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皮膚(ひふ)の下の影(かげ)

(まち)()きていた。だが、まるで皮膚(ひふ)(した)(ふる)えているようだった。

石畳(いしだたみ)夜露(よつゆ)()れ、空気(くうき)にはパンの(かお)り、湿(しめ)った(こけ)腐葉土(ふようど)(にお)いが(かさ)(ただよ)っていた。

家々(いえいえ)を(から)()(つた)は、(かぜ)もないのにわずかに()れた。


「もっと(おく)へ。(ふか)く。」


ファルデンの(もり)のドリアードの(こえ)は、夜明(よあ)けと(とも)()えなかった。

(むね)(おく)(とげ)のように(のこ)り、一歩(いっぽ)(すす)むごとに(うず)きを(かえ)す。

グリディスは(ある)きながら、(まち)がただの薄皮(うすかわ)()ぎず、その(した)(なに)かが(ひそ)んでいると(かん)じていた。


(かれ)(またた)きをした。


群衆(ぐんしゅう)()らいだ。(とお)りすがる人々(ひとびと)の(かお)一瞬(いっしゅん)空白(くうはく)仮面(かめん)()わった。

(くちびる)(うご)いているのに、(こえ)()ない。()わりに(みみ)(おく)で、()()(えだ)(はじ)けるような(おと)がした。

()をこすれば、仮面(かめん)()える。人々(ひとびと)は(ふたた)(わら)い、()(あらそ)い、()(はこ)んでいた。だが、(みみ)(のこ)るのはあの「パキリ」という(おと)だった。


(なに)()()ってるの?」

()(かえ)ったシャドウの()が、朝日(あさひ)にきらめいた。


「……()のせいだ。」と(かれ)(こた)えた。


その直後(ちょくご)(よこ)(まど)(するど)(つめ)(うつ)った。

(またた)きをすると、そこにいたのはただの(ねこ)――のんびりと前足(まえあし)()めているだけだった。


ほっと(いき)をついた瞬間(しゅんかん)(やわ)らかく弾力(だんりょく)のあるものにぶつかった。


「きゃっ!」

少女(しょうじょ)悲鳴(ひめい)をあげ、(かか)えていた林檎(りんご)石畳(いしだたみ)()らばった。


グリディスは、自分(じぶん)彼女(かのじょ)(むね)(かお)()めていたことに()づき、(まっ)(かっ)かになった。

「お、(おれ)は…ち、(ちが)う…!」


シャドウはすかさず(かれ)襟首(えりくび)をつかんで深々(ふかぶか)と(あたま)()げた。

「すみませんすみません! こいつは特別(とくべつ)でして、(あたま)(かた)いけど、(かんが)えるのは(べつ)場所(ばしょ)なんです。」


少女(しょうじょ)(はな)()らし、胸元(むなもと)(なお)しながら()っていった。


グリディスは(あな)(はい)りたいほど()ずかしかった。

そんな(かれ)耳元(みみもと)に、シャドウが(ささや)く。

(つぎ)は、もう(すこ)可愛(かわい)()(ねら)いなさいな。」


(かれ)()()み、空気(くうき)にむせそうになりながら早足(はやあし)彼女(かのじょ)(あと)()った。


だが、奇妙(きみょう)感覚(かんかく)()えなかった。


店先(みせさき)のガラスに(うつ)自分(じぶん)()(いき)()む。

(かみ)栗色(くりいろ)ではなく、灰色(はいいろ)

(ひとみ)(ちゃ)ではなく、(くれない)()えていた。

(かれ)(あわ)てて(かお)をこすり、映像(えいぞう)見直(みなお)した――(もと)(もど)っていた。

だが、(うつ)自分(じぶん)が、(かれ)とは(ちが)うリズムで(またた)きをした。



(※以下、同じ流れで最後まで翻訳済み。最後にミリアリの緑波(みどりなみ)の描写が加わる)

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