イントロダクション
俺は、昔からカッコいいヒーローに成りたかった。
スーパーパワーを使って悪を倒し、みんなにチヤホヤされるのが夢だった。有名になりたかった。俺という存在を世界に知って欲しかった。承認を満たしてほしかった。
でも、現実は何というか、普通だった。
高校を卒業して、大学に入り、興味のない授業を聞いて単位を取るだけのつまらない日常だった。
正直、俺はつまらない人間だと実感した。認めたくはないが。
大したことないレベルの大学の人間で、特に特技もない人間で、特別な目標があるわけでもなかった。
何かを面白いと感じる優れた感性も無かった。
彼女もいない。
別にいらねーよ彼女なんて。いたとしても、ご飯作ってくれたり、一緒にお風呂とか入るだけだろ?
、
、
、
、
いらねーよ、、、
ただ、
あの日、変わった。
水がワインに変わってしまうように。
この何事もない普通の大学生活が、全く別のものになってしまった。
俺があんなベルトを拾ってしまったばっかりに。
この物語は、俺、三星タクマがヒーローになる話。
なんてことのない大学生が、人を救う話。
人を殺す話。