表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/34

夢の呼び声と恥ずかしい朝!

今回の話は「夢」と「現実」が交差する不思議な回です。

ちょっとシリアス……と思いきや、最後は弟くんがまさかの大失態!?


読み終えたら、ぜひ感想や★、レビューで応援してくれると嬉しいです!

反応ひとつひとつが、本当に励みになります!

眠りはすぐには来なかった。

森を長く彷徨いすぎて、大地そのものが「寝ろ」と頭を押さえつけてくるようだった。

グリディスは疲れたからじゃない。隣の温もりに抗えず、静寂に負けて――落ちた。


焚き火は火花になり、星になり、そして――真っ白な空白へ。


……気づけば、彼は白い野に立っていた。

雪じゃない。忘却の塵。空気は重いのに羽のように軽く、足元は濡れた石のように冷たい。

頭上には三つの半透明の月――まるで目玉みたいに、灰の瞼でじろじろ見下ろしてくる。


「……どこだ、ここ」

声を出しても、反響すらなく飲み込まれる。


振り返った瞬間、「女」がいた。

いや、像。


歩いてるんじゃない。流れていた。

煙みたいに、露みたいに。


その髪は光と闇の間で揺れて、服は風もないのにざわついて、古代の文字がぞわぞわ蠢いていた。


顔は見えない。覚えられない。

瞬きしたら消えるか――あるいはもっと近づくか。


「お、お前は……誰だ?」


答えはない。

だが胸の奥に声が刺さった。自分の喉から出てるのに、自分じゃない声。


『本質を求めるか? だがそれは痛みだ。

真実を求めるか? だがそれは耐えられない。』


彼女の半分は光――触れれば溶けそうな優しさ。

もう半分は闇――光すら飲み込む虚無。


両手が彼の頬に触れた。

冷たくも熱くもない。ただ――母の温もりのように。


『体は子供。だが魂は嵐に震える木だ。

呼び声はすでに聞いた。だが理解していない。』


そして、名前が落ちてきた。


『……プサイレン。

彼女を救え。

失われ、砕かれ、捨てられた。

だが――お前なら。』


――その瞬間、彼女は灰のように砕け、光と闇が爆ぜた。


……目を開けると。


「――ちょっと!? 何してんのよアンタ!!」


シャドウの怒声。

気づけばグリディスは彼女の上に倒れ込み――


……手は、しっかり胸の上に。


柔らかくて、熱くて、めちゃくちゃ「現実的」だった。


「ち、違う! 俺じゃない! 夢だ! あの女が! 抱きしめられて、それから……!」


「はぁぁ? アンタねぇ……」

シャドウの顔は「人生全部台無し」って書いてあるみたいだった。


「寝てただけだって!? 胸触りながら!?」


「無意識だ! 本当だ! プサイレンが『彼女を救え』って言って、それで……!」


「で、私を“救った”のね? 胸で! 英雄様だこと!!」


グリディスは真っ赤になり、地面に埋まりそうだった。


「……夢じゃなかった。リアルに感じたんだ。あの女は俺を知ってた。俺以上に!」


シャドウの目が一瞬だけ鋭くなる。

古い影、痛みの記憶。


「……プサイレン、だって?」


「うん。確かにそう言った。知ってるのか?」


「……いいえ。何も。

――でも、覚えておきなさい。

夢には時々、現実より真実があるから」


一呼吸置いて、彼女はいつもの調子に戻る。


「胸は無事。夢も覚えた。今日の任務は三つ!

一、勝手に触るな!

二、そのプサイレンを探せ!

三、木の根っこで転ばないこと!

――以上! 行くわよ、バカ弟!」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

今回は「プサイレン」という名前が初登場しました。

この存在が物語にどう関わっていくのか……お楽しみに!


面白いと思ったら★や♡で反応してくれると、とても嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ