嬉しい誤算
「こんばんは。
突然ゴメンナサイ」
笑顔で謝る希望さん。
「いえ、全然謝ることではないですよ。
連絡無しだったので少し驚きましましたが、希望さんなら何時でも大歓迎です」
「ありがとうございます。
今日、買い物や家具の組み立てとかで忙しいから、晩御飯大丈夫なのかな?って思いまして、良かったらと思ってオカズ作って来たんです」
マジかっ!
突然訪れる希望さんの手料理。
よく見ると手には袋をぶら下げている。
「ありがとうございます!
何か用事がないのであれば一緒に食べませんか?」
せっかくなので晩御飯に誘ってみる。
「良いんですか?
ならご一緒させてもらいますね」
よしっ!
心のなかでガッツポーズをする。
「どうぞどうぞ」
心変わりされる前に中へと誘う。
はたから見れば、怪しい人間だろう。
「お邪魔します。
あ、これが今日買った家具ですか?」
中に入った希望さんが、廊下に置いてある大きめの段ボールを見て言う。
「えぇ、思ったより重くてどうしようかと思ってました」
「良かったらお手伝いしましょうか?」
「いやいや、さすがに悪いですから。
それに明日の午後から空いてるので、ゆっくり組み立てますよ」
嬉しいことを言ってくれるけど、さすがに手伝ってもらうわけにはいかなかい。
「そうですか?
でも、もし手伝いが必要なときは言ってくださいね」
相変わらず天使だ。
「ありがとうございます。
あ、瑠璃華がソファーで寝ているので、こちらにどうぞ」
リビングでは瑠璃華がまだ寝ていたので、ダイニングテーブルの椅子を勧め、俺は冷蔵庫からペットボトルを取り出し、グラスに注ぎストローをさしてから、希望さんの前に置く。
「アイスレモンティーなんですが大丈夫でしたか?」
「ありがとうございます」
そう言って一口飲む。
それからしばらく他愛のない話をしていたら、瑠璃華が起き出した。
希望さんの顔を見て、一瞬びっくりした顔をしたが、『こんばんは』と言う希望さんに、今回はちゃんと挨拶を返した。
挨拶を返した瑠璃華が、テーブルに向かってきた時、俺は椅子をもう一脚買おうとして忘れたことに気付いた。
取り敢えず、俺の座っていた所に瑠璃華を座らせ、飲み物を出した後に部屋に椅子を取りに行くことに。
近い内に忘れず椅子を買おうと思い直した瞬間だ。




