御だけでは芸が無いしな。攻撃だと加減が難しいし、なら。ーー新しく創るか。
片手だけで受けていた槍を、大きく弾く様にして遠くへ飛ばす。距離が空いた所で早速、精霊陣を展開する。
ーーーーイメージするのは鎖。長く頑丈で決して千切れない。
魔法のイメージを固定。イメージを具現化する。
魔法を発動する。
ジャラララと音を立ててイメージしたとおりの鎖が精霊陣から顔を出す。
「な、なんだその魔法は!?固有魔法が使えるのか!?」
「拘束しろーードラグ・チェイン」
そう命令すると鎖は目に止まらない速さでフィアナの元へ殺到する。
「なっ!?逃げろ!エナ!」
逃げようとするが鎖の方が速くあっという間に彼女たちを拘束する。 これで戦闘は出来ないだろ。
「学園長。これで勝負有りだろ?」
学園長は驚いた顔をしていたが声を掛けると正気に戻ったらしく彼女の方を確認する。気を失っているのか動く気配がない。
「あ、ああ。そうだな。この勝負ーー」
だが。
ーーー我は謡う。
ーーー我は乞い願う。
ーーー我に立ち塞がる全ての敵を倒すために。
ーーー術式・解放!!
「おい!?フィアナ!!それはやめーー」
彼女の口というよりは、どちらかと言えば竜の方だろうか。その聞こえてきた声に学園長はやめろと叫ぶも、その声は届かない。
そしてそれは現れる。圧倒的な力を持って。
続けて書いても良かったんですが、ダラダラになる様な気がしたんで次回です。




